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私たちが知るべき弾道ミサイルからの避難方法

北朝鮮の弾道ミサイルは日本の上空を飛んでいる。来るべきときに備え、〈取るべき行動〉は、絶対に知らなくてはならない。自分ができることは自分ですべきだし、能動的に知るべきだ。内閣官房参事官補佐、軍事評論家、医師、そして防災士に会い、ミサイルから命を守る避難方法を訊いた。

今年の4月、小学校に通う子供から1枚のプリントを渡された。いつも通りの〈保健だより〉、もしくは給食の献立表かと思いきや、それはこれまで配布されたことのない〈お知らせ〉だった。

シシャモな同僚に、同じようなプリントが配布されたか訊いてみた。もらったり、もらっていなかったりで、配布状況は学区によって異なるようだった。このプリントに記載されている○○区教育総務課の担当者に確認したところ、都内全23区で配布したわけではなく、「それぞれの自治体によって対応は異なる」との回答があった。ミサイルに関する〈注意喚起〉は、内閣府が都道府県に要請したようだが、文書の配布は強制ではなく、各教育委員会の判断に任せているらしい。ちなみに○○区は、区立学校、区立幼稚園のほかに、区立保育園、公営学童クラブにも配布したという。

この担当者に〈お知らせ〉配布後、保護者から〈ミサイルへの対応〉や〈避難方法の確認〉など、状況を心配する問い合わせがあったかを確認すると、意外な返事が返ってきた。

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「ご質問や肯定的なご意見はほとんどなく、残念ながらお怒りのお言葉ばかりでした。『明日からゴールデンウィークなのに、なんでこんなプリントを配るんだ』、『子供が怖がるのでやめて欲しい』、『パニックになったらどうするんだ』といったご意見ばかりでした」

実際、各地でも同じような批判意見が続出していたようだ。また、滋賀県では、県教育委員会による〈ミサイルへの注意喚起文書〉の配布について、全滋賀教職員組合は、「戦争の危機をあおり、子どもに不安を与えた」との理由から、滋賀県知事に抗議文を提出していた。そう、あのときは、まだ、「弾道ミサイル飛来なんて現実的な話ではない」と誰もが考えていた。4月はまだそんな状況だったのだ。

しかし、その4月から10月までのあいだに、北朝鮮は弾道ミサイルを9発も発射した。更に、北朝鮮と米国を中心とする各国との状況も常に変化し続けている。あの〈お知らせ〉を必要となる日が近づいているのかもしれない。

家族を守る。自分を守る。そのためにはどうしたらいいのだろう。学校に、先生に頼ってばかりではいられない。自分ができることは自分ですべきだし、能動的に知るべきだ。「北朝鮮が、日本を標的として弾道ミサイルを発射する可能性は低い」と専門家諸氏は言明しているが、北朝鮮が技術的ミスでもしたららどうなるのか? 間違って落ちてこないのか? 実際にミサイルは日本の上空を飛んでいる。来るべきときに備え、〈取るべき行動〉は、絶対に知らなくてはならない。

内閣官房参事官補佐、軍事評論家、医師、そして防災士に会い、専門的な立場から話を訊いた。少しでもみなさん、そして御家族のお役に立てれば幸いである。