学生時代、陸上競技をしていまして、そこそこの成績を出しておりました。で、うちの母親はいうのです。「アンタはあの頃が1番輝いていたわよねぇ」って。でも、あぶらだこを聴きながら練習していた私を母は知りません。

加藤ミリヤさんの「新約ディアロンリーガール feat. ECD」は、12年前に発表された「ディア ロンリーガール」の再構築バージョン。旧バージョン同様に、たくさんの女性の名前が登場します。総勢78人。

〈あの子は今 幸せかな〉〈時は過ぎ 乙女大人になって 戻れない「うちらの時代」は 特別に輝いてた 夢に散った〉

「新約ディアロンリーガール feat. ECD」に登場する同名の方をお招きし、仕事、恋愛、結婚などについて、そして〈あの頃〉と〈今〉を確認させていただきます。「Who Are You? 特別篇:Are You Happy Now?」第2回です。

日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。

※

歌織(かおり)さん 43歳:会社員

こんばんは、よろしくお願いします!

こちらこそ、よろしくお願い致します。

早速ですが、歌織さんは今お幸せですか?

えっ…。

すいません、決まりなので。

いや、まぁ、うーん(笑)。

うーん、お幸せではないのですか?

うーん、まぁ、離婚しまして(笑)。

いつ離婚されたんですか?

今年の9月です。それまでゴチャゴチャありましたが、正式にそうなったのは、この9月ですね。

すいません、ご応募いただいたメールで、離婚されたことは既に知っていたんですけど、決まりなので。

はい(笑)。それありきで応募しましたので。

と、いうと?

なんていうか、ちょっと不安になりまして。

どんな不安ですか?

この先、ずっとひとりなのかなぁーと(笑)。

フムフム。

この年代になると、出会いとか少なくなるじゃないですか。いなくなるいっぽう。

フムー。

友達にしても、実家に帰る子がいたり、結婚して子供がいるから会えなくなる子もいる。

フムー。

友達が減っていっているような感覚にも陥っちゃって(笑)。そして新たな出会いもない。

ビール飲みます?

いただきます。

お子さんはいらっしゃいます?

いえ、おりません。

離婚されてから、ずっと不安になられていたんですか?

いえ、そうでもなかったんですけど、先日ふと。

先日? いつですか?

はい。BECKのライブに向かう途中に。

アハハ!! あ、すいません…BECK好きなんですか?

はい、好きです。すごく楽しみでワクワクしていたんですけど、電車のなかで、急に心細くなりまして。

なんでBECKで?

きっかけはわかりません(笑)。ただBECKのライブは、すごく楽しみにしていたんです。でもふと、〈ひとりでワクワクして、ライブに向かう40代〉みたいなのがよぎりまして(笑)。ライブ会場で、別に友達に会うわけでもないですし、なんか寂しくなっちゃって、「どうしよ、どうしよ」って、急に来たんです。

じゃあ、BECKのライブも楽しめなかった?

いえ、行ったら行ったで、めちゃくちゃ楽しめました(笑)。

BECKって、今も「ルーザー」とかやっているんですか?

やってますよー。この間は、ヒット曲のオンパレードでした。最近、アルバム出たんですよ。

はい、Apple Musicで聴きました。

私の誕生日に出たんです(笑)。

おめでとうございます。

ありがとうございます。「デヴィルズ・ヘアカット」も、やっていましたよ。

本当にオンパレードですね。

はい、本当に楽しかったです。

じゃあBECKのおかげで、不安も落ち着いたんじゃないですか?

ただ、不安に感じたのは事実なので、ちょっと自分で行動しなくてはいけないと考えるようになったんです。これまでは、そんなタイプではなかったんですけど、自分から色々動き出そうと。

はい。

それで、こちらのコーナーに応募させていただきました。

んん? もうちょっと違う方法ありません? それこそ婚活パーティーに参加するとか?

いやー、婚活パーティーは、ちょっとまだ壁がありますね。

でもBECK好きの婚活パーティーだったらどうします?

確かに興味はありますが、どうでしょうかねー(笑)。

あとは誰が好きなんですか?

……MUDHONEYとか。

歌織さん!!!! 最強じゃないですか!!!!

いえ、まぁ、40代ですので(笑)。

じゃあ、MUDHONEY好きの婚活パーティーだったら行くでしょう?

うーん(笑)。年齢的にも近いだろうし、話も合うでしょうけど、でも話の内容が合うとかは、もう重要じゃないかもしれないですね。

そうなんですか?

合えば合うでいいんですけど、そういうところじゃないですよね。付き合うとか、今後ずっと一緒にいるとなると(笑)。それにやっぱり、婚活パーティーは、まだ勇気がありません。

このコーナーのほうが、勇気が必要な気がしますが。だって、顔出るんですよ。

うーん、いつも読んでいますし、安心するので、なんだか、こちらのほうが動き出すにはいいのかなぁと思ったんです。

わかりました! じゃあ、こうしません? 婚活パーティーに参加しなくてもいいくらいのアピールをここでしましょうよ!

はぁ(笑)。

写真もありますしー。

(カメラマン:宮本さん)撮りますよー。

一緒にMUDHONEYのライブに行ってくれる男性をゲットしちゃいましょうよー。

うーん、そこは別にいいんですけど(笑)。それにMUDHONEY、なかなか来なさそうだし(笑)。

そうだよなぁ(笑)。じゃあ次のBECKに向けて。

はぁ(笑)。

歌織さんは、どんなお仕事をされているんですか?

メーカーっていうんでしょうか。ファミリー企業なので、あんまり具体的にいえないのですが、普通の会社員です。

お仕事は、月〜金ですか?

はい。

お休みは、何をしているんですか?

そうですね。ライブに行ったり…あ、さっきもいったか(笑)。

「相手がMUDHONEY好きじゃなくてもいい」と仰いましたが、「ああー、お休みの日はライブに行くんですか。音楽が好きなんですね。どんな音楽が好きなんですか?」って、流れになりますよね。なんて答えますか?

えっと、MUDHONEYとか…って(笑)。

ですよね。そうすると「すいません、そのバンド、知りません。どんな音楽ですか?」と訊かれます。なんて答えますか?

えっと…。大まかにいうと、アメリカのロックです…と(笑)。

「どんなアメリカのロックですか? ハードロックですか? 僕はミスチルが好きなんです」なんて。面倒臭くありません? 

いえいえ、別にOKですよ(笑)。

じゃあ、「僕はRADIOHEADが好きです」は?

そうですねー。RADIOHEADは、ちょっと面倒臭そうですよね(笑)。

アハハ!!!!

あー、ごめんなさい!! こんなこといったら狭まっちゃいますね(笑)。

ちなみに、BECK、MUDHONEYの他は、誰が好きなんですか?

そうですねー、普通にSONIC YOUTHとか。

普通ではありませんよ(笑)。

まぁ、USのオルタナ、インディーです。

もういっちょ!

SEBADOHとかBUILT TO SPILLとかMELVINSとか。

MELVINS好きのギャル!!

ギャルじゃないですよ(笑)。

間違いなく独身のオルタナおっさんたちは、今キュンキュンしてますよ! 

でしょうかー(笑)。

すいません、話がオルタネイティヴしたので戻します。好きな食べ物を教えてください。

カレーですかね(笑)。友達と食べ歩いています。

料理もされますか?

しますけど、好きじゃないので、上達しないですね(笑)。

では、好きな映画は?

こちらにも出ていましたけど、塚本晋也監督の『鉄男』ですね(笑)。

完全にオルタナ、サブカルじゃないですか(笑)。

ああ、また狭まっちゃいますね(笑)。でも、好きなものがたまたまサブカルなんていわれているだけで、別にサブカル女みたいな感じではないです。

そうなんですか?

はい。メジャーでいえば、大森南朋とかも好きですよ。

これはまた微妙なメジャーですね(笑)!! 半分、足突っ込んでる人だと思いますよ。

うーん、出処はそっちだもんなぁ。やっぱり、サブカル好きの女はモテないみたいなのがありますよね?

え、そうですか? 

モテないというか、ちょっと痛くないですか(笑)?

歌織さん、そんなことないですよ。私は好物ですよ!

ありがとうございます(笑)。

では、どうしてサブカル女になったのか、その歴史を辿りましょうか。

やっぱ、サブカル女なんですね(笑)。 

ご出身は、どちらですか?

静岡県の裾野市っていうところです。沼津とか、御殿場とか、聞いたことある所の隣です。

裾野も聞いたことありますって(笑)。ちなみに静岡県って、浜松市と静岡市で戦っているんですよね?

そうみたいですね。でも裾野は神奈川に隣接していますし、静岡とか浜松に比べると東京寄りなので、「ちょっと都会だろ」みたいな気持ちがあります(笑)。高校のときに遊ぶとなったら、原宿に行っちゃうみたいな。もちろん、街自体は都会ではないですけど(笑)。

原宿まで行けちゃうんですか? どれくらいで?

鈍行で3時間弱くらいですね。

じゃあ、浜松とか静岡で買い物するなんてことは?

なかったです。そもそも浜松は遠すぎて、他県扱いしてました(笑)。

どんなご家庭でしたか?

お父さんは普通にサラリーマンだったんですけど、お母さんが…(笑)。

なんですか? その笑いは?

えっと、お母さんは、演歌歌手なんです(笑)。

おおー! 素敵!! まだやられているんですか?

やっています。「そろそろいい年齢だから、辞めてもいいんだけど、なんだかんだ出演オファーがある」といってます(笑)。

お母さんは、デビューしていたんですか?

はい。昔は、某演歌に強いメジャーレコード会社から出していました。今も音源は出しているんですけど、多分自主制作なんじゃないですかね。

ああ、お母さんのインディースピリットがあったからこそ、今の歌織さんがいると。

いえいえ(笑)。

歌織さんが物心つく前から、お母さんは演歌歌手だったんですか?

いえ、私が小3くらいのときにデビューしたんです。

「お母さん、デビューします!」みたいな報告があったんですか?

そういうのは忘れちゃったんですけど、近所のいたる電柱に、お母さんのポスターが貼られていました。通学路なのに(笑)。

「歌織ちゃんのお母さんでしょう?」みたいな?

はい(笑)。学校でも先生にいわれて(笑)。

恥ずかしくなかったですか?

そのときは、すごく恥ずかしかったですね。はい、本当に恥ずかしかったです(笑)。

歌織さんも歌ってたり?

いえいえ、それはありません。

じゃあ、小学校はどんなことをしていたんですか?

空手とか書道とか。習い事はいろいろやっていました。学習塾や英会話教室にも通っていましたし。あ、ちなみに空手は黒帯です!

黒帯はすごいですけど、サブカル臭はまだ感じられませんね。

当たり前ですよ(笑)。普通に〈明星〉とか買ってましたもんね。

ああ、〈平凡〉もあってねぇ。誰が好きだったんですか?

低学年のときはマッチですよね(笑)。はい、ポスターを貼っていました。高学年になるとチェッカーズとか。うちは、お父さんがテレビが好きだったので、一緒になって『ザ・ベストテン』とかを観ていましたね。

うーん、サブカル度は〈ゼロ〉ですね。

だから、まだ小学生ですから(笑)。

じゃあ中学に期待しましょう。部活とか入りました?

はい。吹奏楽部に入りました。トロンボーンと弦バスをやっていました。本当はサックスがしたかったんですけど。

ムムッ。サックスは、やっぱチェッカーズの影響ですか?

はい(笑)。尚之ですね。でも「あなた、手が長いからトロンボーンね」って、先生に決められてしまいました。手、長くないのに。

どんな曲を吹いていました? このコーナーでは、〈ジブリ〉って声が多かったのですが。

やっぱり時代ですね(笑)。うちらは、TM NETWORKの「GET WILD」とか(笑)。

チェッカーズ、TM NETWORKと、まだサブカル臭がしないんですが、そろそろですか?

はい(笑)。えっと、バンドブームが来たわけです。

イカ天とか?

そうです、そうです。夜更かしして、イカ天を観るようになりました。

おお、サブカルの入り口が見えましたね。誰が好きだったんですか?

えびとか(笑)。

いましたね(笑)! 可愛いパンク!! でも、えびじゃ、キュンキュンしないですよね? まだ藤井尚之が好きだったんですか?

男闘呼組とかかなー。

いいですねー! 男闘呼組では、誰が好きでしたか?

成田昭次ですね。

ああ、いち番不良っぽかったよねぇ。

捕まっちゃいましたよねぇ。

ブチ込みますね、歌織さん(笑)。ちなみに学校に好きな子はいなかったんですか?

小学校からずっと好きだった人がいましたね。

何くんですか?

これまたナリタくんで(笑)。

アハハ、成田昭次に似てるんですか?

いえ、似てません(笑)。

おつきあいしたり?

いえ、そういうことは、まったくなく。なんとなく中学卒業するまで好きでした。