SLS初の女性大会に参加した14歳のスケーター

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SLS初の女性大会に参加した14歳のスケーター

アリゾナ出身、ブロンド、歯科矯正の真っ最中。

アラナ・スミス(Alana Smith)は女性で初めて540マックツイストに成功し、Xゲームで最年少のメダリストとなった女性スケーター。2015年10月4日に開催されたストリートリーグ・スケートボーディング(Street League Skateboarding、以下SLS)初の女子大会での活躍は、ファンの記憶に新しい。

彼女はアリゾナ出身、ブロンド、歯科矯正の真っ最中。高校入学と同時にプロ・スケーターになったが、彼女は、12歳の頃からプロたちと技をきそっていた。2012年、Xゲームで女性初の540マックツイストを成功させ、2013年、バルセロナではXゲーム史上最年少のメダリストとなった。彼女は現在もギネス記録を保持している。

SLS初の女性大会は、スケート・シーンと女性スケーターにとってターニング・ポイントとなった。チャンピオンシップと約360万円の賞金をねらって、女性スケーターが男性スケーターと同じ舞台で技を競い合う。そんな機会が訪れることなど、女性スケーターたちは夢にも思っていなかったが、実現したのだ。14歳のスミスはこの変化を「信じられない」と驚きを隠さなかった。

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「SLSはスケートボード界最高のスケーターの座を決定するためのロードマップだ」SLS代表兼COOのブライアン・アトラス氏は、初の女性大会開催に向け、報道陣にこう述べた。「女子大会の新設は当然の成り行きであり、SLSがスケートボードを世界中に広める良い機会になるだろう。この女子大会に出場する女性スケーターは、トップクラスのスケーターであり、彼女たちが世界チャンピオンの称号を得る、またとないチャンスになるはずだ。スケートボード界に新たな歴史が生まれ、さらに発展していくことを願っている」

2010年、ロブ・ディアデックが創立したSLSの大会はスケート・シーンの最高峰となり、プロとアマチュアが同等にスーパークラウンを競い合う場となった。「大会に順序をつけるとしたら、SLSは第1位になる」スミスは電話でこう語った。「だから女性が出場できるようになってとても嬉しいし、これから女性スケーターの活躍の場が広がるはず」。SLSナイキSBスーパークラウン・ワールドチャンピオンシップは、ストリートスケートボードのスーパーボールのようなものだ。

スミスはアメリカ、そして世界中の有名なスケーターと争った。その中には、2012年、ブラジルでベスト女性スケーターに選ばれたレティシア・バフォーニ(Leticia Bufoni)もいた。大会で、とれだけ熾烈な争いが繰り広げられようとも、スミスは、スケートボードを楽しむ、と決めていた。「たしかに好戦的な人もいるだろうけれど、私たちは楽しみたくてここにいるんです。いつも勝ち負けにこだわってるワケじゃありません」

プロ・スケーターになる前、スミスは父親の趣味でダートバイクの大会に出場していた。あるときテレビでXゲームを観て、女性スケーターがバートで滑るイベントに魅了された。「それから、両親にスケートボードをやらせてほしいと何度も頼んだんです。ママがボードを買ってくれて、スケートパークに通い始めました。そこには女の子もたくさんいました。こんなに女の子のスケーターがいるなんて知らなかったから、すごく驚きました」

World of X Games 2014: Alana Smith from Emily Sowa on Vimeo.

スミスが通っていたスケートパークには、スケート好きな少女たちが集っていたが、女性がスケートボードをすることを快く思わない男性は今でもいる。「何をするにしても反対する人は絶対にいる。スケートパークに通っていたときも、女の子だからという理由でいじめられました。『スケートは女のスポーツじゃないからやめろ』って」。しかし、そんなスケート•シーンの男尊女卑も、いつまでも続かないだろう。 女性スケーターが活躍する機会は、SLSの女性大会が開かれたことで、今後、さらに広がるに違いない。大会に出場した女性スケーターの姿は、若い少女たちがスケートボードを始めるキッカケになるはずだ。

大会に向けて技を磨いていた彼女は、「今までしてきた努力を考えると途方もない気持ちになる。まだまだ先は長いけれど、努力は必ず報われると思えば続けられる」と真摯な気持ちを、笑いながらも語ってくれた。

初の女子大会でアラナ・スミスが残した結果は、参加者8人中、第3位。結果が彼女にとって、不本意であったか否かはさておき、彼女は、これまで以上の勢いで私たちを楽しませてくれそうだ。

「私に憧れている女の子が大勢いるから責任も感じてます。彼女たちのためにも、いつか必ず夢は叶う、不可能なんてない、ということを証明したいです」