深夜に結構いいマンションの前を通ったら、エントランス内で小型犬2匹が走り回っていました。ワンワン!キャンキャン!もなく、とても慣れた感じでした。完全にドッグラン。飼い主さんはいつ迎えにくるのでしょうか。

日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。

寺田鈴音子(てらだ りねこ)さん 22歳: 大学生

寺田さん、今日はよろしくお願いします。

お願いします。

ガンガン喋ってくださいね。

はい。

で、お隣の方はどなたですか?

彼です。

一緒に来ちゃいましたか。

はい、すいません。今、夏休み中なので来日してるんです。

彼はどちらの方ですか?

中国です。北京から来ました。

お名前は?

(彼)リー・タクゥ。

タクゥさんもよろしくお願いします。

(彼)よろしくお願いします。

日本語お上手ですね! お互いなんて呼び合っているんですか?

日本語だとタクちゃんでしょうか。

中国語だと?

〈傻瓜(シャグア)〉っていう言葉があって、中国語で〈バカ〉っていう意味なんですけど、そう呼んでます。

バカちゃんって呼んでるんですか!

中国だと普通なんです。彼女が彼氏を呼ぶときにバカって呼ぶんですよ。

ほほう。名前とかじゃなくて?

そういうのがあるんです。私も初めて聞いたときには驚きました。

寺田さんはタクちゃんに何て呼ばれてるんですか?

〈公主(ゴンジュ)〉と呼ばれています。

それも彼女の呼び方ですか? アホちゃんとか?

いえ、それは〈お姫様〉っていう意味です(笑)。

クーッ!! 宮本さん聞きました!? お姫様ですって!!

(カメラマン宮本さん)幸せですね。

今のところはこういうのもありかな、と思っています(笑)。

はい、ありですよ! で、寺田さんも現在夏休み中なんですよね?

はい。

大学はどちらですか?

高知なんです。高知県立大学っていう。

あれ? 駒沢と聞いていましたが。

駒沢は実家なんです。今は夏休みなんで帰省中なんです。

なるほどー。で、タクちゃんとはどこで出会ったんですか?

去年、北京に留学していまして、そのときに会いました。

北京の何ていう大学ですか?

北京聯合(連合)大学というところです。

タクちゃんの第一印象はどうでした?

前は髪型とかも全然違ったんです。あとメガネも今と全然違って。50歳くらいのおじさんがかけているような長方形みたいなメガネで。正直、全然格好良くないって感じで、別に何も感じませんでした。

タクちゃん、めちゃくちゃ顔小さいですよね。

はい(笑)。

タクちゃん、お顔が小さいですね。

(タクちゃん)あー(笑)。

イケメンですね。

(タクちゃん)いやー(笑)。

じゃあ、どうしてそんな四角メガネが好きになったのですか?

一緒に遊園地に行きまして…

お! ふたりっきりで?

いえ、友達も一緒に。フェイスペインティングをやることになって、メガネを外した顔を初めて見たんですね。「わ! 意外とイケメンだ!」って(笑)。

ああ、アンジェラ・アキ系ですね! で、寺田さんからいったんですか?

それは彼の方からです。

タクちゃんも寺田さんにメロメロだったんですか?

(タクちゃん)わかんない(笑)。

でも、可愛いって思っていたんでしょう?

(タクちゃん)日本人の友達と一緒に万里の長城へ行く日、寮の入口で友達を待ってるときに彼女を初めて見た。そのときに可愛いと思った。

万里の長城かー。

私が彼を知る前に見かけたことがあったみたいで。

じゃあ、寺田さんのことをチラチラ見てたんですね?

(タクちゃん)まあねー。

お付き合いをしてどれくらいですか?

去年の11月からなので、まだ1年も経ってないです。

「このメガネあんまり良くないよ」っていったのはいつですか?

とりあえず、付き合ってすぐにメガネを変えさせました(笑)。

じゃあこのメガネは寺田さんチョイスですか?

はい(笑)。

よかったですね、タクちゃん。でも寺田さんはなんで北京に留学したんですか? 海外留学が必修の大学なのですか?

いえ、必修ではありませんでしたが、留学はしたかったんです。最初はアメリカに行こうと思っていたんですが、お姉ちゃんが北京に留学するっていったので、私も一緒に行こうと。お姉ちゃんが大好きなので(笑)。

じゃあご姉妹で北京に?

はい。

タクちゃんと出会えたのもお姉ちゃんのおかげなんですね。

はい(笑)。

でも寺田さんも中国語がご堪能ですね。いや、すいません、よくわからないのですが、喋ってらっしゃるのは中国語であってますか? それとも北京語?

これは標準語です。北京は基本的に標準語です。

中国語の北京語が標準語ってことですか?

基本的に標準語というのは、北京語を中心につくられたものなんです。北京語は北京の方言なんです。江戸っ子の言葉と標準語がちょっと違うみたいな感じですかね。

なるほどー。日本にいるときから中国語を勉強してたんですか?

いえいえ、全然です。中国に行くつもりなんて全然なかったので。

すぐに喋れるようになるものなんですか?

学校の寮に住んでいたので、そこで身につきました。あとは英語だったら、基本的な問題は全部解決出来るので、特に問題はなかったです。

タクちゃんにも教えてもらえますもんね。北京ではどんなデートをしてたんですか?

故宮に行ったり。

ん? すいません、知りません。

故宮っていう、昔の中国の皇帝が住んでいたところです。

(タクちゃん)天安門広場の近く。

北京の若いカップルは、みんな故宮に行くのですか?

いえ、私が外国人だからですね(笑)。観光で行くところです。

デートのときのゴハンは? やっぱイタリアンですか? ピッツァですか?

ピッツァ…。いえ、中国人は本当に中華料理を食べるんですよ。外国の料理をあんまり食べないんです。北京は特にそうですね。

じゃあ毎日中華料理ですか? でも中華料理っていってもいろいろあるのかー。

そうなんです。日本人的には中華料理っていったら、あの中華料理じゃないですか。

はい。炒飯、麻婆豆腐、青椒肉絲…あ、最近知ったんですけど、エビチリって中国にないんですよね? 『ゆとりですがなにかSP』で学びました。

そうですね、エビチリは見かけていません。あと天津飯もないです。

え? そうなんですか?

天津に行ってもないんですよ。

へぇー、知りませんでした。じゃあ、デートのたびに中華料理ですか?

今日は上海料理を食べに行こうとか、杭州料理行こうとか、四川料理とかになるんです。

味付けが全然違うのかしら?

四川料理だったら、めっちゃ辛いし、南の方だと辛くなくなるというか。

(カメラマン:宮本さん)ハンバーグは?

ハンバーグ率は低いですね。普通にケンタッキーとかマクドナルドは人気ありますけど、日本にはイタリア料理とか溢れてるじゃないですか? ああいう感じではないです。

寺田さん的には大丈夫だったんですか? 「もう中華料理は嫌だ!」とか。

やっぱり慣れましたね。

でも油多いでしょう? 胃もたれとか、そういうのは?

そういうときはひたすらフルーツを食べます。フルーツ、めっちゃ安いんですよー。

ちなみに今回タクちゃんは、寺田さんのご実家に滞在しているんですか?

はい。

じゃあお父さん、お母さんにもタクちゃんを紹介したんですよね。どんな感じでしたか? 大丈夫でした?

私は、ずっと恋愛をしたことがなかったんです。彼氏もずっといませんでしたから、「男の子を連れて来るなんて!」って、すごく感動してました(笑)。

よかったですね! お父さん、お母さんはタクちゃんのことを何ていってましたか?

すごくいい子ねって。

ヤッター!! よかったですね、タクちゃん。

(タクちゃん)ハイ。

タクちゃんは、寺田さんのご両親に会って緊張しませんでしたか?

(タクちゃん)すごく緊張しました。

挨拶の言葉は決めていました?

(タクちゃん)ハイ。決めてました。でもお父さん、お母さんに会った瞬間に全部忘れちゃった(笑)。

可愛いー! 最高の夏ですね!!

はい(笑)。

寺田さんはずっと駒沢ですか?

はい。ただ、母が京都だったので、里帰り出産して、そのあとすぐに東京に戻ったようです。

やっぱ小学校の頃は駒沢公園で遊んでたんですか? ジャブジャブ池でジャブジャブしたり?

そうですね(笑)。

小学校は公立ですか?

はい。深沢小学校っていいます。

あの辺の小学生はどんな感じなのかしら?

今はわからないですけど、私たちの頃は中学受験のストレスを抱えている子が多くて。

どういうことですか?

3、4年生くらいから、みんな塾に行き始めるんですよ。それでストレスがたまってくるみたいでした。

やっぱり中学受験をする子は多いんですか?

そうですね。半分くらいは受験していると思います。

寺田さんは?

私も受験はしましたが、結局中学は公立に行きました。

塾にも行ってたんですか?

軽く行ってたんですけど、バレエを始めていたので、週5くらいでそっちの方に。

あら素敵! バレエは何歳くらいから始めたんですか?

4歳のときから。

すごいー、自分からバレエを習おうと決めたんですか?

はい。踊るのがずっと好きだったので。

今までこのコーナーに出てくれた方のなかにも、小さい頃から踊っていた方は結構いたんですけど、みなさん、ヒップホップダンスとかジャズダンスだとか、そっち方面の方が多かったです。でも寺田さんは、なんでバレエを選んだのですか?

保育園の先生に「リネちゃんはいつも踊ってて、バレリーナみたいだね」っていわれたんですね。「バレリーナとかバレエって何だろう? 」 と思って、母に訊いたら「じゃあ行ってみる?」ってなったんです。もしあのとき先生が「リネちゃん、ヒップホップのダンサーみたいだね」っていってたら、ヒップホップだったかもしれない(笑)。

バレエって、何でつま先で立てるんですか?

靴の先が固くなってるんですよ。

ああー、硬いんですか! 安全靴みたいな感じですか?

安全靴とはちょっと(笑)。でもつま先は固いんです。

じゃあ結構誰でも立てるのかしら?

いえいえ。それでも練習してない人だったら、めっちゃ痛いと思います。

バレエ教室って近くにあるものなんですか?

はい、駒沢にありました。そこに通って。でも、小学校何年生だったかなー、4、5年生の頃に目黒にある東京バレエ団付属のバレエ学校に移りました。

初めて聞きますけど、すごく由緒正しそうなところですね。

多分、東京のバレエ団の中では歴史が深い方だと思います。

バレエってどんな練習するんですか? 手すりにつかまって、足を上げたり下げたりするのは、よくテレビで見ますが。

あとは回ったり、飛んだり。何でもあります(笑)。

バレエって、どういう風に勝負が決まるんですか? フィギュアスケートだったら、ショートプログラムとフリーがありますよね? あんな感じですか?

コンクールだったら、採点とかあるんですけど、そもそもバレエはスポーツではないんですよ。

んん? 競技ではないんですか?

競技ではないです。総合芸術です。

じゃあ審査員みたいなのがいて、「10点! 10点! 10点!」みたいなのはないんですか?

審査員ではなくて、お客さんですね。お客さんが良いと思えば拍手をもらえます。コンクールがバレエのメインではないんです。イメージとしては、ピアノのコンサートとかの方が近いかもしれないです。

うわー、知りませんでした。じゃあ、世界ランキング1位とかもない?

バレエ団のなかでダンサーのランクがあるんです。プリンシバルとか、ソリストとか、そういうのがあります。それも点数とかで付けてるわけではなくて、周りの人からの評価ですね。

でも週5も通っていたらイヤになりません?

それはなかったですね。大好きでしたから。

タクちゃんの前で踊ったりは?

それはありません(笑)。

バレエ以外は何をしていたんですか?

何をしてたんだろう? …マンガを読んだり。

何を読んでたんでしょう?

ちびまる子ちゃん。

ちびまる子ちゃんは、テレビでもやってるでしょう?

あ、うちはテレビ禁止だったんですよ。

あら、厳しいですね! 

一応、テレビはあったんですけど…バレエの番組なら見ていいって。

そんなにバレエのテレビってないですよね(笑)。

とにかく父が厳しい人だったんです。今はかなり柔らかくなりましたが。