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Photos by 石井文得

ワシントンD.C.シーンにおいて、常に異端の存在であったLUNGFISH。結成当初は、いわゆる「ポスト・ハードコア」の文脈で語られることが多かったけれど、活動を重ね、作品を重ね、どんぶらこ~どんぶらこ~と、そのスタイルは深く重く厳かに。ヘヴィー・ドローン・スピリチュアルコア!なんてね。まさにシーンの怪魚となってズド~ン…と、君臨していたのでありました。特に個人的なアレですいませんが、来日公演はホントにスゴかったなぁ~。地鳴りのように鳴り続ける轟音ループに、フロントマンであるダニエル・ヒグスの圧倒的存在感!もうクマでしたよ、ブルース魂ほとばしるヒグマ!!そして、「ハードコアとはなんぞや??」「うむ、ハードコアとは、自由であり、生き方であり、歩いて、歩いて、進み続けることだぞ」なんてのを、このLUNGFISHはみんなに教えてくれましたね。

そしてダニエル・ヒグスは、現在ももちろん歩き続けています。写真家であり、パートナーでもある石井文得(イシイ・フミエ)とスタートさせた新プロジェクトがFOUNTAINSUN。バンジョーやアコースティク・ギター、そしてエキゾチックな打楽器をフューチャーしたユニバーサル・フォーク・ミュージック。とてつもなく広大で、とてつもなく神秘的。同時に穏やかで、優しくて、希望に溢れた時間が本当にナチュラルに進んで行くのです。そんなFOUNTAINSUNの世界が煌めくファースト・アルバム『Music Today』を抱えて、待望の日本ツアーもまもなくスタート。お二人にメールしました。

FOUNTAINSUN結成のいきさつを教えてください。

ダニエル・ヒグス(Daniel Higgs):ここ何年も私はソロで活動しているのですが、パーマネントに活動できるドラマーをずっと探していました。フミエも応援してくれていましたし、何人かとやってみたのですが、フィットするドラマーは見つかりませんでした。そんなある日、セラミックでできた北アフリカのゴブレット太鼓をフミエにプレゼントしたのです。3つ繋がっているものです。そして彼女は太鼓を叩き、私はバンジョーを弾きました。そこで気がついたんです。彼女こそ、私が探していたドラマーだったと。その瞬間から私たちはバンドになったのです。

FOUNTAINSUNのコンセプトはなんですか?

ダニエル:「演奏を学び、学ぶために演奏すること」です。

アルバム『Music Today』の制作はどのように進みましたか?

ダニエル:これといった壁はありませんでしたが、すべてが挑戦でした。

フミエ・イシイ(石井文得):私にとっては何もかも新しい経験だったので、特に一人で演奏するときは、みんなの時間を無駄にしているのではないかと思っていました。でもレーベルのGnome Life Recordsやダニエルが、とてもサポートしてくれましたし、この上ない環境だったので、すべてが穏やかにスムーズに進行しました。

どのような作品にしたかったですか?

ダニエル:ストーリーがあり、そして旅をしているような作品です。同時に近所の人たちにも喜んでもらえるようなアルバムです。

『Music Today』というタイトルを付けた理由を教えてください。

ダニエル:私たちにはモットーがあります。「ここから始める」ということです。音楽は、今、この場所でしか生まれません。そして生まれた瞬間に消えてしまうのです。「Music」、そして「Today」。この2文字は、私が敬愛している南インドの天才マンドリン奏者U. Srinivasの作品に書かれている言葉でもあります。

この作品では、とても広大で神秘的で、エキゾチックなフォーク・ミュージックが展開されています。このようなトラディショナルな音楽を現代において表現したのはなぜですか?

ダニエル:トラディショナルな音楽をやろうと決めていたわけでも、選んだわけでもありません「トラディショナル」というより、「ユニバーサル(普遍的)」と言うべきではないでしょうか?

フミエ:私たちのこれまでのライフワーク、そして生きてきた道が、音の結晶となり、作品に納められていると思います。

『Music Today』には、とても穏やかな時間が溢れていると思います。そしてとても安らぐ作品ですね。

ダニエル:そういった感想は、とても嬉しいです。

そのような印象は、お二人の生活が影響しているのではないかとも思いました。現在どのような生活を送っているのですか?

ダニエル:常にリラックスするよう心掛けています。忙しく、肩に力が入っているときなどは特にそうです。音楽やアートを創る仕事は楽しいのですが、ミュージシャンとしてアメリカで活動することは、実質的に厳しいというのも事実です。日々の生活が乱れることもあります。そんな中でも、厳しいこと、辛いことに 圧倒されず、ピースフルな心を保つようにしています。

フミエ:ダニエルは、常にポジティブで不平を言わない人なので、彼の姿勢を見習うようにしたいです。

ダニエルさんに質問です。フミエさんの魅力を教えてください。写真家として、演奏家として、そしてひとりの人間として。

ダニエル:写真家としては、どんな被写体にも対しても、敬意を示そうとしています。それが人であれ、木であれ、山であれ、すべてのものに対してです。彼女は太陽光で撮っているので、写真にも忠実さが現れていると私は感じています。演奏家としては、経験のわりに上達していると思っています。上達は、変化をもたらすものです。そして彼女には、音楽的な直感もあります。技術的にも、精神的にも、常に向上心を持っているパートナーであり、素晴らしいコラボレーターです。人間としても、非常に順応性があり、自立していると強く思います。

では、フミエさんにも同じ質問を。

フミエ:常に進化しながらも自分の音を追求する姿勢や、ストリートミュージシャンも含め、いろいろな国、いろいろなジャンルなど、様々な音楽に偏見を持たず、オープンに耳を傾ける姿も素晴らしいと思います。そして音楽、作品が何よりも第一であること。お金の匂いのする音楽、芸術、インダストリーを避け、人間らしい音楽を一緒に創ることができる力強いパートナーです。とにかくダニエルはとても硬派で優しく、博学で謙虚な詩人、思想家、アーティスト、そして道化師です。日々彼の存在に感謝しています。

フミエさんさんは東京のご出身ですが、これまでの経歴を教えていただけますか?

フミエ:小学校ではオーケストラに所属し、熱心ではありませんでしたが、弦楽器を学びました。学生時代は英語の勉強とバスケットボールに夢中で、授業中はよく寝ていました。大学2年生の終わりにニューヨークを旅行で訪れ、街の人々から自由な芸術的感性を感じ、私もここで暮らしたいと思い、大学を中退ししばらく貯金をしました。晴れて23歳で写真学校へ留学の為にNYへ渡り、2年半前にNYを離れ、農業をしながら音楽を始め、この一年半はツアーを行いながらアメリカ中を旅して廻りました。人生大学在学中です。

写真を撮ろうと思ったきっかけを教えてください。

フミエ:最初はフォトジャーナリズムの視点から、写真に興味を持ちました。もともと絵を描くことや、アート全般が苦手で、それでもカメラの力を借りたら、なにかクリエィティブなことが出来ると思い写真を始めました。始めの10年以上はドキュメンタリーとして人物を中心に撮り続けていたので、写真のお陰でいろいろな人々や生活と出会うことが出来ました。

いつも写真でどのようなことを表現したいと思っていますか?

フミエ:自然体の被写体の威厳。今でも一枚一枚を大切に撮影したいと思います。

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ダニエルさん、あなたはLUNGFISHという著名バンドを経て、ソロだったり、様々なプロジェクトだったり、そして現在はFOUNTAINSUNをやられていますが、これまでの流れはとても自然だと私は思っています。ご自身ではどう思っていますか?

ダニエル:もちろんです。現在までの音楽はすべて繋がっています。

当時のワシントンD.C.シーンを懐かしく思うことはありますか?印象に残っていることがありましたら教えてください。

ダニエル:当時のことは、もうあまり振り返りません。

では、もう少しだけ。LUNGFISHは、D.C.シーンにおいて、かなり異なったスタイルのバンドでした。それは何故だと思いますか?

ダニエル:LUNGFISHはDC出身ではないからです。ボルティモアから生まれたバンドだからです。距離は近いのですが、DCとは全く違う街です。それが一番大きな違いだと思います。

あなたにとって、ハードコアとはなんですか?

ダニエル:「桃の中にある種」です。

まもなく日本ツアーですが、パフォーマンスをするにあたって、いつも気にかけていることはありますか?

ダニエル:サウンドとオーディエンスです。

前回の来日で、強く印象に残っていたことがありましたら教えてください。

ダニエル:たくさんあります。大阪のデンジャーな地域、お茶の畑、神社やお寺の雰囲気、コウモリ、蝶々。そして名古屋で見た、たくさんの空き缶を潰している男の人…。

最後に、共感しているアーティストや人を教えてください。

ダニエル&フミエ:AMPS FOR CHRIST、Soliman Gamil、Moondog、Sun Ra、Hilma af Klint、Amy Goodman、Nina Simon、空海、ナスレッディン・ホジャなどなど。もちろん他にもたくさんいます。

FOUNTAINSUNオフィシャルサイト
石井文得オフィシャルサイト

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FOUNTAINSUN『Music Today』Sweet Dreams Press(SDCD-023)
*リリース情報はコチラ

Fountainsun Japan Tour 2015
(ツアー詳細は↑をクリック)

11月7日(土)東京・下北沢 気流舎(03-3410-0024)
東京都世田谷区代沢5-29-17 飯田ハイツ1F
出演:ファウンテンサン
出店:pit(カオスフーズ)*販売はライブ終了後より
開場/開演 7:00pm
料金:投げ銭制 *ドリンク代別

あきでら
11月8日(日)東京・町田 簗田寺
東京都町田市忠生2-5-33
出演:ファウンテンサン、ドラッギング・アン・オックス・スルー・ウォーター、コルネリとかみのけ座銀河団、ASUNAnan!ka?
作品展示:石橋歩
出店:CRY IN PUBLIC(Zineなど)、Record Shop Reconquista(レコードなど)ほか
開場 3:30pm/開演 4:00pm/終演予定 8:00pm
料金:3,000円(予約)/3,500円(当日)/2,000円(学生)*中学生以下無料
予約:saitocnoticketsaitocno@gmail.com)、安永哲郎事務室info@jimushitsu.com

11月9日(月)千葉・柏 スタジオ・ウー(047-164-9651)
千葉県柏市柏1-5-20 プールドゥビル5F
出演:ファウンテンサン
開場 6:30pm/開演 7:30pm
料金:1,700円(予約)/1,900円(当日) *ドリンク代別
予約:会場(047-164-9651)

11月13日(金)名古屋・新栄 cafe parlwr(パルル)(052-262-3629 *当日のみ対応)
愛知県名古屋市中区新栄2-2-19
出演:ファウンテンサン、inahata emiGofish+渓(Ett
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金:2,000円(予約)/2,500円(当日)
予約:Gofishgofishota@gmail.com

高尾小フェス(takaofes.com
11月14日(土)京都・南山城村 旧高尾小学校
京都府相楽郡南山城村大字高尾小字堂ノ下10-1
出演:ファウンテンサン、attc vs Koharu入江陽アサダワタルASUNA山本理恵子大城真MOON FACE BOYS TRIO ほか
開場・開演 11:00am/終演 8:00pm
料金:2,500円(一般)/1,500円(学生)*当日券のみ、小学生以下無料

11月15日(日)京都 喫茶ゆすらご(075-201-9461)
京都府京都市上京区仁和寺街道七本松西入二番町199-1
出演:ファウンテンサン、Tumulus
開場 6:00pm/開演 7:00pm
料金:1,500円 *ドリンク代別
予約:会場(075-201-9461|moyashirecords@yahoo.co.jp

11月 17日(火)東京・渋谷 7th FLOOR(03-3462-4466)
東京都渋谷区円山町2-3 O-WESTビル7階
出演:ファウンテンサン、ダニエル・クオン、浅野達彦
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金:2,300円(予約)/2,800円(当日) *ドリンク代別
予約:会場(03-3462-4466)*電話予約の受付は11月16日(月)まで(3:00pm~8:00pm)

NEW POP #30
11月19日(木)浜松 キルヒヘア
静岡県浜松市中区田町229-13 カギヤビル地下
出演:ファウンテンサン ほか
開場 7:30pm/開演 8:00pm
料金:2,000円(予約)/2,500円(当日)*ドリンク代別
予約:sone recordssonerecords@gmail.com

NEW KAPO vol.10
11月20日(金)金沢・野町 KAPO
石川県金沢市野町3-1-27
出演:ファウンテンサン、the medium necksASUNA
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金:2,000円(予約)/2,500円(当日)/1,500円(学生)*こども無料
予約:window of a cloudy daywindowofacloudyday@gmail.com

SHOS 29
11月21日(土)大阪 アオツキ書房(06-6648-8959)
大阪市西区北堀江2-5-10-2階
出演:ファウンテンサン、池間由布子
開場 6:30pm/開演 7:30pm
料金:1,500円(予約)/1,800円(当日) *ドリンク代別
予約: 会場http://ao-tsuki.com/?page_id=16)、SHOShttp://shos.me/event/shos-29

11月22日(日)松本 Give me little more.
長野県松本市中央3-11-7
出演:ファウンテンサン、the medium necksASUNAキリンボウ
開場 6:00pm/開演 6:30pm
料金:2,000円(予約)/2,500円(当日)/1,500円(学生)*こども無料
予約:会場give.melittlemore@gmail.com)、window of a cloudy daywindowofacloudyday@gmail.com