6000人の猟師が狙う2017年のワニ
Image: Zak Bennett

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6000人の猟師が狙う2017年のワニ

フロリダ州には、およそ130万頭のワニが生息している。

フロリダ州のワニ猟シーズンは、8月から11月初旬まで。今年は、米国内の6000人の猟師に許可が下りた。昨年捕らえられたワニは7145頭にのぼる。

現在フロリダ州には、およそ130万頭のワニが生息しているが、70年代のように絶滅危惧種として保護されてるわけではない。近所に出没し、人間を襲うワニは、〈害獣〉として狩猟対象になっている。しかし、動物の権利を主張する活動家は、毎年のように猟に抗議している。

マット・マグナー (Matt Magner)のようなワニ猟師は、雨水処理区 (Stormwater Treatment Area、STA)の溜め池など、特定の区域での狩猟許可を証明するタグをもっている。彼らは釣り針と餌を使ってワニを捕まえるが、獲物を持ち帰るか、それとも肉、皮、頭を売るかは猟師の自由だ。

「ワニの習性はシカやブタと似ています」とマグナー。彼は、ワニ猟を始めて9年になる。「食物連鎖の頂点にいる捕食者なので、他のワニ以外、何も恐れません。それにとても賢いのです」

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シーズンが終わる直前、オキチョビー湖 (Lake Okeechobee)の近くでワニを獲るマグナーと、その仲間に同行した。

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猟師たちは、サウス・ベイ(South Bay)にある雨水処理区(STA)の用水路沿いに車を走らせた。STAの人工湿地 は、オキチョビー湖から溢れた水を吸収する役割を果たしており、フロリダ随一のワニの生息地となっている。

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レイクワース(Lake Worth)出身のマグナーは、ワニに気づくとすぐ、釣り竿を構えながら、大急ぎで水路の土手に向かった。猟師たちは、釣り竿と針を使ってワニを岸に引き寄せる。

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サウス・ベイのSTAで、早朝のワニ漁に成功したあと、トラックの荷台を囲むジェレミー・ラニアン(Jeremy Runyon)、ジェイク・ベーカー(Jake Baker)、ジョー・ミラー(Joe Miller)、ケヴィン・ヘンケル(Kevin Henkel)、タイラー・ハントゥーン(Tyler Huntoon)。ワニ猟は、午後5時から午前10時までのあいだのみ許可されている。

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〈オール・アメリカン・ゲイター(All American Gator)〉の冷蔵車の荷台に乗せられた、仕留めたばかりのワニ。この会社の担当者たちは、夜間は猟場の外で待機し、朝になると猟師たちから獲物を買い取る。ワニ猟は、米国で猟師が獲物を販売できる、数少ない狩猟のひとつだ。この会社は、1フィート(約30センチ)につき15ドル(約1700円)で、猟師から直接ワニを買い取るか、肉を切り分けて皮を剥ぎ、報酬を支払う。ワニ肉の卸売価格は、1ポンド(約370グラム)につき8ドル(約900円)だ。

ワニ猟師たちは獲物を求めて、深夜、早朝に、サウス・ベイの雨水処理区の用水路沿いを行ったり来たりする。

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サウス・ベイのSTAで、仕留めたワニを測る2人の上に、25歳のカイル・パイノ(Kyle Paino)がライトを掲げる。

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サウス・ベイのSTAで、クリス・ホスリンガー(Chris Hoslinger)のトラックの荷台にワニを置くマグナーと猟師仲間。狩猟シーズンはそろそろ終わりを迎える。