先日メディア・アート界最高のコンペティション、アルス・エレクトロニカ(※1)で入賞を果たした森翔太氏(※2)。2013年に自主制作した動画『仕込みiPhone』が海外サイトに紹介されると、国内外でバズを起こした。今や日本を代表する奇才映像作家となった森氏が、先月29日(にくのひ)に『仕込み筋肉3号機』を発表した。今回VICEは本映像の制作舞台裏に迫った。

「ボク自身、そんなによくない青春時代を送ったので、主人公がモテるドラマにしたかったんですね。要は、見返してやるみたいな。僕のルサンチマンを発散するような企画を出したんですね。」

最新テクノロジーは、森氏のルサンチマンをエンターテイメントに昇華することができる。技術を担当したのは、ユカイ工学の巽孝介氏(※3)だ。巽氏によれば、装置は集中力を示す脳波を読み取り、ある一定の値を超えるとモーターが作動、ボンベからCO2が排出され、筋肉に見せた袋が膨らむ仕組みとなっている。

森氏は「なるべく多くの人に見てもらえればそれでいいです」と控えめにコメントしているが、『仕込み筋肉3号機』は 既に海外でも紹介され、『仕込みiPhone』に次ぐバズを起こすかもしれない。しかし気になるのは、バズの経済的価値だ。自己のブランディングに成功した森氏のもとには、たくさんの依頼が舞い込んできている。「現代日本に 生きる男の悲哀」を感じさせる森劇場は、 今後どのように展開していくのだろうか。

本編映像は、一人もしくは友人と観ることをお勧めする。電車の中では、くれぐれも観ないように。

仕込み筋肉3号機 – 本編

ユカイ工学
森翔太氏のYouTubeチャンネル

Text by Kana Inamura