ローラ・アヴィラは、〈野獣〉と呼ばれる悪名高い路線を利用して、メキシコ第2の都市グアダラハラを通過し、米国を目指す移民たちの支援に人生を捧げてきた。

〈La Bestia(野獣)〉、またの名を〈el tren de la muerte(死の鉄道)〉は、中央アメリカ発の貨物列車のネットワークだ。列車はメキシコを横断して、アメリカ合衆国へと向かう。

グアダラハラの街を線路沿いに歩くと、グアテマラ、ホンデュラス、そしてメキシコ南部からの、終わりなき移民の行列に出くわす。野獣を利用してグアダラハラを通過する移民の大半は、その時点で既に何日、何週間も、必死に貨物列車にしがみついてきた。

彼らは、次なる旅の行程を凌ぐだけの食料を探すため、グアダラハラにあるマーケット付近で、走っている列車から飛び降り、生き延びるためのあらゆる品を売買、取引する。

移民たちは、次なる旅のために十分な蓄えを準備すると、グアダラハラの人口密度の高い地域で、減速する貨物列車に走って飛び乗り、着々と米国への歩みを進める。

64歳のアヴィラは、生まれてからずっと、グアダラハラで暮らしてきた。線路沿いにキャンプを設営し、日々、新たな隣人たちと出会う。

線路の近くに積まれた、回収されたゴミの山の上に住むアヴィラは、「人助けのためにできることは何でもします。それこそ、私がこの地球にいる理由ですから」と語る。

アヴィラは近隣のフリーマーケットで再利用できそうなゴミを回収し、それらを必要とする移民に提供しながら、日々を過ごしている。

メキシコで移民のために闘っているのは、アヴィラだけではない。グアダラハラから東に1000キロメートルの場所に位置するベラクルス州には、〈las partonas(ボスたち)〉として知られる女性たちのネットワークがある。

彼女らは毎日、野獣が街を通過する頃合を見計らって線路脇に立ち、お腹を空かせた男女や子どもたちに向かって食料や雑貨を放り投げる。

同女性グループは、ラテン・アメリカじゅうで知られている。彼女たちほど知られていないものの、アヴィラは、米国へと続く線路沿いに住み、あらゆる手段で移民たちを支援する伝統に名を連ねる女性だ。

「完璧な靴箱をときどき見つけます。この辺では食料を手に入れるために、常に移民が靴を売っているので、私は、彼らがよりプロフェッショナルらしく見えるように、靴箱をあげます。もしかしたら、靴を売るのが少し楽になるかもしれませんから」とアヴィラ。

伝統的な教育を受けていないにもかかわらず、アヴィラは完璧な英語を話す。

「若いころは、語学を勉強したかったのですが、とても若くして父親に結婚を強いられ、子どもを産みました」と彼女。

アヴィラの夫は長年にわたって、洋服の生産工場で働いていた。

「夫が働いていた非常に劣悪な環境は、それはそれは恐ろしいものでした。仕事場で、同僚たちとともにセメントを吸引してしまい、彼は30歳で他界しました」と彼女は明かした。

夫に先立たれたアヴィラは、自立しなければならなかった。教育は受けていなかったため、食料と交換するために、廃品回収を始めることを決意した。

アヴィラには3人の娘がおり、そのうちの2人はメキシコシティに、そしてもう1人はグアダラハラにあるアヴィラのゴミのベッドから100ヤード(約91.44メートル)の場所に住んでいる。

「向こうにある娘のアパートで、一緒に暮らすこともできます。でも、私は屋外での生活に慣れています。自然が大好きですし、より良い人生を求めて、街を通り過ぎていく人たちが大好きなんです」