モードファッション×ストリート「have a TOGA time」の裏側 インタビュー:古田泰子(TOGA)_01

コレクションの発表拠点をパリからロンドンに移動させ、その独自なデザインが国内外から評価を集めるファッションブランド「TOGA(トーガ)」と、東京・中目黒の裏路地にある、ストリートカルチャーを中心としたセレクトショップ「have a good time(ハヴ・ア・グッド・タイム)」がコラボレーションの第2弾=「have a TOGA time」を展開していることを聞きつけ、私は売り場がある伊勢丹新宿店に駆け込んだ。

オリジナルロゴにあった「TOGA」の文字を黒いガムテープで隠したようなロゴデザインは、伊勢丹に斬新なアクセントを提供しつつも浮きまくっていて最高だった。とりあえず、私は売り切れそうなTシャツを友人に買わせ、その足でTOGAのデザイナー・古田泰子に取材のアポを入れた――。

「have a TOGA time」は、東京・伊勢丹新宿店(2015年4月29日~5月10日)、大阪・伊勢丹ルクアイーレ(2015年5月13日~5月27日)まで開催。*現在、会期終了。

今回の「have a TOGA time」ですが、「TOGA Odds & Ends」とのコラボレーションにしたのはなぜですか?

確固たる理由があったわけではないのですが、グラフィックデザイナーの石黒景太さんに「Odds & Ends」のキャラクターデザインを手掛けてもらった経緯もあり、TOGAのなかではストリートブランドとの親和性があるラインではありますね。

そもそも「have a TOGA time」というコラボレーションの始まりというのは、どういった経緯だったのでしょうか?

ことの発端は、写真家の鈴木親くんの意見からです。TOGAと「have a good time」のコラボレーションアイテムがあれば気になる人は多いのではないか、と。
それなら、WANTOくん(「have a good time」でも取り扱いのあるストリートブランド「HOMERUN」代表)にロゴを描いてもらえば、通常のTOGAとは異なるフォントを使ったユニークなものが作れるのではないかと思ったんです。

 今回はサマーセーターとTシャツ、キャップとトートバッグがありましたね。

サマーセーターに関しては、私からの提案でした。スケートボードの動画を観ていると、着倒したラルフローレンのサマーコットンセーターを着ているスケーターの姿が格好いい。TOGAの持っている背景があればセーターも作りやすいので、そこは「have a good time」に推したポイントです。重要なことは、そのセーターにTOGAのロゴが入っていると格好悪いわけだから、「have a good time」の主導で作ってもらいたいというリクエストもしました。だから、今回の「have a TOGA time」は、私のエゴというものが皆無なんです。

「TOGAのロゴを入れない」という判断には驚かされますが、その反面、それを楽しんでもいますよね?

そうですね。客観視したときに、こういう洋服があったら格好いいと思うので。

 「have a TOGA time」のガムテープが貼ってあるような今回のロゴデザインもユニークでインパクトがあるものでした。

TOGAの名前を隠した方が面白くなるという感覚がありました。前回の「have a TOGA time」ではTOGAの部分をWANTOくんに描いてもらったので、今回もまた新たに違うロゴを作るというアイデアもあったんです。でも、2回目であれば、このロゴデザインが前回と連続していることがわかる人もいるだろうから、前回と同じロゴをモチーフにしつつ、TOGAを隠してみせることで「have a good time」の匿名性をより引き出してみたんです。

モードファッション×ストリート「have a TOGA time」の裏側 インタビュー:古田泰子(TOGA)_02

 伊勢丹の売り場で「ガムテープみたいでかわいい」といってTシャツを手に取っていたお客さまに私は遭遇したので、あのロゴデザインは成功だったのではないでしょうか。しかも、初日でTシャツはほぼ完売だったわけですから数字的にも勝利したといえます。

初日で完売は嬉しかったです。実際、いかにガムテープのようにみせるかという部分は拘って作りました。それにしても、どういった人が買っているのかが気になりますね。

ターゲット層ってわからないんですか?

わからないですね。私は作家ではないので、ファンとの繋がりを求めたことがないんです。きちんと新作が発表できればそれでいい。ファッションとはそういうものでもありますから。

 マーケットリサーチよりもコラボレーションする相手に時間を費やしたいということでしょうか?

いや、相手との時間もそんなにかけないです。イメージはすぐ浮かぶから。逆にオファーがきたときにインスパイアされるものがなければすぐ断ります。イメージできないものを考えて作るというのは、本質からどんどん外れていくだけでしかないですから。私はすごく決断が早いんです。とにかく、いま考えてることはすぐにやりたいので、相手を探ろうなんてこともあまり考えないですね。

 それは野蛮ですね。

そうですか? でも、野蛮な感覚は大切だと思う。

 今回の「have a good time」とのコラボレーションに関してもそれは同様でしたか?

そうですね。やり取りした回数は多くないです。相手が提示してきたアイデアに対して意見しないといけないようなら、私はその相手とはやりません。仕事の性格上、検討しながら進める内容もありますけど、私が直接やりたいものに関しては、ミーティングはそこまで必要ではない。「この人と仕事がしてみたい」と思わせてくれるのは、そういうタイプの人が多いですね。

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