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インスタグラムで解剖した部位を発信する女性病理医助手

インスタグラムのユーザーネーム「@MRS_ANGEMI」こと、ニコール・アンジェミ(Nicole Angemi)は、病理医のアシスタント。彼女は、「死」、そして「命」の真実を発信し続けている。

病理医とは、患者の臓器を肉眼で確認したり、採取した細胞を顕微鏡で調べたり、CTの画像などを分析しながら、病気の原因を明らかにし、適切な治療方法を「病理診断」する医師のこと。インスタグラムのユーザーネーム「@MRS_ANGEMI」こと、ニコール・アンジェミ(Nicole Angemi)は、この病理医のアシスタントをしている。

彼女によるインスタグラムのフォロワー数は、現在約76万人。この一年で10倍にも膨れ上がった。この数は、きゃりーぱみゅぱみゅよりも、柴崎コウよりも、サッカーの香川真司よりも、ONE OK ROCKのベースよりも多い。そんな莫大な数のフォロワーたちが、ニコールのインスタグラムに訪れるのは、彼女が「死」、そして「命」の真実を発信しているから。もちろん彼女は宗教団体の教祖ではない。病理医のアシスタントだ。だからこそ「リアル」を届けることができる。遺体、内臓、脳、性器、焼き焦げた腕、切断された足、胎児、そして解剖風景。これらが動画も合わせて、日々アップされているのだ。

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身体は汚れる、血でビショビショになる、体液は顔にも口にもかかる、臭いも相当にキツイ。それでも彼女は切り裂き続ける。

「仕事だし、なんといっても解剖がしたいから」

最初のユーザーネームは「@解剖大好き」。しかし写真が刺激的過ぎて削除されてしまった。それでも彼女は発信を続ける。病理学の様々な面をインスタグラムで発信したい。医師でなくても、医学生でなくても、みんな自分の身体の構造が気になるはず。検死解剖から手術まで、大袈裟に捉えるのではなく、身近に感じて欲しい。フォロワーの誰もが病気にかかる可能性があるのだから。

医学会からの反発もある。そして、この「@MRS_ANGEMI」が削除される日も来るかもしれない。それでも彼女は発信を止めることはないだろう。インスタグラムで現在の医療に革命を起こすのが彼女の夢なのだから。

原題:MY LIFE ONLINE(2015)