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激化するアレッポ東部への爆撃により悪化する米露関係

ロシアは、市内への人道支援物資を搬入するための48時間停戦を支持する、と表明しているが、米国が提案する長期休戦は、反政府勢力が再編成し再武装する猶予を与えてしまう、と退けた。2011年、シリア内戦が勃発して以来、250,000以上が犠牲になり、難民480万人が国を後にした、と国連は報じている。

ロシア軍によるシリア反体制派拠点への爆撃により、アレッポ東部で最大のM10病院が空爆により30余名が死亡し、病院施設は壊滅的打撃を被った。

シリア米医療協会のスポークスマン、アドハム・サロールは、M10病院に少なくとも樽爆弾2発とロケット弾1発が直撃した、とCNNに伝えた。

医療物資をアレッポに運ぶ米国部隊が爆撃により壊滅した9月19日の停戦終了以来、ロシア、シリアによるアレッポ爆撃で住民300余名と児童100余名の命が奪われた、とユニセフは報じている。ロシアの『イズベスチヤ』は10月1日、モスクワがSu-24、Su-34戦闘機を、ロシアの内戦介入以来続く作戦に追加する、と発表した。

アサド政権軍による、一般住民、穏健な反体制派への攻撃を止めるために米国はシリアで軍事力を行使すべきか否かの「議論に負けた」とジョン・ケリー米国務長官が語る音声データが流出した直後に、今回のロシア軍、シリア政府軍による新たな攻撃が明らかになった。

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ニューヨークタイムズが入手した音声データのなかでケリー国務長官は「私は、武力行使を主張してきた。アサド大統領への武力攻撃を主張した」と語っている。

「多くの米国民は、若い国民を他国で死なせるために派遣すべきではない、と考えている」とも彼は発言している。「議会はそのための票を投じない。われわれがやろうとしているのは、シリアのために戦うシリア国民の支援だ。ロシアが軍事介入するまで、反体制派は本当によく闘っていた」

ロシアは、米国のシリア政策を批難する。米露は数多の同意を繰り返し、米国はヌスラ戦線と穏健派を分断し、前者を空爆の標的にする予定だったが、「米国は未だにそれを実現していないし、その意志もない」とセルゲイ・ラブロフ露外相はBBCのインタビューに応えた。「われわれは、来るべき政権交代に備えてヌスラ戦線を容認する、という米国の『プランB』が現実的であるのを信じざるを得ない」

それに対して、ロシアの爆撃により穏健派が過激派の庇護を求めたため事態は悪化している、と米国務省は言明する。「穏健反体制派への圧力が高まっているので、彼らがヌスラ戦線の庇護下で、政府軍を相手に共闘している」と国務省スポークスマン、マーク・トナーは解している。「これは、既に解決困難な状況をさらにエスカレートさせ、より混乱させるだけだ」

ロシアは、市内への人道支援物資を搬入するための48時間停戦を支持する、と表明しているが、米国が提案する長期休戦は、反政府勢力が再編成し再武装する猶予を与えてしまう、と退けた。2011年、シリア内戦が勃発して以来、250,000以上が犠牲になり、難民480万人が国を後にした、と国連は報じている。