いよいよ今週末から始まるジューダス・プリーストの来日公演『贖罪の化身ツアー2005』!!!!ブドーカンを始め、日本全国をロッカ・ローラさせちゃうのは間違いありません。VICE Japan編集部もターボ全開でワクワクドキドキ。運命の翼を広げてその日を待ちわびております。しかしやっぱもう耐えられない!我慢出来ない!このままでは殺人機械になってしまう!…ということで、来日記念インタビューを敢行。第一弾の『背徳の掟』編に続いて、最新作『贖罪の化身』及び、ノストラダムスも予言出来ない程のビッグバンドになったこれまでのキャリアについて、ロブ・ハルフォードに聞いて来ました。めちゃくちゃ真摯に答えてくれています。ホントにいい人!ロブ、あなたは最高—ッッ!!と叫びたい!カッコイイーッッ!!と叫びたい!復讐の叫びではない!感謝のさ・け・び!!愛しているーッッ!もうこれは完全に黄金のスペクトルで、ブリティッシュ・スティールなわけでして、エンジェル・オブ・レトリビューションということですよねぇ!それではステンド・クラスじゃなかったステンド・グラス製のコップにバーボンでも注ぎながらお楽しみください。

ヘヴィーメタルの物語は、その言葉が生まれる遥か遠い昔からイギリス・バーミンガムの郊外やストリートで始まっていた。ジューダス・プリーストの結成は1969年にまで遡るが、他のバンドの追随を許さないほどに彼らがヘヴィーメタル界に君臨するようになったのは、1973年にロバート・ハルフォードという若いシンガーが加わったことが真の発端だった。一年後には異常な、しかし同じくらい可能性に満ちたデビュー・アルバム『ロッカ・ローラ』がリリースされた。そしてその後はヘヴィーメタル界の金字塔だと断言できる『運命の翼』、『ブリティッシュ・スティール』、『復讐の叫び』、『ペイン・キラー』などなど、ロックンロールの物語が続くのだ。

この40年、細分化されたヘヴィーメタルのどのジャンルにも、ヘヴィーメタル・ファンがその道を歩むきっかけにも、ジューダス・プリーストの名前が挙らないことは無かった。そして昨年彼らは、結成当時からのギタリストであったK.K.ダウニング脱退後、初のアルバムである『贖罪の化身』を発表。新しいギタリストはリッチー・フォークナーだ。彼は、これまでの作品に漂う雰囲気を踏襲しつつも、近年の作品で最も研ぎ澄まされたギター・ワークを聞かせている。そしてロブ・ハルフォードは、肉体の衰えを全く感じさせず、これまでにも増して明瞭で独特の存在感をアピールしている。

尊敬するミュージシャンの活動に対し、ファンの視点というものは自然と年々変化して行く。長くバンドをやっていくこと、そしてファンからの情熱は、ときにはバンドをサポートするが、ときにはバンドを破壊に至らしめることもある。実際に多くのバンドでそうした逆説的な動きがあった。もちろんジューダス・プリーストにも時折キャリア上の誤った選択や、警察沙汰もあったが、彼らほど影響力を持ち、欠かせない存在となったヘヴィーメタル・バンドは存在しない。『贖罪の化身』について、そしてヘヴィーメタルという音楽ジャンルそのものについて、ハルフォードは話してくれた。

――『贖罪の化身』はジューダス・プリーストにとって17枚目のアルバムですが、製作に長い時間をかけましたね。この作品の背景について、そしてバンドがどのように創作に至ったのか教えてください。

とても珍しいレコード作りになったよ。当然、初めてのリッチー・フォークナー参加作だ。彼が加わったことの重要性はいくら言っても足りない。彼の貢献は巨大だよ。このアルバムで彼の仕事の全体を把握すれば、彼がどれだけ才能のあるメタルの達人かが分かるはずだ。ギターのスタイルやテクニックだけじゃなく、曲作りにもすごく長けているんだ。前作『ノストラダムス』のレコーディングが終わった後の6年間は、創作面において「砂漠を歩き回っているバンド」ように見えていたかもしれない。だけど実際は本当に忙しくしていたんだ。まず2011年からは長い「エピタフ」ツアーがあった。そこでリッチーは一貫してツアーをリードしてくれたんだ。そしてその間で、お互いを本当によく知ることができた。リッチーが加わったことで、バンドを作り上げ、定義する全ての材料がはっきりしてきたように思う。実際に曲作りに入ったら、何というか…切迫感のようなものがあって、ものすごく速く時間が進んで行くように感じられた。本当にレコーディングは真の興奮に満ちていたんだ。それとイギリス人としては、きっちり進めて週末は休みたかった…っていうのもあるね(笑)。まるで時計仕掛けみたいに正確に進めた。プリーストのこういうところは昔からいいと思ってたよ。
正直、他のバンドがどういう風に曲作りをしているのかは分からない。ある日に一時間、別の日に一時間、という具合にバラバラと仕事をしているかもしれない。そういう意味でわたし達は実に規律正しく仕事をする。良いものというのはそういう規律ある状況から生まれると思う。ロックンロールの曲作りはとてつもなく混沌としているし、それこそがロックをやる理由の核とも言えるから、変に見えるかもしれないけどね。今回は、毎日のノリがまるでガキの頃みたいだった。毎日、車に乗ってスタジオへ出発する度に、曲を作りたくてたまらなかった。早くスタジオに入って、リフだとか、全部に取りかかりたくてたまらなかったね。今言ったことが全部、曲作りとレコーディングに結実した感じで、このレコードを作るのは、本当に、本当に満ち足りた体験だったよ。そうなった理由の根底は曲作りで、本当に素晴らしいとしか言いようがなかった。

――40年以上もバンドを続けてきて、更に音楽を発展させることを貪欲に求めるメンバーが集まっているというのは、本当に素晴らしいことだと思います。どのようなことがあなたたちをそうさせているのでしょうか。

量より質を大切にしてきた…に尽きる。曲作りそのものは比較的簡単だけど、永遠に残る良い曲を作るのは本当に難しい。「時間が経ってもいいバンドだね」とか「いい曲だね」と言われることが、音楽に関わる喜びの一つだね。今の世の中、他のジャンルでは、流行廃りが光の速さで移り変わっているよね。でもメタルでは…君がこのアルバムがそうだと言ってくれたように…まさに名作!という瞬間を作り出そうと必死に努力するんだ。スタート地点から、正しい志、正しい夢、そして野心を持って道を外れないこと。落とし穴や、あっちこっちに引きずり回そうとする奴らに気を取られて、「メタルの迷路」に迷い込まないのが肝心だ。プリーストがそうしてきたように、自分がいかに心から信じることに対して忠実であり続けるか。それが指標だと思うし、そこがプリーストの粘り強さを支えてきたのだと信じているよ。

――現在のヘヴィーメタル・シーンと、1974年当時のシーンを比べた時、この40年間でどう変化してきたか、そしてどう進化してきたと思いますか。

素晴らしいことになっていると思うよ。毎日、世界中のメタル関係のウェブサイトを10から12くらい回って見てるんだけど、様々なスタイルのメタル音楽と素晴らしい才能が溢れている。最新の状況を把握するのがわたしは大好きなんだ。もちろんプリーストが一番大事だけど、わたしの音楽の好みはとても広くて、色々な音楽を聴くし、他のスタイルでも良いメタルであれば積極的に受け入れている。ただ、プリーストが実践してきたメタルの要素、プリーストが発明したと言うような種類の音楽に関わって来たことについては、本当に感謝している。初めてこのバンドに関わった1973年から今の2014年まで、その間に起きた全てのことは素晴らしかった。70年代も、80年代も、90年代もそれぞれに全然違った。複雑に深まった今のメタル・シーンを見るとワクワクするし、そう感じられてありがたいと思う。とにかく、これまではとてつもなく大きなモンスターの中を切り開いて行くような感じだった。どんな障害があっても突き進む大きなメタル・トレインに乗っているようなものだった。
わたしたちは大概のことは全部体験してきたよ(笑)。実は『贖罪の化身』でも「地獄からの生還(Hell & Back)」という曲の、例えば「まだ生者の国にいる。勇者の国ではなくて(Still in the land of the living, not in the land of the brave)」みたいな歌詞でそのことを歌っているんだ。アルバムのあちこちで音楽を通して、バンドが体験してきたことや、突きつけられてきたことに触れようとしてるんだ。ここまではすごい旅だったし、素晴らしいのはそれがまだ続いていて、バンドが常に次の「デカイこと」や「デカイ瞬間」を求めてることだ。それがどんなことかはまだ分からないけどね。

――ロブ、その素晴らしい旅を振り返った時に、あなた自身の物語と音楽との関係性についてどう考えているのかを知りたいです。子供の頃、そもそも人生に音楽をもたらしてくれたバンドや、歌はあったのですか?

特に十代の頃っていうのは、ほとんどの人間が何らかの形で音楽に注意を向ける時期だと思う。誰もが感じるようないわゆる十代の怒りというものに直面している最中だから。わたしの「怒り」の時期は一時代前だけど(笑)。一緒に叫べるような音楽はまだ無かったけど、リトル・リチャードだとかエルビスだとか、触れるとまるで電気みたいにビリビリする初期のロックンロールの開拓者がたくさんいた。60年代のイギリスで成長するということはあらゆる面で素晴らしい体験だった。ヘンドリックスだとか、クリームだとか、キング・クリムゾンだとか、彼等の初期の作品をリアルで聞けたのは素晴らしい体験だったからね。「これらの素晴らしい音楽に関われる機会が、わたしの人生に、そして目の前に広がっている。そうなったら本当に最高だ」と思わせてくれたのは彼らだった。それに加えて、自分の「声」と、自分が歌えるってことを発見した。今でも歌えるっていうのは一番満ち足りる、幸せな体験だ。歌うのが大好きだよ。素晴らしい気分になれるからね。これからもずっと続けて行く。常に火のついた導火線みたいなものがあって、それで飯を食えてるんだ(笑)。建前で言ってるんじゃない。ただ、自分が持ってるこの声が、本当に沢山の意味で、自分を支えてきてくれた、と言いたいだけだ。早くに試金石のような体験にあったおかげで、十代の後半を通して、そして当然二十代の前半にも、バンドに入りたいという強い野心を持つようになっていた。ジューダス・プリーストの前にも幾つかのバンドにいた。初期の無名バンドにいた頃は下積みの時期で、たくさんのことを学んだ。プリーストとギグをやるオファーが来た頃には、プロではなかったけど、バンドをやるっていうのがどういうことか基本的なことは分かっていたし、バンドを盛り上げるために何をすべきかも知っていた。すごくクールな物語だけど、大体そういう流れで全てが始まったんだ。

――あなたの声はヘヴィーメタルだけでなく、どの分野の音楽でも最も特徴的で個性のある声の一つだと思います。この強力な声を持っていることに気づいた瞬間というのはあったですか?それとも最初に声域を探る中で徐々に発見していったのでしょうか?

最初に所属していたバンドに遡るんだ。名前がイカすんだ。「Lord Lucifer」だからね(笑)。他にも「Hiroshima」とか「Abraxis」とかやってたんだ。それで、ちゃんとした機材を持ってる奴らのバンドに入れてもらって一緒に音を出してたんだけど、それはいわば胚子のような状態で、すごく有機的に事が進んだんだ。全くゴチャゴチャしていない、純粋な状態で、外からの影響は全くない。そんな状況の中で学んでいった。誰かにマイクを渡して、そいつの声が急に実際より大きくなった瞬間、何が起きてもおかしくなくなる(笑)。カラオケでマイクを渡した瞬間に人が変わるだろ。そういう風に変わるんだ。本当だよ。何かが起こる。うまく説明はできないんだけど。でも実際にマイクに向かって叫んだりし始めて、増幅された声がスピーカーから流れるのを聞いてゾクゾクしたんだよ。それと同時にインスピレーションも湧くし、「次は何を試そう?次は何ができるだろう?」ってなる。そうやってどんどん学んだんだ。あとその頃、既にジャニス・ジョップリンみたいな偉大なシンガーの歌も聴いてたし。ジャニスは死ぬほど好きだった。歴史上最も素晴らしいロック・シンガーの一人だと思う。それにもちろん、友達のロバート・プラントが本物のブルースを歌うのも聴いてた。今でも自分の声にブルースが残ってる、そう思うのが好きだ。ぜひブルースのレコードもやってみたいな。自分の声がブルースの素晴らしい世界で何が出来るかを探ってみたいんだ。そうやって舞い上がってみたり、荒れ狂ってみたり、悲鳴を上げたりしてね、歌い方の多くを学んだんだよ。そして、自分の声が幅広い音階や方向で活かせることを発見した。冒険の感覚と、素晴らしいシンガー達から得たインスピレーションの組み合わせだね。全部が混ざった結果だけど、主には声を使って何ができるか、を発見していった結果だ。

――『ロッカ・ローラ』や『運命の翼』といったジューダス・プリーストの初期のアルバムの頃と変わらず、あなたは『贖罪の化身』でも創造し、情熱を持ち続けていますが、何がこの音楽へあなたを呼び戻し続けるのでしょうか?

音楽というものが発明されて以来、音楽は全ての世代に手を差し伸べて、心を掴んできたと思う。でもとても説明が難しいことだと思わないか?音楽を聴いている時にしか感じられないからな。他の奴らと聴いていても、自分の部屋で一人ヘッドフォンで聴いていても、コンサートで聴いていても、その感覚を言葉にするのはすごく難しい。でも、力の感覚と、攻撃性と、音量と、様々な音質とを備えたメタルの要素…ここで言うメタルとは、あらゆる種類のメタルのことだ…は常に、人生の困難を乗り越えることや、可能性といったエネルギーが背後にあったと思うんだ。それはジューダス・プリーストが一貫して大切にしていたメッセージでもある。人に大きく力を与える音楽だよ、ヘヴィーメタルは。カントリー・ミュージックとか、R&B とか、ラップとかヒップホップとか、他の音楽についても同じことを言う人はいるだろうけど、お気に入りのヘヴィーメタル・バンドのコンサートから出てきたばかりの人と話すと、誰もが生きているっていう実感に満ちていて、元気になっているっていうのは紛れもない事実だ。体験の全てがとても感情的で、カタルシスに満ちている。今言ったような特徴の全てを、オレはヘヴィーメタルにずっと感じ続けていたし、人間としての欲求なんだよ。これは、メタルへの個人的な愛情の、とても重要な要素だと思う。63歳のメタルヘッドになろうとしてることについて、本当にワクワクしてる(笑)。この音楽への愛情は、十代のメタルヘッドと同じくらい強い。同じ思いを持っているから、何も言わなくてもお互い通じ合える。メタルっていうのは恵みだね、絶対に。

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