Who Are You?:寺嶋由芙さん(23歳)歌手_top

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例えば、新宿でイアン・マッケイに会ったとします。「ゲゲっ!!ヤベェ!!!!」と、私ならなりますが、イアン・マッケイを知らない人なら、ただのつるっパゲの外人さんですよね。今回はそんなお方です。知らなくてすいません!

日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。

 

寺嶋さん、ご職業は?…ご職業でいいのかなー。

はい。アイドルをやっています。他には何もやっていないです。

まだ学生さんなのですか?

いいえ、去年卒業しまして、アイドル一本です!

ちっちゃい頃からアイドルになりたかったのですか?

はい。歌とダンスは小さい頃から好きでした。小学生の頃にモーニング娘。さんが大ブレイクして「私もアイドルになりたい」って憧れるようになりました。

…それにしても、お顔、ちっちゃいですねぇ。

いやいやいやいや。何も入ってないんです。

やはりちっちゃい頃から「私って可愛い」って思っていましたか?

いやいやいやいや。そんなことはありません。高校生の頃とかクラスにすごく可愛い子がいるじゃないですか。そういう可愛い子を後ろの方から見ているのが好きで。私は地味な方でした。自分の中だけで「あのアイドル可愛いなぁ」とか、「クラスの○○さん、今日も可愛いなぁ」とかずっと思ってました。

女子校ですか?

いえ、共学でしたが、すごい可愛い子がいたんですよ、可愛いなぁ~って。ホントにホントに!

はい、信じてますよ。その子はどんな子だったのですか?

バドミントンやっていて、ポニーテールで、もう本当にツボなんですよ!まったく化粧っ気も無いのですが、まつ毛がクリンクリンしていて。もう~可愛いなぁー、キャーッッ!!って。

その子とは仲良くなったのですか?

いいえ。クラスメイトとしては普通に話しますけど、こんなに私が彼女のことを好きだってことは気付いてなかったと思います。片思いだったんです。

片思い…ですか。

ええ、そういう子が学年に何人もいました!気持ち悪いですか?

いやいやいやいや。昔からそうなんですか?

そうですね、可愛い子への憧れというか…。おー!可愛ウィー!!って、いつも思ってます。

どういったところが、寺嶋さんの可愛ウィー!!のツボなんですか?ポイントとかタイプとか。

あんまり作り込んでいない、ナチュラルな感じの方です。モーニング娘。の安倍なつみさんが大好きだったんですけど、素朴可愛いって感じですね。

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やはりモーニング娘。はデカかったのですか?

はい。小学生のときにはハロー!プロジェクトのキッズ・オーディションも受けましたから。

それに受かるとどうなるんですか?

モーニング娘。の研究生みたいなのになれるんです。

それには受かったんですか?

受かってたらここにいないですよ!

そういうものなのですか?

そういうものなのです。

そういうものなのですね。合格しなかったことは悲しかったですか?

はい。生まれて初めて受けたオーディションなのですが、受けられるって分かった時点で、なぜかモーニング娘。になれる!って思ってしまって。それでますますアイドルとか、自分がなれない可愛い人たちへの憧れみたいなものが大きくなったと思うんです。

その後もオーディションは受けていたんですか?

はい。高校生のときはAKBさんとか。オーディションはアイドルになる窓口でしたので。

アイドル以外のご興味は?部活とかやってたんですか?

はい。中学のときは演劇部に。

あ、やっぱアイドルに繋がってく系で?

いえ、なんとなくです。それに演劇部の子って、やっぱり華やかじゃないですか。それをまたジーッと眺めるのが楽しくて。

またですか(笑)。高校のときは?

アコースティック・ギター部です。

また隅を突いたような部活ですねぇ。軽音じゃなくて、ギターじゃなくて、アコースティックのみ?

はい。軽音もあったのですが、音がうるさいじゃないですか。私は歌が歌いたい。でもこれでは聞いてもらえない。アコースティック・ギターなら聞こえるゾと!

何を歌うんですか?

YUIさん、ゆずさん、とかです。

あ、そっち系ですか。でもオーディション受けてもダメで、それに大学受験もされたんですよね。「私、アイドルにはなれないのかなぁ~」なんて思いませんでしたか?

深くは考えなかったかもしれません。大学に行ったらアイドルになれないというイメージもありませんでしたし、普通に大学は行くものだと思っていましたので。

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大学生活はいかがでしたか?

自分の時間が増えました。そしたら大学の友だちがニコニコ動画とかに投稿していると知りまして。あ、自分で出来るんだって分かったんです。それにモーニング娘。のオーディションも17歳までだと気付いたのもその頃で。「え!私もう19じゃん!」って。だったら自分でやってみようという気になったんです。

具体的にはどんな行動を?

作曲家コミュニティーサイトに…

なんですか、それ?

作曲家の人たちがたくさんそこに載っているんです。それで歌ってくれる人を募っているんです。私は作曲出来ないので、そこの人に頼もうと。それで一番優しそうな方にお願いしたんです。

そこには作曲家の方のサンプル音源とかあるんですか?

いえ、ありません。

ではお顔の写真は?

それも無かったですね。

なんでその方に決めたんですか?怖くなかったですか?

なんとなく…勘ですか(笑)。実際その勘は当たりました!優しくていい方でした。でも初めての待ち合わせのときは、陰からそっと確認しましたけど。怖そうな人だったら帰ろうって。

スゴイ行動力ですねー。

それにその方が秋葉原のライヴハウスとか開催イベントとかも教えてくれたんです。でも初めてのライヴは花小金井だったんですけど。

…え?花小金井にライヴハウスあるんですか!?

あるんです、住宅地に(笑)。そろばん教室の地下にありまして、そろばん中は音が出せないという。

いいですねー!

カラオケの機材とステージがあって、そのときの出演者は四人くらいだったと思います。

花小金井にアイドル集合ですか。

いえ、おじさんもいました!アイドル・イベントではなくてカラオケ大会みたいな。

それを作曲家コミュニティーの方がブッキングしてくれたと。スパルタですね。

「物は試し、一度人前で歌ってみなさい」…って。

初めての人前は楽しかったですか?

はい、楽しかったです!でもコレでいいのかな?とも思いましたけど(笑)。

アイドル人生やっとスタートしましたね!

はい。他にもその花小金井で地下アイドルさんたちのイベントにも出たりして。それまでは地下アイドルとか自分でやるとか本当に知らなかったんです。アイドルはオーディションを受けてなるものだと思っていたので。

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花小金井でどうやってお客さんを増やしていったのですか?

さすがに花小金井では増えなかったです(笑)。でも秋葉原にも出してもらえるようになって来まして、そこには手作りアイドルが好きなオタさんがいたんです。そのオタさんたちが、私を好きじゃなくても、頑張っている女の子を応援してくれるんですね。歌はうまくもないし、人の曲だし、それなのに盛り上がって、楽しんでくれて。本当にアイドルオタさんたちの優しさを知りました。

どういう曲を歌っていたんですか?

アニソン…アニメソングですね。全然知らなかったんですが、すごく盛り上がるんです。オタクの方のかけ声…ミックスとかコールが打ち易いんです。それでしょこたんとか、有名な曲とか…そのアニメを見たことは無かったんですが(笑)。あと、秋葉原のイベントと並行して、新大久保のイベントにも出始めました。

これまたまたディープなところにあるもんですね。

新大久保のイベントは勝ち抜き戦だったんです。オタさんたちの投票でステージをクリアしていくんです。それで一番上のステージで三回連続して優勝すると「クイーン」の称号が与えられるんです。

クイーン!なんか色っぽいですね。

はい、「新大久保のクイーン」になれるんです(笑)。それで一番最初に出たときに盛り上げようと思ってアニソンを歌ったんですが、どの子もアニソンを歌うからインパクトが弱くて。私が歌う必要が無いって思いましたし、お客さんからも同じような空気を感じたんです。それで二回目は母親が聞いていたマイ・リトル・ラバーの「ハロー、アゲイン」を歌ったら、まんまとハマりまして。地下を支えるオタさんたちからも褒めてもらったんです。ちなみにそのオタさんたちは今もライヴとかに来てくれるんですよ!

では新大久保からトントンと!

うーん、でっもやっぱり新大久保からツブしていくのってなかなか難しいじゃないですか(笑)。日本は広いですから。それでまた同時にオーディションも受け始めたんです。ただ私はもう20歳になろうとしている時期で、ちゃんとした事務所に入ってバックアップしてもらうことも必要だと思っていたんです。それで事務所所属オーディションを受けましたら、その事務所のアイドル・グループに欠員が出たタイミングでして。「グループに入りませんか?」って誘われたんです。私はもうアイドル・グループには入れないと思っていたので、まさかココで夢が叶うとは!!と、ウキウキしながら入ったら、それがBiSだった…ということです(笑)。