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これまで多くの過激発言を繰り返し、国内外で論議を巻き起こしてきたフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領(71歳)が、12月12日、また新たな衝撃発言をした。ダバオ市長を務めていた2013年から2016年の間、自らバイクに乗って「諍い」を探し、犯罪者を「殺すため」に市内を巡回していたという。警察官に見本を示したかった、と言明した。

しかし、犯罪に対する強硬な姿勢から、「ドゥテルテ・ハリー(Duterte Harry)」の異名を持つ男の行動に注目していた向きには、この告白はさほどの驚きではなかったかもしれない。

「ダバオ市では自ら手を下していた。俺がやっているのに、なぜお前らはやらないんだ、と警察官たちに見せつけるためだ」。AFPが発表した記事でドゥテルテ大統領は、「大型バイクでダバオの街中をパトロールしていた。殺すために争いを探していた」と発言。

6月末に就任したドゥテルテ大統領は、薬物の売人、常習者を相手に恐怖政治を開始。フィリピン中の街と都市部において、警察と自警団による即決処刑を許可して以来、その政策下における死亡者数は、既に6000人を超えている。同大統領の行為は、ジェノサイド(大量虐殺)ではないか、との指摘もある。

ドゥテルテ大統領が「犯罪者」を殺した、とはいうのは間違いだ.大統領が殺したのは、法廷で裁かれていない連中なんだ.単純に彼は、フィリピン人を殺しているんだ.(ドゥテルテ大統領に対するTwitterより)

2015年、大統領就任以前のドゥテルテ氏は、ダバオ市で誘拐と強姦の容疑者3人を自ら殺害した、と認めたが後に撤回している。フィリピンの国民栄誉賞に相当する「The Outstanding Filipino Award(TOFIL)2016」の授賞式でも「私は人殺しではない」と弁明していた。

しかし16日、シンガポールでの演説の中にあらためて、犯罪者を殺していた、と言及。「CNNやBBCなどのニュースで、私が犯罪者の殺生を認めたといっているが、皆さんが困惑しないようにいっておこう。これらの報道に間違いはない」と言明した。

ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の言動はパターン化し、その都度炎上を繰り返している。

教皇は娼婦の息子
2015年11月にドゥテルテ氏は、ローマ教皇フランシスコ1世を、「娼婦の息子」と彼お気に入りの侮蔑ワードで表現した。教皇の公式訪問により、マニラ市の酷い交通渋滞を更に悪化させた、というのが理由である。その後ドゥテルテ氏は、バチカンに直に赴いて謝罪したい、と意思表示した。しかし、大統領に就任してからは、「二枚舌外交になる」ともいっている。

ホモは娼婦の息子
2016年8月、ドゥテルテ大統領は、フィリップ・ゴールドバーグ(Philip Goldberg)駐フィリピン米国大使に対し、同性愛嫌悪を顕にして、ワシントンとの間に外交的論争を巻き起こした。「知っているように、私はアメリカ国務長官ジョン・ケリー(John Kerry)の大使と喧嘩をしている。あのホモ大使は娼婦の息子だ。むかつく」と強気だ。

オバマ大統領にクソ野郎(サノバビッチ)
2016年9月、オバマ大統領に対し、フィリピンの麻薬密売組織との戦いに異議を唱えるのなら「マジでクソ野郎だ」と息巻いた。その後、大統領は、仮病を使ってペルーでの東南アジア諸国連合(ASEAN)と米国による首脳会議を欠席。のちにオバマ大統領との「気まずい状況」を避けたと認めた。

ヒトラーを賛美
さらに同月、ドゥテルテ大統領はアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)を賛美するかのように、自身をホロコーストの首謀者に例えた。地元での講演で、「ドイツにヒトラー在り、フィリピンには…」と自らを指差した。「ヒトラーは300万のユダヤ人を大虐殺をした。今…300万の薬物中毒者がフィリピンにいる。そう、いるのだ。私は喜んで彼らを皆殺しにするだろう」

国連はバカ
国連の人権専門家2人が、ドゥテルテ大統領の薬物政策について、「暴力と殺害への扇動、国際法に基づく犯罪」と主張した。ドゥテルテ大統領は専門家たちを「バカ」と呼び、国連からの脱退をほのめかした。「あんたらを侮辱したくはないが、われわれは国連からの脱退を決意しなければならなくなる可能性もある」。「そんなに無礼な態度をするなら、われわれは辞めるべきかもしれない」

強姦について
1989年にダバオの刑務所で起こったオーストラリア人宣教師の強姦殺害事件。選挙集会でドゥテルテ氏は、被害女性はあまりに美しく「市長である私がいち番にやるべきだった」と語り、更に「私より先に奪ったヤツらは皆殺しにしたい」と付け加えた。「これは、単なる男性的な方便だ」と主張していたが、その後謝罪を強いられた。