世界人権宣言から、シャーリー・エブド襲撃事件、「表現の自由」を考える際、参考になりそうな条項をページ下部に抜き出してあります。是非、お目通し願います。

世界人権宣言十八条、十九条によると、「すべて人は」表現の自由に対する権利を有しているようです。しかし、世界人権宣言、第二十九条で決定的に謳われているように、社会に対する義務も負わされています。「すべて人」は自由でありながらも、「すべて人」は社会秩序形成に貢献する義務も背負わされている。個人の自由に任せたら、社会秩序もへったくれもない。社会秩序が完全に整ってしまったら、個人の自由もへったくれもない。どうしましょう…..

とはいえ、真摯に考えなければならない問題なので、ない知恵を絞って先に進みますと、もしや、自由、の概念が明確ではないのでは、という疑問に突き当たります。この疑問、脳みそが宇宙に直結しているような天才たちでさえ、答えをひねり出すのに四苦八苦した上、未だ明確な定義はなし。こんな駄文の筆者ごときが、皆様を納得させることなんぞできるはずもないのですが、昨今の世界的混乱を眺めていますと、一つ思うことがあります。

自由を執拗に強調する皆様、なんだか「自由」を扱う文脈の主語が、一人称のような気がしませんか。デモで何万人集まって、表現の自由を絶叫しようが、なんだか一人称なんです。何万人あつまろうが、意見を一つにする個人が集まる「集団」ですので、複数になろうが結局一人称ですよね。どうしても世界人権宣言とはウマが合わない気がするんです。

かといって、二人称の「自由」を、といっても、それじゃ一人称が犠牲になり、どうしようもありません。性善説、なんて珍説が無効なことくらい、皆様とっくにご存知のハズですから。

そこで、「あなた」と「わたし」で「あなた/わたし」にしてみます。説明は割愛させていただきますが、「あなた/わたし」は「わたしたち」とは微妙にちがいます。加えて、「あなた/わたし」を説明するために、現実にそんなことはあり得ませんが、一人当たりの自由度数を上限100に設定してみます。単位は「ダム」です。フリーダム風に発音してください(いちーダム、にーダム…..)。誰もが生まれながらに100ダム所有しています。ちなみに、「ダム」は増えるとカオス度アップ。

「わたし」一人であれば、100ダム。「あなた」「わたし」でしたら、100ダムx2で200ダム。ここで面倒なのが、「あなた」「わたし」の関係にも色々ありますから、一概に200ダムになるわけではありません。200ダムの関係もあれば、54ダムの関係もあります。身の回りの「あなた」「わたし」を思い出してもらえれば、何を言わんとしているのか理解していただけるでしょう。
改めて「あなた/わたし」の登場です。どんな人称か、と説明すると長くなりますので、これまた理想のカップル、もしくは理想の家族で想像してください。「あなた/わたし」は人間関係が円滑になることも「自由」に必要な条件ですので、ダム減らしに抵抗がありません。そうなると、「あなた/わたし」は総ダム数が減るので、カオスでなく、秩序形成にむかいます。しかし、それは苦痛でもなんでもありません。なんと言っても、「あなた/わたし」にとっては「あなた」の自由も「わたし」の自由に関わることなのです。一人称、二人称の「あなた」と「わたし」の自由とはまったく違う、秩序ある自由です。しかし、ダムが無くなると秩序しかのこりませんので、それはそれで戦慄すべき状態。ダム減らしも度が過ぎると問題です。

ながなが単語を羅列しましたが、秩序ある自由、ということを改めて考えてみませんか。

「表現の自由」とはいえ、他人の尊厳を傷つけていいワケがありません。また、尊厳を傷つけられた、といって、武力による報復が許されるワケでもありません。相互理解なんて綺麗事もそうそう成立しないでしょうし、とんでもない労力を要します。われわれ、自分のことすら満足に理解していません。秩序の中で自由を謳歌したいから他人の自由を尊重する。そのためにダムを減らすだけで充分なんです…..たぶん。

以下、世界人権宣言(仮訳文)から一部抜粋。

第十八条
すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、宗教又は信念を変更する自由並びに単独で又は他の者と共同して、公的に又は私的に、布教、行事、礼拝及び儀式によって宗教又は信念を表明する自由を含む。

第十九条
すべて人は、思想、良心及び宗教の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉をうけることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む。

第二十二条
すべて人は、社会の一員として、社会保障を受ける権利を有し、かつ、国家的努力 及び国際的協力により、また、各国の組織及び資源に応じて、自己の尊厳と自己の 人格の自由な発展とに欠くことのできない経済的、社会的及び文化的権利を実現す る権利を有する。

第二十七条
1.
すべて人は、自由に社会の文化生活に参加し、芸術を鑑賞し、及び科学の進歩とそ の 恩恵とにあずかる権利を有する。
2.
すべて人は、その創作した科学的、文学的又は美術的作品から生ずる精神的及び物質 的利益を保護される権利を有する。

第二十八条
すべて人は、この宣言に掲げる権利及び自由が完全に実現される社会的及び国際的秩序に対する権利を有する。

第二十九条
1.
すべて人は、その人格の自由かつ完全な発展がその中にあってのみ可能である社会 に対して義務を負う。
2.
すべて人は、自己の権利及び自由を行使するに当っては、他人の権利及び自由の正 当な承認及び尊重を保障すること並びに民主的社会における道徳、公の秩序及び一 般の福祉の正当な要求を満たすことをもっぱら目的として法律によって定められた 制限にのみ服する。
3.
これらの権利及び自由は、いかなる場合にも、国際連合の目的及び原則に反して行使 してはならない。

第三十条
この宣言のいかなる規定も、いずれかの国、集団又は個人に対して、この宣言に掲げる権利及び自由の破壊を目的とする活動に従事し、又はそのような目的を有する行為を行う権利を認めるものと解釈してはならない。