text & interview by 内藤正記

 

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『ポルノスター』で監督デビューを果たし、『青い春』『空中庭園』『Monsters Club』など数々の話題作を生み出してきた日本映画界の至宝、豊田利晃。その彼が今回手掛けるのは、「演劇」「音楽」そして「映画」を組み合わせた全く新しい複合型芸術作品=シネマライブ『怪獣の教え』だ。

豊田監督が演出・脚本・映像を担当する本作。自身が魅了され心酔する小笠原諸島を舞台に、怪獣を復活させるべく島を目指す男・天作と、天作の従兄弟・大観、“怪獣の教え”の秘密を知る女性・クッキーの姿を描く。

国家の秘密を暴露したことで政府から追われる天作を演じるのは、『Monsters Club』にて比類なき存在感を放った窪塚洋介。豊田監督の創り上げる世界観に欠かすことの出来ないエレメントとして数多くの作品に登場する渋川清彦が、島育ちのサーファー・大観を演じる。さらに世界の島を転々としながら暮らすクッキー役は次回作『テラフォーマーズ』の公開が待たれる太田莉菜が務め、豊田作品へ初参加を果たす。

また、怪獣デザインを現代美術家のピュ~ぴる、衣装を伊賀大介、音響をzAk、音楽を豊田監督自身も参加するユニットTWIN TAILが担当。映像は監督自らが撮影する。
今回は監督本人に、自身の新たな挑戦についてインタビューを敢行した。キャスティングや美術に関する言葉の端々からは、未だ全貌が明らかではない本作のとてつもないスケール、そして作品に込められる本人の強い思いを感じ取ることができるだろう。

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今回のキャストはどのようにして決まったんですか?窪塚さん、渋川さんは以前に何度もお仕事されてますが、太田さんは初めてですよね?

女優には、アイランドホッパーと呼ばれる、島々を飛び回って生活している役にピッタリな人を探してて。いろんな候補はあったんだけど、小笠原で出会った何人かのアイランドホッパーの女の子たち、島から島へ転々としてる子たちなんだけど、その子たちには独特のイメージっていうかオーラっていうのがある。それがちょっと太田莉菜のことを思い出した時に、なんか近いものがあるなと。もちろん莉菜ちゃんは松田龍平の奥さんであって、龍平を交えて時々会ってもいた。だけどなんか、いつも必ず龍平とは仕事をし続けたいと思っているんだけど、夫婦揃って出てもらうことなんてなかなかないんでね。こうやって龍平が出ない場所に莉菜ちゃんを呼ぶのも良いかなと思って。一緒に仕事したいけど、夫婦だからなかなか出来ないっていうこともあるしね。もちろん、人間性の魅力もあるし、皆さんご存知のようにモデルとしても素晴らしく、人気のある人なんで。

怪獣のデザインにはピュ~ぴるを抜擢されました。『Monsters Club』以来のタッグですね。

ピュ~ぴるが日々退屈そうに過ごしてるのをずっと知っていて、ものすごい才能のある人だってのも知ってるけど、彼女をコントロールして扱うってのはとても難しいことだとも理解していた。ただ彼女の才能に対してリスペクトは常にあったし、それで、じゃあ怪獣って一体どんな姿形をしているのかってのが想像出来なかったんで、想像出来ないことは想像出来ない人にやって貰った方が良いんじゃないかって思って。それでお願いしたんだけど、ピュ~ぴると話している時にそんなにお互いの想像がズレてない気もして、本当に面白い作業だったなと思ってます。

豊田作品はアート色の強い作品が多く、作品ごとに新しいアーティストを発掘されていますが、今回の舞台ではいかがですか?

新しい血を入れるって言うことに対しては、常に前向きではある。今回はそう言った意味では莉菜ちゃんとかはそうだけど、ライブでやるってこと自体が新しいこと。実際バンドと役者と映像が一個全体となってクライマックスを迎えるわけだけど、それがどうなるのかなっていうのが一番楽しみでもあるし、勝負所でもあるんだけど。その数分間が凄いアートといえば、アートだよね。きっともの凄いことになるんだろうね。

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ライブシネマ 演劇+音楽+映画『怪獣の教え』http://kaijuno-oshie.com
2015年11月19日~11月23日
赤レンガホール(横浜赤レンガ倉庫1号館3階)にて上演
※チケットの先行販売は9月5日12:00、一般発売は9月26日12:00より開始