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OKINAWA 2015 - EPISODE 1 少年兵の見た戦場

70年を経た現在も古堅さんは深刻な自問を繰り返している。なぜ、助けなかったか──。

違憲との指摘もある安全保障関連法案が衆議院本会議で可決された7月16日、その日もVICE取材班は沖縄にいた。きな臭さを増す社会の動きのなかで、まずは過去に行われた戦争の体験者に話を聞き、戦争の実相を知る。そこから始めたいと考えたからだ。1945年、沖縄では住民を巻き込んだ激しい地上戦が繰りひろげられ、約20万人、住民の4人に1人が犠牲になっている。そして生き残った人たちも70年という時間のなかで、暴力や差別、無関心による辛苦を味わいながら、その多くが亡くなってしまった。「来るのが遅すぎる」とうんざりされたり、「これまで誰にも話していないことだから」と静かに拒絶されたりもしたが、沖縄の人間や風土に魅了されながら取材を続けた。しかし、まだまだ聞けていないことがある。シリーズ『OKINAWA 2015』、失われていく記憶を記録するラストチャンスの始まり。

「EPISODE 1 少年兵の見た戦場」では古堅実吉さんにお話を伺った。古堅さんは1929年生まれ、沖縄本島北端の国頭村出身。1945年3月末、15歳で鉄血勤皇隊として防衛召集される。苛烈な戦場を体験。ある出来事に関し、70年を経た現在も古堅さんは深刻な自問を繰り返している。なぜ、助けなかったか──。