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パリ同時多発テロ シャルリー・エブド襲撃事件から見るフランスの行末

シャルリー・エブド襲撃事件から10ヶ月。またフランスに震撼が走った。パリ中心部にあるパタクラン劇場をはじめ、少なくとも6カ所で銃撃があったほか、郊外のスタジアムでも3回の爆発があり、現在のところ合わせて120人以上が犠牲になっている。

11月13日夜(日本時間14日朝)、パリ中心部にあるパタクラン劇場をはじめ、少なくとも6カ所で銃撃があったほか、郊外のスタジアムでも3回の爆発があり、現在のところ合わせて120人以上が犠牲になっている。これを受けてフランスのオランド大統領は、同時多発テロがあったと表明。全土非常事態を宣言し、容疑者を逃さないために国境の封鎖も命じた。

ご存知の通りパリでは、今年の1月に、イスラム過激派を刺激する風刺を掲載した週刊誌シャルリー・エブドや、ユダヤ食料品店への襲撃事件が起こっている。今回のパリ同時多発テロにおいて犯行声明は出ていないが、自爆テロが実行され、犯人が「アラー・アクバル(神は偉大なり)」「オランドのせいだ!シリアへの介入は許さない!」と叫んでいたことから、イスラム過激派となんらかの繋がりがあるという見方が大きい。(注:日本時間14日夜、ダウラ・アルイスラミーヤ(通称イスラム国、IS)が、インターネット上に犯行声明を発表した)1月の事件以降、フランスは警備を強化し、大規模の軍隊を投入したが、イラクやシリアでの過激派組織への空爆参加もあり、イスラム過激派が抱えるフランスへの嫌悪感は日ごとに増していた。

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VICEでは、このシャルリー・エブド襲撃事件のレポートを数回に渡って公開してきたが、特にここで聞かれるのは、「表現の自由」「風刺の自由」、そして「フランスにはユーモアが必要」という声。もちろん反イスラム〜イスラムフォビアへの恐怖から、過激な思想も増えつつある。しかし追悼デモでは、前向きに平和を訴える市民が圧倒的に多かったのである。

「9・11のように戦争を正当化するためにこの事件を語って欲しく無い」

こう語っていた男性は、今回のテロ事件をどう思っているのであろうか。お互いに母国の旗を掲げ、キスをしていたイスラエル人とパレスチナ人の二人は、何を考えているのだろうか。この同時多発テロ事件を経て、フランス市民の平和意識はどこへ向かうのか。バランスは大きく変わろうとしている。

VICEでは、今後もパリ同時多発テロ事件に関するニュースを掲載して参ります。「シャルリー・エブド襲撃事件」をぜひ考証いただき、今後の続報をお待ち下さい。

シャルリー・エブド襲撃事件(1)哀しみに暮れるパリ

シャルリー・エブド襲撃事件(2)パリ市民の想い

シャルリー・エブド襲撃事件(3)平和への憧憬

シャルリー・エブド襲撃事件(4)フォビアで隠された真実

シャルリー・エブド襲撃事件 生存者の証言