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そういう意味では犬がこっちを見続けているのも、すれ違っても振り返ってまでいくしゅんさんを見てますよ(笑)。

犬ってカメラを構えるとこっちを見るんですよ。あいつ何やってんだって感じで、じっーーと。だから動物と目を合わせるのはそんなには難しくないです。

しつこいなって言われませんか?

しつこいのが好きなんですよ。こいつ、しつけぇ!!!って半笑いで言われるくらいがちょうどいいですね。しつこくされるのは嫌いですが(笑)。この犬を発見したときは、なんか大名みたいだなっていうか、後ろのカゴにちょこんと座っておばちゃんが運んでるみたいな。それでなんとなく1枚撮ったら犬がこっちを見て、なかなか向こうが目線を外さないんで、ずっと撮り続けました。なんか目線を先に外した方が負けみたいな勝負が僕と犬の間で始まったんです。

ではこの勝負に勝ったわけですね。

そういうことになります(笑)。本当はこの一連の写真が17枚くらいあるんですけど、さすがに17枚は本にしたときにくどすぎるかなと思って10枚に絞りました。

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このモグラの写真も最高ですね。

これはネズミですね。

失礼しました。モグラ叩きを連想しちゃって(笑)。

確かにそう言われるとモグラにも見えますね(笑)。この写真は高田馬場のちょっと路地裏に入ったところなんですけど、最初はタワシが落ちてると思ったんですが、なんかちょっと動いたぞって思って、近づいてよく見るとネズミだったわけです。交差点の真ん中なんですよね。タイヤがここを通るから危ないと思ってすぐに駆け寄って、交通整備をしながら挟まってるのが抜けるまでちゃんと見守ることにしました。見守ったお礼として写真を撮らせていただきました。

高田馬場には何しに行ったんですか?

新宿で展覧会の打ち合わせをやって、そのあと馬場で友達と会う予定があったんですが、時間に余裕があったのでちょっと歩こうと思って。その道中です。

移動手段は歩きが多いのですか?

時間があれば歩きます。普段通勤のときは自転車なんですが、自転車に乗っていたら景色の流れが速くなるので近くのものがあんまり気づけないんですよね。気づけたら前ちゃんと見てないってことで危ないと思うし。

そうですね(笑)。ではいくしゅんさんの作品は歩くって行為とリンクしてるんですね?

そうですね。散歩は好きです。音楽やラジオを聴きながら歩くのが好きで、リラックスしたいときや考え事をするときも散歩しますね。自分の歩く速度とリンクして街の風景が変わるっていう当たり前のことも単純に面白いと思います。

また、動物の作品も多いですが動物が好きなんですね。

動物は大好きですね。休みの日はドッグランとか行って、知らない人の犬をタダで触らせてもらったりしてます。愛犬家のふりして(笑)。

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面白いものを発見したあと、いざ撮影するとなったとき、どのようなことを意識しているのですか?

感覚としては、音ゲーに近いと思います。画面にバーが落ちてきてちょうど目印と重なったときにボタンを押したら得点になるみたいな。さっきの姪っ子のジャンプの話も最高到達点のときに、バシっと止めて撮るのが気持ちいいっていうのと同じなんですが、例えばカエルの写真とかも体が一番伸びてる、その一瞬のときに撮りたいなっていうのがありますね。連射はなんかズルいので使わないんですけど、その瞬間を逃さないように合わせてシャッターを押すみたいな、そのタイミングが合ったときが気持ち良いんですよね。

肉眼で見ているのとシャッターを押すのとでは微妙な誤差があると思いますが。

あります。その微妙な誤差も計算してシャッターを押す。それで合うのが気持ち良いんです。

あと、すごくフラットな写真が多く、客観性がよりユニークさを際立たせているように感じられますが、何か気をつけていることはあるのですか?

まず露出はオートで、ピントはちゃんと合わせて、カメラは傾けないっていうことだけを決めています。あとは好き勝手に撮るだけです。

晴れだろうと曇りだろうと、光がどうであろうと関係ないってことですね。カメラを傾けないのはどうしてですか?

傾ける理由が特にないからです。なんかこう、ただ普通に撮りたいというか。

まあ、斜めに傾けたりすると自分の目線がより写真に出ますからね。

ああ、そうかも知れないですね。

突然ですが、幼少期のことを教えてください。

3人兄弟の末っ子で、お兄ちゃん、お姉ちゃんがいて5歳と6歳離れているのですが、超過保護で、兄弟からも親からも愛情いっぱいで育っています。

出身は?

奈良です。関西ローカルのゆるいお笑い番組がいっぱいあって、タレントたちがローカル番組なのをいいことに緊張感なくダラダラやってる感じが好きです。東京にいるとあの雰囲気がたまに恋しくなります。

スポーツは?

幼稚園からラグビーをやってました。大学卒業するまでなので、幼小中高大ですね。スポーツ一家なので父や兄もラグビー選手でした。現役時代のポジションは五郎丸と同じフルバックです。司令塔的な役割もあるポジションで、チームの最後尾から攻撃とか守備の指示を出したり、戦況によって自分が攻撃に参加したり、結構自由に動けるポジションです。

じゃ写真もラグビーといっしょってことですね。全体を見回して、グラウンド全体に注意を払うっていうのと(笑)。

も~すぐそうやって写真と結び付けようとする(笑)。それ言われたら、そうですねって言うしかないじゃないですか(笑)。でも確かに最後尾からだと自分以外の選手が前に29人いることになるので、それを俯瞰で見て、あそこディフェンス弱いからもっと寄れとか指示出したりして、隅々まで注意は払っていますね。でも写真とはあまり関係ないかな(笑)。

自分自身が描く理想の写真みたいなことはありますか?

特にはないですね。理想通りの写真が撮れたと思って見返しても、けっこうあざとさみたいなのが写るんですよね。あざといのってダサいじゃないですか?(笑)なんか恥ずかしいし(笑)。なんとなくシャッターを切ったらたまたま理想を超えた写真になっていたみたいな、狙って撮れないような写真が理想ですかね。

あざとさがないということは、イコール派手ではない。つまり一枚単体の写真よりも、数十枚の写真を同時に見せた方が伝わるし、一見わかりづらいけど、さりげないからリアリティーを感じるってことですね。

リアリティーって大事ですね。セットアップでもリアリティーが出せる写真家はたくさんいると思うんですけど、僕は自分に演出のセンスがあるとは思わないので、オーソドックスな普通のスナップしかやらないですね。

では写真で何か伝えたいことはありますか?

ないです。もともと何かを伝えるために写真をはじめたわけではないので。仕事で煮詰まったときとかにこの写真集をパラパラめくってもらって、リフレッシュになればいいかな?というぐらいです。

なるほど。今後もこのペースで写真を撮り続けていくのですか?

そうですね。

ということは次の写真集を出すまでに、また10年かかるということですね。

まあ、5年かな?

そんな早くなるもんなんですか?

昔に比べたら無駄なく要領よく動けるようになったということですかね。ちょっと写真も上手くなったはずなので(笑)。

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いくしゅん
1980年奈良県生まれ。2009年、2011年キャノン写真新世紀で佳作を受賞。2015年12月、ここで紹介した写真集『ですよねー』を青幻舎からリリースする。またブログはこちらから。