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ドラッグ密輸のリーサルウエポンはコロンビア製のDIY潜水艦

2000年代前半、より安全で確実な方法を求めたコロンビアの麻薬カルテルは、この悩みを解決する画期的な技術が開発した。自家製半潜水艇の製造である。

麻薬カルテルが常に抱える最大の悩みは、製造元から販売先まで麻薬を運ぶ輸送手段だ。コロンビアの麻薬カルテルも、これまでに様々な方法で、ブツを国外に流してきた。

・不法滑走路を建設し、飛行機で運搬→取り締まりが厳しくなったため廃止。
・飛行機上から麻薬を落とす→事故が多発し、数多くの死者も出たため廃止。
・スピードボートにて運搬→半数が沈没したため廃止。

しかし、2000年代前半、より安全で確実な方法を求めたコロンビアの麻薬カルテルは、この悩みを解決する画期的な技術が開発した。自家製半潜水艇の製造である。

半潜水艦とは、船体をある程度まで水没させて航行することができる特殊な船舶。通常の潜水艦は完全に潜行するが、半潜水艦はその名の通り、船体上部を露出して航行する。これまでにも軍事、観光目的に使用されてきた。

半潜水艦の造船所は、人目のつかないジャングルの中。作業に就くのは、この地域で生活する貧困層である。そして乗船し、麻薬を運搬するのも同じ貧困層の人々。10日間以上、外の空気に触れず、トイレもなく、質素な食事のみで彼らは麻薬を運ぶ。その報酬は、麻薬密売の総利益を考えると、本当にごく僅かだ。

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コロンビアの麻薬カルテルは、半潜水艦に続いて、魚雷型運搬装置も開発、更には遠隔操作による完全自動化も視野に入れている。確かなディストリビューション機能が確立されれば、それだけ麻薬の利益も増える。このビジネスに終わりはない。

原題:COLOMBIAN NARCOSUBS(2009)