どこへ行っていたのですか?

プエルトリコに行ってた。家族の友人がそこに住んでいて、ボートの修理を手伝ってたんだ。その時期にBIRTHDAY PARTYやJOY DIVISIONに出会って「これはホントにスゲエ!」ってなった。ティーンエイジャーというのは視野が狭くなって白黒つけたがるからね。『London Calling』が出たときにTHE CLASHのレコードは全部割ってしまったよ。

プエルトリコから戻ってくると、パリスが「このバンドを観ろ」って言うんだ。AGNOSTIC FRONTだった。プエルトリコに行く前に観たのは覚えていたから「何言ってんだ?クソだろ!」って言ったら「いいから俺を信じろ」と。暑い夏の日のCBGBで観たら、驚いたことに良くなっていた!! 前回観たときから一年くらい経っていたと思うんだけど、ニューヨーク最悪のバンドから最高のバンドに生まれ変わっていた。だから俺はAGNOSTIC FRONTのおかげで戻ってきたのさ。

参加していたバンドSHOKについて教えてもらえますか?

SHOKはもともとARMED CITIZENSの前身バンドで、俺が通っていた高校で最初のギグをやった。ジョン・ベルーシが死んだ日だったから良く覚えているよ。そして俺はそのライブのスラムダンサー兼ステージタイバーに任命されていた。

でも83年か84年くらいまでバンドには正式加入していなかったんだ。当時はFLIPPERが好きで、SHOKはNYHCシーンのFLIPPERみたいな感じだったからファンだった。「Pasta Man」というレゲエの曲があって、ホントにバカげた曲なんだけど、ベースに凄いディストーションをかけていて迫力があった。パフォーミングアートをやったときもあったね。あまりにも演奏がヒドくてみんなから嫌われてたよ。ダンステリアではSCREAMの前座をやったんだけど、俺たちは本当に最低だったから、ずっとステージ脇で丸くなって演奏したんだ。観客は呆れて突っ立ったままだった。最終的にSHOKはノイズだらけのハードコアバンドになったんだけど、それを理解する人はいなかったね。ポール・ベアラーがバンドの一番のファンだったよ。その後俺はCRO-MAGSの影響をモロに受けてハードな感じにしたかったんだけど、結局駄目にしてしまった感じだね。

NYHCアートワーク王はかく語りき CRO-MAGS BAD BRAINS AGNOSTIC FRONT BEASTIE BOYS SHOK (4)

バンドのアートワークを手掛けるようになったのはどんないきさつだったのですか?

一番最初のアートワークはARMED CITIZENSのファースト7インチ「Make Sense」。あの場面が頭に浮かんだんだ。いつも描いているのはそんな感じのものだね。大混乱が起きている場面さ。パリスと親しかったから、CRO-MAGSがスタートしたときに「俺たちのフライヤーを描いてくれ」って頼まれたんだ。つまりCRO-MAGSからすべてのフライヤー作りが始まったのさ。でもパリスとCRO-MAGSに忠誠心のようなものがあったから、どんなバンドでも描いたわけではなかった。実際のところは、ロジャーがAGNOSTIC FRONTのセカンド『Cause for Alarm』のジャケットを依頼する前に、まずはパリスにクールかどうかを確認しろってことだったらしい。でもCRO-MAGSには始めるきっかけをくれた恩義を感じている。CRO-MAGSから始まって、AGNOSTIC FRONTやCRUMBSUCKERS、そして多くのバンドにつながっていったんだから。

ハードコアから結局離れることになったいきさつは?

あるときハードコアの暴力的な面だけを気に入った連中が出て来た。ハイスクールで挫折を感じていたら、ライブに来て誰かをめちゃくちゃに殴ればいいとか、家庭が崩壊しているキッズもたくさん来るようになった。ストレスを発散するだけのヤツらさ。それが嫌になったんだ。

俺の場合はどんなに酷くても生きがいは持っていた。もし音楽や激しいダンス以外に何の生きがいもなかったら、最悪な人間になってしまう。「隣のプエルトリコ野郎がムカつくんだよ。顔面にボトルを喰らわせてやる」そんな男にね。

最近の作品で「畜生、俺のパクリじゃねーか!」というようなアートワークはありますか?

若手の作品とか見てると「くそっ、俺にもお前らのような倫理観があればな」って思うことがある。振り返って自分のアートワークを見てみると、そんなに描いていたわけじゃない。ほとんどの時間酔っぱらっていたことを考えると駄作がないのには驚きさ。でも漫画家になる夢は追いかけなかった。自分にはその価値はないって思っていたけど、友達のバンドにはその価値があるって思っていたからね。当時のシーンには貢献したくなるだけの価値があった。それが俺にとってのハイヤーパワーだったのさ。

関連記事 

スクリーンショット 2015-02-19 14.09.40

  ロジャー・ミレットはかく語りき AGNOSTIC FRONT 大量失禁初期音源集発売

スクリーンショット 2015-03-09 23.48.06

  アレックス・ブラウン(GORILLA BISCIUTS)はかく語りき「オレのレゲエBEST10」

スクリーンショット 2015-03-10 12.23.44

  NYハードコア・シーン最大の伝説 ALTERCATIONを振り返る

スクリーンショット 2015-03-17 17.40.21

  NYHCの重鎮!「JUDGE物語」始まります!

スクリーンショット 2015-03-24 19.19.58

  THE CRUMBSUCKERSはかく語りき フレディ CBGB  クロスオーバー 再結成