今年もやってきました。近所の某体育大学の卒業式です。いつもはジャージとかスウェットとかのモリモリ女子学生さんたちも、この日は煌びやかな袴姿です。浜口京子さんの私服姿に通じる初々しさ。可愛い。おめでとうございます。

日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。

谷美奈子(たに みなこ)さん(21歳): 大学生

わーい! 久々の女子です! それも女子大生ですよ、宮本さん! 

(カメラマン:宮本さん)素敵ですね。

谷さんは、駅伝が強いあの大学なんですよね?

はい。

やっぱり今年の駅伝も盛り上がりましたか?

はい、盛り上がりましたけど、年明けは「ダメだったね」って。最近は優勝していないので。

駅伝が盛り上がって、こちらの大学への入学希望者が増えたと聞いていますが、本当ですか?

はい。私もそれで入学したいと思った部分もあります。

あ! 谷さんも走ってらっしゃるんですか?

私は走っていませんが、自分の大学のスポーツが強くて、それを応援するのは楽しそうだと思っていたので。

なんで応援したくなったのですか?

なんていうか…私は田舎生まれなんです。静岡県浜松市なんですけど。

浜松は田舎じゃないですよ! 政令都市ですよね?

いえ、田舎だと思います。今、NHKの大河ドラマは何をやっているかご存知ですか?

はい。コウが出てるやつですよね。

そうです。『女城主 直虎』は舞台が浜松市なので、今は盛り上がっていますけど、ずっと浜松は地味だったんです。だから大学も、みんなで盛り上がるような何か強みのあるところに行きたかったんです。

でも、うなぎがあるでしょ、あと世界のヤマハも浜松ですよね? 高速道路のサービスエリアには、ピアノも置いてありますよね。

ありますね(笑)。あと、みかんも有名ですよ。三ケ日みかんっていいます。

お茶もありますよね。浜松、盛りだくさんじゃないですか?

そんなことないです。だから大学は、浜松とは違うガラッと違うところに行きたいなあと思ってたんです。

なるほどー。で、現在就職活動をされているとのことですが、既に行き詰まっているとメールにありました。

はい(笑)。

就職活動は始まったばっかりですよね?

はい。3月1日から説明会とかが始まりました。

どういう部分で行き詰まってるんですか?

就職活動で最も大事なのが、「自分はこういうことをしてきました」とか、「こういうことで社会に貢献してきました」って部分なんですけど、自分が何をやってきたかを考えれば考えるほど、どん詰まってしまって。

谷さんは何学部なんですか?

文学部の哲学科です。

どうして哲学科に入ったんですか?

大学のパンフレットに哲学科というのがあって、直感で選んだだけなんです。もともと、哲学に興味があったとかではないんです。もちろん面白いと思う部分もあったんですけど、国際系の学部でしたら、海外にボランティアに行ったり、留学したり、経済系だったら、インターンに行ったりとか、そういう活動が哲学科にはないので、そこで行き詰まってしまうんです(笑)。

他の学部の方は就職活動で、「ボランティアに行きました」、「留学しました」っていえるってことですか?

そうですね。うちの科は、ひたすら本を読んだりとか、外国語を翻訳して意味を議論したりとかを、繰り返して行くところなんです。自分はこういう意見を持ってますとか、こういうことを主張できますとか、そういった力は身に付くと思うんですけど、社会に直接役に立ったことがあるか? といわれると特にないなって。

じゃあ、哲学科の方は困ってらっしゃる?

就職相談室に行ったときに、その話をしたら「哲学科の方は、皆そういいますよ」って、なだめられました(笑)。

サークルとかアルバイトとかで、就職活動のときにアピール出来ることはないんですか?

そうですね…ダンスをやっていました。

お! 何ダンスですか?

ヒップホップとジャズ、そしてロックをやってました。

ロックのダンスというのもあるんですか?

ありますね。

それは知りませんでした。ロックのダンスって、どんな感じなのですか?

どちらかというとファンキーで、男性的な感じです。

フムー。わからないですね。

ああ、中居くんです。中居くんがよくやる、手をクイクイっと回すやつです。

なるほどー。では、ダンスを武器に就職活動をしていくんですね。希望職種はあるんですか?

一応、メーカーとスポーツと教育を考えています。

メーカーというのは食品とか電器とか自動車とか?

そうですね。

スポーツとは? 例えばJリーグとか?

サッカーは調べてないですけど、野球はすごく難しいといわれました。

それと教育ですか?

大学に就職して、生徒のサポートをしたりとか、生徒のためのカリキュラムを組んだりとか、そういうのも考えています。

もうエントリーシートは出してるんですか?

出してます。

何枚くらい出しているんですか?

まだ業界が動きだしてないので、今のところ2枚ぐらいです。

エントリーシートを出してからはどうなるのですか?

適正試験、筆記試験があるんです。その人の性格を判断するのもありますし、学力、計算、漢字を検査する試験もあって。その結果次第で面接に行けるか、行けないかが決まるんです。エントリーシートが通って喜んでいても、適正試験を乗り越えないと面接にこぎつけないんですよ。

以前、中川さんに、エントリーシートを見せてもらったんですけど、「英検〇〇級」とか記入する項目が既に印刷されていてビックリしました。英検持ってるのが当たり前ってことですよね。

はい、そういうのもありますね。

資格を持ってない人は空欄になるんですか?

そうですね。だから皆、就職活動の前に漢検とか英検を取るんです。

谷さんは何か持ってるんですか?

持ってないんです。

あら。取る予定もない?

何か書けたら安心はすると思うんですけど。それのために勉強するのもちょっと…なんて思ってたりします。

媚びていないんですね。パンクですね。リアルパンクス。

なんですか?

ロックミュージックのなかのパンクミュージックです。ロックダンスのなかのパンクダンスですよ。

すいません、それはよくわかりませんが、私はひねくれてるだけだと思います。

さて、浜松時代を振り返りましょう。浜松のどちら辺ですか?

浜松市中区です。

浜松駅って、めちゃくちゃ大きいですよね。

大きいと思いますか?

めちゃくちゃ大きいと思いますよ。デパートもあって「駅前!」って感じですよね。やっぱ静岡県って、「静岡市」対「浜松市」みたいな図式はあるんですか?

ちょっとあるかもしれないです(笑)。

浜松の人間は、静岡市の人間を見下してる部分がありますか?

どうでしょうか(笑)。でも、自己紹介で静岡県出身というと「静岡市?」と聞かれるので、私は「静岡県浜松市出身です」って絶対いっています(笑)。でも、栄えているのは駅周辺だけですね。私の家も車で駅から30分掛かります。小学生とか中学生のときは、行くところがないので、とりあえず駅に行って、デパートを適当にまわるくらいしかやることがありませんでした。映画観たり。

何の映画を観てたか覚えてます?

うーん、覚えていませんが、全国どこでもやってるようなメジャーなものしかやってませんでした。TOHOシネマズでしたから。

小学校のときは、なにをしてました? スポーツとかは?

あまり外に出るタイプではありませんでした。家で絵を描いたり、本を読んだり。あとは寝たりするのが好きでした。

のび太みたいですね。

あとは犬がいるので、一直線で家に帰ってましたね。

犬の名前を教えてください。

〈じろう〉です。

何犬ですか?

ミニチュアダックスです。

じろうっぽくないですね。

そうなんですけど、父が名前をつけるときに「和風な名前がいい」って。

反対しなかったんですか?

特に付けたい名前もなかったので。チョコとかそういう名前よりは良かったなって思っています(笑)。

確かにチョコはイヤですね。マロンとかショコラとかもね。じろうはまだ生きてますか?

生きてます。確か12歳です。

ペットショップで購入されたんですか?

浜松にある繁殖場で買いました。家族全員で行ったんですけど、とにかく汚くて、ひとつの檻に子犬が5、6匹入れられていたのを覚えています。繁殖場のオヤジさんも会ったことのないタイプでした。

どうしてそこでじろうをチョイスしたんですか?

最初、繁殖場のオヤジさんは、トイプードルとかを薦めてきたんですけど、ピンと来なくて。そしたら奥のゲージにじろうとじろうの兄弟がいるのが見えたんです。それでお父さんが「あれはどうですか?」と聞いたら、「あれはちょっと…」って、オヤジさんは渋ってたんですけど、結局気に入って買ったんです。ペットショップで買うより安いと思ったんですけど、じろうは皮膚アレルギーだったので、結局治療費でお金は掛かりました。こんな世界もあるんだな、と思いました。

なにごとも勉強になりますよね。じろうとは何をして遊んでたんですか?骨の形のチューイングガムをあげたり?

じろうは活発なタイプではないんです。ひたすらふたりでゴロゴロしてました。

そのとき、谷さんはまだダンスをしてなかったんですか?

始めていました。ダンス教室に通っていました。

どうしてダンスを始めようと思ったんですか?

理由は本当につまらないんですよ。

はい。

友達に誘われまして。

はい。

それだけです(笑)。「ダンス、楽しいよ!」っていわれたので、「じゃあやるわ!」って。ちょうど、EXILEのChoo ChooTRAINが流行ってたときですね。

そう考えると、EXILEって、もうベテランですね。

そうですね。

EXILEが出始めの頃だったんですか?

私が小学校を卒業するときにはAKIRAとTAKAHIROは入ってましたね。

AKIRAってサングラスの方ですか? ガテン系っぽい方?

いえ、それはATSUSHIですね。

TAKAHIROはクリッとしたイケメンですよね? エクボ?

はい。

きよ…きよ、何でしたっけ?

清木場俊介?

そうです! 前にいましたよね?

はい、EXILEでした。

J Soul Brothersもすごいんですよね? 代が変わるたびに、踊り方も変わるって聞きました。

すごいですね。はい(笑)。

EXILEって最初は何人組だったんですか?

最初はボーカルが2人とパフォーマーが4人でした。

それしかいなかったんですか! じゃあ、相当増えたんですね。

そうです。ボーカルのSHUNさんが辞めて、TAKAHIROとかが入って。

SHUNって清木場のことですか?

はい。でも、さらに何人か入ったあたりから、私もよく知らないです。中学くらいからは、追いかけなくなりました。

中学校は公立の学校に通ったんですか?

はい。

部活は?

ダンスをやっていたので校外活動部でした。

んん? 校外活動部という部活ですか?

はい(笑)。5人くらいしかいなかったんですけど、校外の活動をしている子が入る部なんです。

校外活動部に入らないと、校外活動が出来ないんですか?

そういうわけではないですが、他にやりたい部活もなかったので、そこにカタチだけ入って、外でダンスをしてました。

しつこくて申し訳ありませんが、校外活動部に入らないと、ダンス教室に行けないのですか?

そんなことはないと思うんですけど…

校外活動部に在籍していれば、校外での活動がやりやすくなるのかしら?

気分的に。

じゃあ授業後は、一回校外活動部の部室に集まるんですか?

いえ、集まりません(笑)。

校外活動部内での交流はなかったんですか?

なかったです。外部でやってることをやりたいだけやるという部なんです。顧問もいたのかわかりません。

よくわかりました。ダンス教室は小学校のときからずっと同じところに通ってたんですか?

はい。

どんどんダンスが楽しくなっていったんですか?

ひたすら楽しかったですね。

誘ってくれた女の子も、まだ一緒にやってたんですか?

その子は途中で辞めちゃいましたね。

大会とかコンテストに出たりもしたんですか?

あまり出なかったです。ダンスが好きで楽しくてやってるだけだったので。大会に出て1位を取りたいとかそういう気持ちはなかったですね。

やっぱスウェットみたいなのを着て、髪の毛の色を派手にしちゃったり?

私はなかったです。そういう感じの子もいましたけど(笑)。

真面目ですね! じゃあ中学時代の恋の話も聞かせてください。ありました?

ありましたね(笑)。

誰ですか?

日本人だったんですけど、外国から転校して来た子です。

どこから転校して来たんですか?

タイからです。隣の席になって、転校生という響きがよかったのかもしれないですけど、すごく気になって、授業中とかも観察してました。

何くんか覚えてます?

シュンくんです。

清木場と同じじゃないですか! SHUNは、周りの日本人男子とは違ってました?

とにかく優しかったですね。その頃って年頃だから、日本の男子は女の子をからかう感じが多かったんですけど、シュンくんはジェントルマンというか、優しかったですね。

SHUNとはいい感じになったんですか?

はい。一応付き合ったんですけど、中学生のうちに別れました。

あらなんでー。

「俺は美奈子を守る力がないから…ごめん」って急にいわれて(笑)。中学生なのにそんなこと考えてるの? っていう(笑)。

やっぱり清木場っぽいですね。「キヨキバ!」って強そうですものね。やっぱりショックでした?

当時は純粋だったのでショックでした。シュンくんのお母さんが、私のこともすごい可愛がってくれてたんですよ。だから別れたときも、家まで行って、シュンくん本人は部活でいなかったんですけど、お母さんにその話をして、ふたりで大泣きしました(笑)。お母さんに「ごめんね、ごめんね」ってすごいいわれて。泣きながらひとりで家に帰りましたね。

さすがSHUN清木場のお母さんですね。仁義っていうか。

すごくいい人でした(笑)。

さぁ、そして高校です。どちらの高校に?

地元の普通高校です。

高校でもダンスを続けていたんですか?

辞めました。もういいかな? と思って。

あらー。じゃあ他になにかしたんですか?

空手部に入りました。

おお! 格好いいじゃないですか!

でも、喘息が悪化してしまって。1年後にはマネージャーになりました。

もともと空手に興味はあったんですか?

困ったときに使えるかな? と思いまして(笑)。

困ったことがあったんですか?

なかったです。今のところ何もないです(笑)。

空手部のマネージャーって何をするんですか? 道着を洗ったりとか?

それはしないです。各自、家でやって来るので。

試合中にストップウォッチを見たりとか?

そうですね。あとはドリンクをつくったりとか。

お! どんなですか?

粉のポカリですね。

何個も何個もカップを用意するんですか?

いえ、タンクです。タンク。粉と水を入れて。

なくなったら足したり?「マネージャー! 今日のポカリ薄いぞ!」なんていわれたり?

そうですね(笑)。

空手部に好きな子はいなかったんですか?

いなかったですね。

空手部以外には?

私は、好きだったかどうか微妙だったんですけど、好きだっていってくれた男の子がいました。その子は小学校から高校まで、ずっと同じ学校の男の子だったんですけど、高校生になった途端「好きだ」っていわれるようになって。

ああ、あります。あります。急に気付くんですよ。

そうなんですか(笑)?

不思議なもので、急に来るんですよ。そんだけ谷さんもオンナになってたんですよ。ギャップが股間に来るんだよなぁ。

最初は普通に友達だと思ってたので、「はあ…?」と思って。

それで? それで?

これまでもすごくいい人だったので、とりあえず付き合うことになったんです。それで私の家に遊びに来て、ふたりでテレビとかを観て過ごしてたんですけど、私、眠くなっちゃって、ちょっと寝ちゃったんです。

まだ寝るのが好きだったんですね。

はい(笑)。そしたら、誰かに触られてるなあと思って…(笑)。

おおー(笑)。

その子が私を触っていたんです。(笑)。

おおー。

それからメールも全部無視して別れました。

横で寝てたら堪らないですよ。だって、じろうが寝てたら触るでしょ?

まあ(笑)。

それと同じですよ。

いや、違うと思います(笑)。

それからは一切無視?

そうですね。どうして起きてる間にしないんだろう? って。その気持ちがわからなくて。寝てる間にされたのが、私は本当に理解出来なかったんです。もう付き合っているのだから、起きてるときにするべきではないかと。

なるほど。確かにそこは清木場の方が男らしいですね。

はい(笑)。