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クラウドファンディングで賄うウクライナ軍ドローン部隊

資金不足に陥っているウクライナ軍は、民間会社やボランティア団体へ協力要請を始めた。さらにウクライナ国防省の要請を受けて結成されたのが「People’s Project」。ロシアとの国境を監視するためのドローン部隊設立のため、クラウドファンディングを進めている。

2015年2月の停戦合意にもかかわらず、ロシアが支援する親ロシア派武装組織と、ウクライナ政府軍による東ウクライナの紛争は、未だ終息には至っていない。先月実施された欧州安全保障協力機構(OSCE)の調査によると、これまで4000回以上もの両軍による違反が確認された。ウクライナ軍の発表によると、ここ2ヶ月の親ロ派による攻撃は、昨年8月以来で最も激しかったそうだ。OSCEの停戦監視団は交戦の激化を懸念し、停戦合意を順守するよう双方に自制を呼び掛けている。4月20日には、ロシア、ウクライナ、親ロ派による和平協議が行われ、停戦合意項目を履行するための行程表の草案が提示されたが、確実に履行されるとは言い難い。ちなみに、この紛争の犠牲者は9000人を超え、ウクライナ国内の避難民は130万人以上にも及ぶ。

ウクライナ軍は軍資金の不足にも悩まされている。欧米諸国に援助を要請するも、わずかな支援しか集まらなかった。その結果、同軍は、民間企業やボランティア団体への協力要請を始めた。さらに、ウクライナ国防省の要請を受けて結成された民間組織が「People’s Project」だ。これまでにPeople’s Projectは、ウクライナ防衛省のために通信装置、パラシュート部隊の配備費用も調達した。そしてロシアとの国境を監視するためのドローン部隊設立を目指し、クラウドファンディングを進めている。

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果たして、クラウドファンディングと国防はうまく機能するのか。ボランティア団体はこの戦いに参加するべきなのか。紛争を通じて、ウクライナの軍事用ドローン事情を探る。

原題:UKRANIAN DRONE WARFARE(2015)