いつも使っているコンビニに、以前働いていた女の子が帰ってきました。VICE編集部では、「受験お疲れさま!」「ご入学おめでとう!」なんて、心の中でお祝いしています。もちろん進学されたかどうかは知りませんが、多分そうだと思っています。素敵な学生生活を!!日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。※角谷玄(かどや げん)さん(28歳): 会社員角谷さん、本日はよろしくお願い致します。よろしくお願いします。ご職業が〈アナログフォトプリンター〉さん。写真を現像するお仕事でよろしいですか?
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はい、そうです。宮本さん、知ってます?(カメラマン:宮本さん)もちろんです。すごいですね! 私はいつも田村写真さんに出しています。そうなんですか。ライバルみたいな感じです(笑)。角谷さんは、どちらの会社にお勤めなんですか?写真弘社というところです。宮本さんは、何で写真弘社にお願いしていないんですか?(カメラマン:宮本さん)田村写真を先に知っていたからです。写真弘社さんは、どこにあるんですか?アキバです。(カメラマン:宮本さん)遠いな。田村写真はどこにあるんですか?(カメラマン:宮本さん)六本木ですね。いい場所ですね(笑)。(カメラマン:宮本さん)そちらにも今度うかがわせていただきます。よろしくお願いします。
具体的なお仕事のご説明をしていただけますか?暗室のなかで、フィルムを手作業でプリントする仕事です。会社では、インクジェットでプリントする方法もやっていますが、僕はモノクロフィルム専門でモノクロのプリントをしています。お客さんがフィルムを持ってくるんですか?そうですね。僕らの小さいころだと、「フジカラーで写そう」なんて、駅前のお店に持っていってたんですけど、そういうのとは違いますよね?そうですね。割とプロ向けの仕事になります。ほとんどプロのカメラマンさんしか来ません。プロというと…荒木経惟さん、森山大道さんとかお越しいただいています。(カメラマン:宮本さん)すごい。名だたるカメラマンが。一日中、暗室でお仕事されているんですか?そうですね。朝から。朝は何時からですか?9時前から入って、お昼に1時間休憩して、6時か7時くらいまでです。真っ暗なんですよね?はい。真っ暗なところで作業して、明るいところでチェックして、っていうのを繰り返してます。行ったり、来たりです。広さはどれくらいあるんですか?10畳くらいでしょうか。窓はないんですか?ないですね。暗いところに入って、何年間くらいですか?6年くらいですね。暗いところにずっといると、暗いところでもよく見えるようになるとかいいますよね? 角谷さんはいかがですか?うーん、どうでしょう(笑)。街灯も無い田んぼの真ん中とか、真っ暗な所とかありますよね? そこに行っても2~3メートル先は見えちゃうんですか?どうでしょう(笑)。試したことがないので(笑)。エッチのときはどうですか。はい?「電気消して」なんていわれても、ハッキリ見えているとか?いえ、そんなことも(笑)。もともと目が悪いですし。そうですか、すいません。最初の頃は、暗室の雰囲気とかいかがでしたか? 息苦しいとかありましたか?いえ、大学が日芸の写真学科だったんです。そこでずっと暗室にいたのでわりと慣れていました。日芸の写真学科のなかに、現像コースがあったんですか?それはないんですけど、写真学科のなかで、アナログ系が好きな人は暗室に入って作品をつくっていたんです。写真も撮って?はい。撮って、現像して、自分でプリントするっていう。最終工程までやっていました。角谷さんは撮る方じゃなくて、プリントする方をお仕事にされていますが、 どうしてそうなったのですか?話せば長くなるんですけど…そのための今日ですよ(笑)。はい(笑)。僕は高校が日大の付属校で、櫻丘だったんですけど、そこでは音楽をやっていました。はい。音楽がやりたかったので、本当は音大に入りたかったんですが、学費が高すぎて断念しました。
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はい。ちなみにどんな音楽をやってたんですか?ジャズをやっていました。カッケー!!ありがとうございます。それで音大は諦めて、付属だからそのまま日芸行こうと思ったんです。写真は撮ったことがなかったんですけど、映画はめちゃくちゃ観ていたので、写真も撮れるだろうと思って入りました。はい。それで卒業して、カメラマンになろうと思い、アシスタントでスタジオに2年間入ったんですけど、このままカメラマンになるのは嫌だなと思い始めて…それはどうしてですか?向いてないなと思いました。どんな風に?営業活動もありますし、そのときに愛想も振りまけないから。愛想いいと思いますよ(笑)。そうでしょうか。でも、まあ合わないかな? って。はい。それで、その頃、楽器屋さんに行ったら、欲しかったギターがあったんですよ。はい。そこでカメラを全部売って、そのギターを買いました。おおー、動きましたね! カメラはいくらになったんですか?30万円くらいです。ギターは?40万円くらいです。何のギターを買ったんですか?ギブソンのビンテージのやつです。そのギターを抱えてどうしたんですか?好きなことをやろうと思いました。好きなジャズギタリストがいたので、1年くらいその人のレッスンを習っていました。その時期はライブとかもやっていたんですか?はい。ファンクバンドに入って、としまえんとかで(笑)。なんでファンクバンドに入ったんですか?募集していたんです。お金も出ますって、メンバー求人サイトにあったんです。しかし全然もらえなくて(笑)。バイトをしながらやってました。としまえんのライブってどんなのですか?としまえんにステージがあるんです。メリーゴーランドの近くですね。1年に8日間のステージがありまして、その分しかお金は出ませんでした。としまえん主催のなんちゃらフェスみたいなイベントですか?いえ、ビアガーデンかな?なるほど!! ビールにはどんな曲をやっていましたか?ジャクソン5とか。そういうのをカバーしてました。でも結局あまりにも稼げなくて、ちょっとまずいなと思って、就職を考えたんです。
そうでした、なぜ今のお仕事を? の話でした。カメラマンはもう出来ないなと。カメラ、売っちゃっいましたものね。自分のやりたいことって何だろうって考えたときに、プリントだったらいけるんじゃないか? と思ったんです。それで調べて、アナログプリントの会社を初めて知って。それで写真弘社を受けて?はい。面接とプリントですね。それに日大の先輩が結構いたのも助かりました。最初は、こんな暗いところにずっといなきゃいけないのか? なんて思いませんでした?そうでしたね(笑)。今もちょっと思いますけどね(笑)。暗室ではひとりぼっちですか?4人ぼっちです。それもまた微妙な人数ですね。わしゃわしゃ立ち回っています。息苦しくないですか? 暑かったり?クーラーとか設備はあるので。オレンジ色みたいな電球が?ぼやーっと。天気とかもわかりませんよね?そうなんですよ。お昼休憩に行ったら、「雨降ってんな」みたいな感じです。買ってきたご飯は暗室で食べるんですか?いやいや(笑)。普通の休憩所みたいなとこです(笑)。1日何枚くらい剃ってるんですか?ネガの状態によりけりですけど、1日100枚くらいですね。あれですよね。液にピチャピチャやるやつですよね?はい。あれって確かお酢みたいなニオイですよね?
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すごく強いですよ(笑)。お鼻は大丈夫ですか?もう、お酢のニオイはわからなくなっています。じゃあ餃子のときはどうするんですか? お酢は入れてますか?お酢、入れてますね。でもお酢の味はしない?味はしますよ(笑)。でもニオイはあんまりわからないですね。ポン酢は?風味なら感じますよね(笑)。風味のみですか。ちょっと残念ですね。すごくデカイ写真とかも現像するんですか?はい。1メートル以上のものとか。それもピチャピチャするんですか?はい。ピチャピチャのなかで回転させます。あのピチャピチャの名前を教えてください。バットといいます。大きいやつはふたりがかりでピチャピッチャして、壁に貼るんです。失敗とかもあるんですか?あります。めちゃくちゃあります。それも、どこで失敗しているかがわからないんです。納品する直前に傷が入っていたりとか。どの工程なのかわからないんですね。それがアナログの欠点でもあります。ピチャピチャの前の工程を教えてください。まずフィルムを受け取ったらどうするんですか?引き伸ばし機っていう、電球とレンズが付いた機械があるんです。そこでセットして、上から光を当てると投影されるんです。印画紙っていう感光剤が塗ってある、特殊な紙をセットして、ピカって光をあてますピカっはどれくらいですか?何秒とか、何分です。ピカってやっているときに、明るくしたい箇所は、手で影絵みたいなのをつくって、明るくしたりします。えー! マジですか! それってお客さんからの指定があるんですか?はい。例えばプロの人は、これまでの写真集などを持ってきて、これと同じ感じにしてくださいっていわれます。なるほどー。カメラマンさんの作風に合わせるんですか?そうです。でもそれがわかってないと、影絵みたいのもできませんよね?そうですね。ですから、いろいろテストをやりまくります。それを投影した印画紙をピチャピチャして…外でチェックするんです。それで大丈夫だったら、水で洗って、網みたいなところに置いて。網? 干物みたいな感じですか?そうですね。干物ですね(笑)。すごい作業ですね。ちなみに宮本さんも現像できるんですか?(カメラマン:宮本さん)一応、できますけど。でも装置がないとできないんですよ。完全に職人さんのお仕事ですね。(カメラマン:宮本さん)そうですね。変態な職業だと僕は思いますけど。ちょっと嬉しいですね(笑)。嬉しいんですか(笑)? 変態っていわれるのが嬉しい?嬉しいです(笑)。汲み取られ方が(笑)。
角谷さんは、現在どちらに住んでらっしゃるんですか?赤羽です。実家になります。お! 赤羽、盛り上がってるじゃないですか。まぁ(笑)。山田孝之とか、赤羽のマンガとか、あと、まるます家でしたっけ?はい。やっぱ影響ありますか? 赤羽、変わりました?そうですね(笑)。お店に入れなくなっちゃったんですよ。立ち飲み屋とか老舗の居酒屋とか。土日とか混んじゃって。大人気になっちゃった?大人気ですね。前までそんなに混んでなくて、以前は普通に入れたんですけど、今は若い人とか、たくさん増えて。ずっと赤羽ですか?はい。角谷さんが思う赤羽とは?基本、嘔吐物がある街ですね(笑)。嘔吐物ですか(笑)。やはり、嘔吐物とやばいおっさんがグデングデンになってるイメージです。外で髪を切り合ってたりとか(笑)。ヤバイなって。小さいながらに思っていました。
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小学校の頃は何をしていましたか?小学校の頃ですか…。クラスが18人くらいしかいなかったんですよ。あらー少ないですね。ひとクラスですか?はい、ひとクラスです。僕の小学校だけ少なかったんです。だから割りと仲良くて。男女あんまり関係なく、皆のんびりしていて。ほんわかしていましたね。18人でなにをして遊んでましたか?基本鬼ごっこですね。鬼ごっこ(笑)?鬼ごっこしかやってなかったような気がします(笑)。18人だと、男子9人、女子9人って感じだったんですか?女子の方が多かった気がします。皆で好きな女子を取り合ったり?そういうのもなかったんですね。男女っていう関係性がなかったんですよ。好きとか嫌いとか、女とか男として意識してない。6年生くらいになっても?はい。じゃあ中学校に行ったらビックリしたのでは? いろんな子がいたでしょう?そうですね。クラス増えましたから。とはいっても、3クラスなんですけど。でも3倍ですもんね(笑)。3倍はデカイですよ。カルチャーショック?ショックでしたね。怖かったですね(笑)。いろんなやつがいるわけでしょう?そうなんですよ。ヤンキーとかもいるんですか?はい。そっちの方が多かったと思います。当時のヤンキーはどんな感じでした?絵に描いたような感じでした。先生にたてついたり、ガラスを割っちゃったり、隣町の中学校と喧嘩して怪我して帰って来たり。その子たちのファッションはどんなのでした?ズルズル系ですね。一応ブレザーとネクタイでしたけど、ネクタイもズルズルで。髪型とかは?GATSBYですよ。え?(笑)。GATSBYでどうしてるんですか?ドラゴンボールっぽい感じですかね(笑)。立てていました。角谷さんも立てていたんですか? ズルズルチームだったんですか?いえ(笑)。僕は割と穏やかに。部活はしていましたか?はい。ギター部をつくりました。え? 角谷さんがつくったの?はい。ギター部がなかったので。じゃあ小学校のときからギターをやっていたんですか?中1の頃から始めたんです。ギターを始めたきっかけを教えてください。あのー…エリック・クラプトンって知ってます?もちろん、知ってますよ(笑)。親も聴いていて、親も従兄弟もギターをやっていて、元々ちょっと憧れがあったんです。そしたら当時、CMで三菱自動車がクラプトンの曲を使ってたんですよ。それでビビッと来て。アハハハ!! …あ、すいません。噂には聞いていましたが、クラプトン狂の中1男子って本当にいるんですね。CMって何の曲でしたっけ?「いとしのレイラ」です。ウフフ。何か来ちゃったんですよね(笑)。クラプトン以前は、音楽はあまり聴いてなかったんですか?ゆずとか、若干です(笑)。クラプトンのギターに参ってしまったと。はい。「い…いいじゃん!」って。それで父に、ちょっとギターを教えてもらったんですよ。それで割と弾けたのでいけるなと思って。それでギター部をつくったんですか?はい。ギター部をつくって、練習みたいな。でも部員は集まったんですか? クラプトンスタートですよね?はい。仲良い子を引き連れて、「練習しよう」っていったら、割と皆やりたいって。でも、その子たちもクラプトンをやるわけでしょう? 拒否されませんでした?みんな、よくわからないでやっていましたから(笑)。あんまり好きじゃないけど、口に出せない子もいたと思います(笑)。6、7人の小規模な部活でしたし。
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部員全員、ギターですか?皆、ギターです。ドラムとかベースはいないんですか?下手なやつをひとり見つけて、ベースをやらせていました。「文化祭でちょっとやって」みたいな。文化祭では何をやったんですか?エリック・クラプトンです(笑)。ですよね(笑)。クラプトンのどの曲をやったんですか?「いとしのレイラ」です(笑)。でしょうね(笑)。お客さんはポカーンって感じ?父兄のお客さんは割と喜んでくれていました(笑)。「お父さんが良いっていってたよ」とかいってもらえたり(笑)。クラプトンのアルバムは、中学校で制覇したんですか?一応、聴いてました(笑)。デレク・アンド・ザ・ドミノスまで遡りましたか?はい、もちろんです(笑)。最高ですね! でも周りはJ-ROCKだったり、J-POPだったり、ヒップホップとか聴いてますよね? どこかのタイミングで「俺、クラプトン聴いててダサいかも」なんてタイミングはなかったんですか?ちょっと思いましたね(笑)。頑張ってDragon Ashを聴いてみたり?頑張ったのは高校のときでした。でもめっちゃ頑張っても、サンボマスターでしたね(笑)。今は何でも聴きますけど…でも根本にはエリック・クラプトンがいると?はい。ブルースってやつですよね(笑)。カッケー! クラプトンのライブには行きました?はい。中学のときに武道館へ。初クラプトンはどうでした?「いとしのレイラ」の“ダラダラダ~ン”ってとこを間違えたんですよ。あのクラプトンが!?はい。でもすごく嬉しくて。「やっぱり生きてるんだ!」 と思って(笑)。すごく嬉しかったです。クラプトンみたいに、夢中になった女の子とかいなかったんですか?いませんでした。僕はギターだけだったので(笑)。本当にギターが大好きで、ずっとギターを触ってました。女の子に触りたいとは思いませんでした?ないです(笑)。気になる子はいたかもしれないですけど、それよりギターでした。
さて、ギターを触っていても中3にはなってしまいます。日大櫻丘高校を選んだ理由を教えてください。東海大と日大は付属校があるので、付属がいいと思っていました。東海大も考えていたのですが、櫻丘を見に行ったら建物が綺麗だったんです。はい。更に塾の先生が「櫻丘って軽音楽部がすごく有名だよ」っていったんですよ。じゃあもう完璧と思って、入ったんですけど、実際は軽音楽部がなくて、東海大の間違いだったんです。今でもその先生を恨んでいます(笑)。それでまたギター部はつくったんですか?さすがにそんな気力はなかったので、吹奏楽部に入りました。そこで何をしたんですか?ギターを弾かせてくれるって入ったのに、結局大太鼓を(笑)。3年間ガッチリやったんですか?2年の後半で辞めちゃいました。先輩と仲が良かったんですけど、先輩も卒業しちゃってもういいやと思って。じゃあ、吹奏楽で太鼓を叩いて、お家に帰ったらクラプトンを弾くみたいな生活だったんですか?そうですね。さすがにクラプトンだけではなくなりましたが。あ、そうかサンボマスターか。あとはレッチリですね。いいじゃないですか(笑)。レッチリはウケがいいと思ったんでしょうね。文化祭でやったらウケると思って。学園祭でレッチリをやったんですか?はい。何をやったんですか?「Can’t Stop」とか。おおー、やっとませてきましたね。女の子事情はいかがでしたか?そうですね。先輩と付き合いました。
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吹奏楽部の先輩ですか?はい。パーカッションの先輩でした。ドラムがめちゃくちゃ上手い先輩でした。シシド・カフカみたいな?いえ、そんな(笑)。じゃあ、ふたりきりでビートを刻んだんですね。まぁ、そうですね(笑)。クラプトンを流しながら、いろんなことを刻んだんですね?それはないです(笑)。超気持ち悪いです。カフカとは結構お付き合いされたんですか?いえ、彼女が卒業くらいに別れてしまいました。そのタイミングで僕も部活を辞めました。じゃあ部活もやめて、高3のときは何をしていたんですか?3年生のときは暗かった気がします。ずっと映画を観ていました。どんな映画を観てたんですか?最初は格好つけてジム・ジャームッシュとか。はいはいはいー。エセな感じで入って行ったんですけど、それからいろいろ観るようになってホラー系に行っちゃっいました。角谷さんのフェイバリットホラーを教えてください。『悪魔の毒々モンスター』ですね(笑)。ああ、懐かしい! 『悪魔の毒々モンスター 東京へ行く』みたいのもありましたよね(笑)。はい、東京に来ましたよね(笑)。あとは『テキサス・チェーンソー』とか、すごく感動しちゃって。変な方向に向かいました。DVDを借りて観てたんですか?そうですね。実は今、VHSを集めているんです。お、素敵そうなご趣味! 教えてください。日暮里にエロDVD屋があるんですけど、そこにVHSコーナーがあるんです。『テキサス・チェーンソー』とか、B急映画とか、めちゃくちゃ置いてあるんですよ。いくらぐらいで売っているんですか?50円とか。安っっ!!『悪魔の毒々モンスター』は3000円だったんですけど、見つけたときは嬉しくて買っちゃったんですけど(笑)。店の値付けが謎ですね(笑)。VHSは何本くらい集まりました?今は、40~50本くらいです。それをブラウン管のテレビで観るんです。あの画質がたまりません。(カメラマン:宮本さん)さすが、変態ですね!VHSを買うにあたって、何かルールとかあるんですか?ブラウン菅で観たときに、面白そうなやつです(笑)。(カメラマン:宮本さん)やっぱ、変態ですね!どんなVHSが集まりましたか?えっと、実はインスタにあげてるんです。ちょっと見せてください…、おおー。『アタック・オブ・ザ・キラートマト』から『E.T.』まで。『E.T.』はいくら何ですか?50円です。安っ!! お 、『バグダッド・カフェ』とかもあるじゃないですか。ちゃんとお洒落系も入れちゃってー。これはちょっと負けたなと思ったんですよね。(カメラマン:宮本さん)『ダンサー・イン・ザ・ダーク』だ。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は、ブラウン管で観るとめちゃめちゃいいんですよ!はい(笑)。でも角谷さんが買ってたら、日暮里のエロDVD屋からVHSがなくなっちゃうんじゃないですか?それが補充されるんですよ! 多分、まだすごくストックがあると思います。僕がごそっと買うと、そのあとごそっと入ってるんですよ。エロDVD屋はオヤジがやってるんですか?はい。そこのオヤジとは仲良くなりましたか?いえ、一切、喋らないです。クールですね!どうしてこいつはVHSばかり買うんだ? って、変な目で見てると思います。エロコーナーにも寄りますか?いえ、寄りません。寄らないって!? なぜですか?1回でも買ったら「やっぱり、こいつそうかー」って。
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負けだと思われる?はい。負けですね(笑)。それにエロに関しては、エロDVDとかに興味ないんです。じゃあ、ネットですか?いいえ。映画のなかのエロが好きなんです。おおー。物語性があった上のエロじゃなきゃ嫌なんです。おおー。でもね、例えば、2時間くらいの映画を観ています。エッチなシーンになりました。でも初めて観る映画だから、そこにエッチなシーンがあるとはわかりませんでした。そこで来たー! みたいな感じになりますよね? そこでパンツを脱ぐんですか? どうするんですか?僕は1回全部観るんですよ(笑)。どのシーンがどの位置にあるかを把握するんです。ですから、来たー! はないです(笑)。そのときはVHSですか? DVDですか?それはDVDですね。よかった。VHSだったらキュルーって、巻き込んじゃったりしますものね。VHSって面白いことに、エロいシーンのちょっと前にノイズが入るんですよ。必ず白い線が入るんです。それは皆、巻き戻しをしているからなんですよね(笑)。お、来るなってわかります。しかもどうでもいいパンチラシーンとかも線がと入るんですよ(笑)。なるほどー! エロVHSだったら、線だらけになってそうですね。じゃあ、角谷さんがお好きな映画のエロシーンを教えてください。そこはちょっと。私だけの秘密です。いけずー! では高校も卒業して日芸に入学しました。サークルとか入りました?サークルには一切入ってないです。じゃあ、大学生のときは何をしてたんですか?1、2年はバンドとバイトばかりです。バンドは何をしていましたか? またクラプトンに戻ったり?いえ、オリジナルとかつくってました。ロックっぽい、くるりっぽい(笑)。でもライブもやりませんでしたし、たまにスタジオに入っていたくらいで、自然消滅しました。バイトは?バイトは、新宿のドイツビール屋で。卒業までやっていました。彼女事情とかはどうだったんですか?3、4年のときにいましたね。同じ写真学科の子でした。どんなデートをしてたんでしょう?普通ですよ。映画を観たり、展覧会を観に行ったり。結構長いあいだ、付き合ってらしたんですか?4年間くらいでしょうか。就職してからも付き合っていたので。あらー、長い。でも別れちゃったんですか?はい。じゃあ、現在今は彼女はいらっしゃるんですか?はい。どちらでお知り合いに? 暗室のなかで?高校の同級生なんです。前から仲はよかったんですが、タイミングがあって付き合うようになりました。もうお付き合いは長いんですか?はい。4~5年になります。4~5年のカップルって、どんなデートしてるんですか?そうですね、普通に週末は遊んで…昨日も旅行に行ってました。お、いいですね! どこに行ってたんですか?箱根です。きゃー、いやらしい! 向こうのお父さん、お母さんは、角谷さんのこと知ってるんですか?存在は知ってるみたいですけど…会ったことはない?はい。ないです。結婚とかは考えてらっしゃらないんですか?そろそろかなぁとも思っています。でもちょっと不安もあるんです。お互い実家暮らしでしたから、結婚したら急にふたりで暮らしになるので。いやいや、大丈夫でしょう。それこそブラウン管のテレビ、VHSのセットをどうしようかと。ああー、なるほど。彼女は、その素敵なご趣味を知らないんですか?知ってますけど、汚いとかいうんですよね(笑)。まぁ、確かに。白い線もたくさん入ってるくらいだから(笑)。
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もし結婚したら、毎日1本ずつ増やしていこうかな? と思っています。バレないように1本ずつ導入して。毎日、赤羽の実家から1本ずつ持って行くんですか?いえ、会社に全部持って行って、会社からです(笑)。ちなみに、彼女に「レイラ」を聞かせたことはあるんですか?いいえ(笑)。としまえんのファンクバンドを見たことはあります。苦笑いしていましたが。「レイラ」弾いたら、VHSも許してくれるんじゃないですか?そうでしょうか(笑)。そんな話聞いたことありません。
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