〈Bushwig〉NY最大規模のドラァグクイーン・フェス

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〈Bushwig〉NY最大規模のドラァグクイーン・フェス

年1回開催されるドラァグクイーン・フェス〈Bushwig〉。6年目を迎えた今年はソールドアウト。大盛況のうちに幕を閉じた。写真家マロ・ハゴピアン(Maro Hagopian)がとらえた、美しく過激な面々を紹介する。

年1回開催されるドラァグクイーン・フェス〈Bushwig〉。6年目を迎えた今年はソールドアウト。大盛況のうちに幕を閉じた。写真家マロ・ハゴピアン(Maro Hagopian)がとらえた、美しく過激な面々を紹介する。

ドラァグと音楽と愛の祝祭〈Bushwig〉が、9月23~24日の週末に開催された。今年で6回目となるこのフェスの舞台は、ニューヨーク市クイーンズ区のロングアイランドシティにあるノックダウン・センター。ドラァグ・クイーンによるパフォーマンス、インスタレーション作品、プロジェクション・マッピング、ディスコのダンス・フロア、インタラクティブ・パフォーマンスのブース、世界的に有名なDJ、ライブ、地元の食材を使ったビュッフェスタイルのフード、そして30以上もの業者によるウィッグ、服、ジュエリー、アートを扱うブティックなど、てんこ盛りの内容だった。

「ドラァグ、音楽、愛をテーマとしたアートや文化を体験できる機会をつくること。それが初日からずっと変わらないBushwigの目的です」。同フェスの共同創始者、ホラーチャタ(Horrorchata)は語る。「この6年でBushwigは、ドラァグ・コミュニティのお祭りになりました。ポップ・カルチャーをインスパイアしてきたし、これからもそうあり続けたいですね」

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ホラーチャタとベイブス・トラスト(Babes Trust)という、ブルックリンを拠点とするふたりのアーティストが始めたフェスBushwigは、誰もが参加できて誰もが認め合う、そんな場になることを目指してきた。有名なドラァグ・パフォーマンスのアーティストだけでなく、世界中から集まった200人以上のアーティストが自分の作品を披露できるプラットフォームにもなっている。カメラマン、マロ・ハゴピアンが会場に飛び、フェス参加者にBushwigの魅力について訊いた。

Bushwig共同創始者 ホラーチャタ: 「6年前にBushwigを始めました。この地域で、ドラァグ文化は花開いていたんです。私の友だちもみんなドラァグ活動をしていたし、ひとつの場所に集まって何かをするのは自然な流れだったんです。私はレディ・バニー(Lady Bunny)(*米国の有名なドラァグクイーン、DJ、プロモーター。)を尊敬していて、〈Wigstock〉(*レディ・バニーが始めたドラァグクイーンのイベント。)も好きでした。レディ・バニーにいろんなアイデアを話したら、彼女も同じアイデアを持っていました。友だちみんなドラァグ・パフォーマンスをしているから、この地域でそういうイベントをやってみることになったんです」

ジャッキー・ケネディ(Jacquee Kennedee): 「ドラァグ文化が大好き。自分のクリエイティビティを表現するのにも、ジェンダーで遊ぶのにも、すばらしいスキルをもった才能と知り合う機会という意味でも、最高の手段」

デジレー・ディック(Desiree Dik): 「ドラァグが好きなのは、自分を表現できるから。あと、変わり者でいたいから! パフォーマンスを披露したときの、周囲の喝采や興奮がたまらないわ。今日ははるばるDCから来たの。DC代表としてね!」

B・ハリウッド(B Hollywood): 「Bushwigは最高。だって多様で、ユニークだから。ドラァグ活動は、自分自身の無限の可能性を創出できるから」

アンタイトルド・クイーン(Untitled Queen): 「Bushwigはプカプカ浮かぶ家みたい。その家では、クイーンもキングも、歌手もパフォーマーも、パトロンも子どもも、赤ん坊もフリークも、アウトサイダーもインサイダーも、友人も、みんな大事。初めての参加でも、6回全部参加していても、この場所にいれば、もう家族なの」

アロッタ・マグリドルズ(Alotta McGriddles): 「私がここのパフォーマンスを好きなのは、若手のクイーンもベテランのクイーンも、みんなが同じステージに立てるから。世間の多様性を目の当たりにできる。支援もしっかりしてるし、とてもオープン。クールなサングラスをかければ、もうドラァグガールの出来上がり」

ベン(Ben): 「構築が脱構築があるからBushwigが好き。力を与えてくれるし、楽しいし、キラキラだし、みんな最高!」

アデル・コンピューター(Adele Computer): 「広告会社でコピーライターとして働いてます。ドラァグになるのは、自分がカワイイと思えるから。Bushwigが好きなのは、ブルックリンが好きなのと、ドラァグコミュニティが好きだから。みんなでいっしょにわいわいできるのって楽しいでしょ」

レディ・ハヴォック(Lady Havokk): 「Bushwigが大好き。1年でいちばん盛り上がるイベント。何千人ものフリーク、ギーク、変人たちに囲まれるフェスに毎年参加できるなんて、最高の体験。私がドラァグになるのは、生活費を稼ぐため!」

プリシラ・ポワリュ(Priscilla Poilu): 「〈プリシラ〉は映画『プリシラ』(The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert, 1994)へのオマージュ。〈ポワリュ〉はフランス語で〈毛深い〉って意味。ドラァグが好きなのは、なりたい自分を表現するため。そして自分の表現をみんなが体験できるようにするため。メイクをすれば、そこには魔法が生まれる」

ヨーク・デラックス(York Deluxe): 「今、ベロベロに酔いしれてる。ドレスアップするのは今年が初めてかな。男の子からドラァグクイーンに変身するのが好き」

ミスター・リー・ヴァローン・ヴァーラー(Mr Lee VaLone Velour): 「今日はガンダルフ風にしてみました。会場にはあまりドラァグキングがいないから。だからちょっとコスプレ感を強めに、アーティストっぽくしてみました。オタクっぽいですけど」