2014年6月29日、国家樹立を宣言した武装勢力ダウラ・アルイスラミーヤ(通称イスラム国、以下IS)は、2016年4月現在、未だ、シリア、イラクにまたがる広範囲を占拠し続けている。ISに衰えの兆し、ピークは過ぎた、等々、楽観的な報道が散見されるものの、アメリカ率いる有志連合ですら過激武装集団を壊滅させるに至っていない。戦地を知らぬ自称専門家たちは何をもって、衰退、ピーク、云々を語るのか。断片的な情報を繋ぎ合わせただけの解説は果たして的を射ているのか。真実を探るべく、ISと対峙する人々の事情と心情を追う、シリア、イラクからのレポート・シリーズ。

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2014年からイラク最大の油田地帯であるキルクークは、イラク中央政府に代わり、クルド自治政府(KRG)が制圧。公式には認められていないが、クルド人自治区域とされている。しかし、石油の輸出をめぐるイラク中央政府との対立、更に同じく石油利権を狙うISも、目と鼻の先でキルクークの制圧を目論んでいる。

クルド労働者党(PKK)は、ISの侵略に対抗するクルド人の武装組織。ペシュメルガ(KRGの軍事組織)と共に、キルクーク地域の住民たちを守っている。PKKには国を越えて、トルコなどのクルド人自治区からも兵士が参加。周囲のアラブ人地域はISが支配しており、クルド人とアラブ人の間に存在する民族争いの様相も見せてきている。

2016年3月現在、キルクークの状況は更に混沌としている。IS、ペシュメルガ、イラク中央政府軍による戦闘。そしてペシュメルガとイスラム教シーア派民兵の間での緊張も高まる中、ISに至っては、化学兵器ロケットでの攻撃も開始している状況である。

原題:THE BATTLE FOR IRAQ – DISPATCH EIGHT (2014)

2014年よりスタートした当シリーズ。最新情報ではありませんが、日本ではあまり知られていない、最前線の日常を捉えた貴重なレポートです。中東の今をより深く理解したい皆様、是非、ご覧ください。

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