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Image from Bates’s drone-shot footage. Screengrab: YouTube

ブライアン・ベイツ(Brian Bates)は、数十年間、ビデオカメラを手にオクラホマシティーの通りを歩き回り、セックスワーカーと顧客を撮影し、その映像を自身のWEBサイト『JohnTV.com』にアップロードし続けている。

そんな彼が今、自警にドローンを利用している。

これに伴いベイツの肩書きは、まさに「ビデオ自警団」から「ドローン自警団」に変わった。メディアによると、彼とドローンの活躍により、アマンダ・ゾリコーファー(Amanda Zolicoffer)という27歳の女性が1年の懲役刑を下された。ベイツは、彼女がダグラス・ブランセット(Douglas Blansett)という75歳の男性と売春行為に及んでいる場面をドローンで撮影し、その映像を自身のウェブサイトに投稿した、とBBCは報道した。さらに、彼はその映像を地元警察にも提出した。自身のサイトには、ドローン撮影による動画を初めてアップロードした「歴史的瞬間」と記した。

ドローンを単なる低価格のDIY監視ツールでしかない、と攻撃する批判者にとって、ベイツは生きた悪夢だ。米国内のドローン・オーナーは、全米の空域を管制する連邦航空局(Federal Aviation Administration、以下FAA)に、自らのドローンを登録しなければならない。しかし、オクラホマ州と同様に、いくつかの州では、FAAのガイドラインよりはるかに厳しい州法の導入が検討されている。2015年に提出されたオクラホマ州の法案は、私有地上空を旋回するドローンを撃ち落とす権限を住民に与えようとしたのだ。

ベイツの行動が非難される理由はもうひとつある。それは、彼のウェブサイトに、自警の目的は売春斡旋業者と顧客を晒すこと、と記載されているにもかかわらず、ベイツの自警行為によって、ゾリコーファーのような女性に矛先が向いてしまうからだ。彼が投稿する多くの動画には、「100%の合意に基づく、個人的で組織化されていない売春行為」の非犯罪化を明確に支持する、という声明が掲げられている。

自警団がドローンを操り全米中のストリートを徘徊する。そんなのはディストピアでしかない気がしたので、ベイツに電話し、セックスワーカーを刑務所送りにするためにドローンを使用する倫理観について対話を試みた。

ドローンの使用でパトロールは容易になりましたか?

ドローン使用には、刑事と民事の全く異なる二つの責任が付いて回るから、そうとも限らない。ゾリコーファーの件は、特殊な状況下で調査を始めたんだ。私が立ち入りを許された私有地に、立入許可のない2人が車で乗り込んだんだ。土地の管理者は、そこで犯罪が発生しないようにしたがっていた。そこはだだっ広くて、歩行者もおらず、障害物は周りになかったから、ドローンを飛ばしても危なくなかった。それよりも重要なのは、私は、あの日、売春していた若い女性とは顔見知りだったことだ。

何はともあれ、彼女は私が通りにいるのを知っていたはずだ。あの日、どうやら彼女はポン引きを連れているようだったから、歩いて車に近づくより、ドローンを飛ばしたほうが安全だったんだ。

あなたは、ポン引きと客を「晒す」のが目的だ、と明言しています。ドローンで撮影した映像で、セックスワーカーのゾリコーファーが1年の懲役刑を言い渡されました。この件に関して、まったく後悔していませんか?

後悔はしていない。人には自らの行動に対する責任がある。彼女はルールを知っていた。彼女は私を知っていた。それに、彼女は逮捕されれば、懲役になるのを知っていた。不運だったんだ。私の地元で売春行為に及ぶ人々に、売春行為に及ばないですむ「何か」を提供できれば、と望んでいる。私は単なる市民だ。私には出来るのは、売春問題を世間に提示し、社会意識の変革に挑戦し、問題にかんする対話を促すくらいだ。その役割を私が撮影した映像が担っている。残念だが、映像を警察に提出しても、「客だけを起訴して、娼婦を起訴しないでくれ」と警察に要求はできない。

あなたの映像のせいで、収監されたり、出廷を余儀なくされた女性は他にいますか?

実質的に私が提出するすべての映像の中に起訴されて然るべき犯罪行為が映っていれば、逮捕令状が発行され、逮捕される。どれほどの期間、刑務所に収監されるかは、彼らがどれだけ迅速に保釈金を用意できるかにかかっている。とはいえ、売春行為で懲役刑を受けた者がいるのか? 私の映像だけを証拠に、懲役刑を課された容疑者はいない。彼らが刑を受けるのは、犯罪行為の組み合わせによる結果だ。おそらく、収監された犯罪者たちは、麻薬売買をしたり、執行猶予期間中に事件を起こしたりしたんだろう。

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ベイツが自警に使用したドローン、DJIファントムII(写真のドローンは彼の所有物に非ず) 
Image: Flickr/Walter

自発的に売春行為に携わっている可能性のある女性、不当に犯罪者として扱われている女性、冷血な裁判制度でより危機的な状況に陥る可能性のある女性にさえも試練を与えている、と非難もされますね。それにはどう応えますか?

多くの批判を耳にする。それらの批判は、例外なく、私が暮らすエリア外の住民から寄せられるんだ。彼らはここの娼婦たちのことを知らない。それに、彼らは、娼婦たちをLifetimeがつくるようなくだらない映画のストーリーに重ねて、彼女たちを感情的に正当化しようとする。しかし、私は、この自警を20年続けているんだ。売春する女性をたくさん知っている。路上の娼婦たちが自身の境遇について語った50以上のインタビューを、私はウェブサイトで公開してきた。これに関して全く批判を受けていない。

私の努力の多くは実を結んでいる。かつては、娼婦の顔、名前、その他いっさいの詳細な情報を公表していなかった。しかし、何度も娼婦の家族から連絡がきた。家族が音信不通になった娼婦の所在を突き止めようとするからだ。ときには法的機関が、家族が探している家出人だ、と気付くかもしれない。だから私は、娼婦たちの匿名性を維持する必要なし、と判断した。

ドローンの使用には、明らかにプライバシー保護に関する大きな懸念があります。人々のプライバシーを過剰に侵害している、とあなたを非難する世間に対してどう反論しますか?

まず、彼らは法の何たるかを理解する必要がある。私のドローン使用方法は、プライバシーを侵害していない。また、恐怖をデフォルメしているし、世間はドローンを大きく誤解している。もし公園にいて、ドローンがあなたの身元を特定できるほど接近すれば、ドローンの音で気付くだろう。しかし、誰かが遠く離れた家の中から望遠レンズであなたを狙ってズームしても絶対に気付かない。世間はときの流行に怯えるもので、今はドローンに対して怯えているんだ。

地元の治安維持に誰かがドローンを利用している、と聞いて嬉しいんですか?

大まかにいったら「ノー」だ。なぜなら、ドローンは新技術だから、世間はそれを使用した経験があまりない。私は娯楽として何百時間もドローンを飛ばしている。それに、私の自警行為を他人に薦める気はない。というのも、コトに及んでいる車に駆け寄り、ドアを開き、そこにカメラを向けるのは危険な行為だからだ。残念なことに人々は、ひどいマナーでドローンを飛ばし、ドローンの悪評を高めている。地域住民による監視が必要な場所もあるが、そこに適した監視方法を決める権限は、私にない。

何でもかんでも「違法」「不適切」と決めつける連中にとって、私のドローン使用法を理解するのは難しいだろう。

あなたは、自警のために、もっとドローンを活用する予定ですか?

私は、常にドローンを車に積んでいる。ゾリコーファーの映像を撮影して以来、1度しかドローンを飛ばしていない。その撮影で、ドローンの使用は安全でないと気付いたから、再び足で自警することにした 。

質問の答えは「Yes」なんですか?

もし条件が整えば、もちろん、再びドローンを利用する。先のことはわからないが「Yes」だ。