ここ数年、クールでオシャレでイケてると騒がれまくりのオレゴン州ポートランド。人口60万人弱のこの街は、常に「アメリカの住みたい都市ランキング」の上位にランクインし、実際、毎週国内外から500人以上の人間が移り住んでいる。ブルックリンさえも憧れる街、それが現在のポートランド。武蔵小杉なんて、まったく比じゃない。20年ほど前、ポートランドに行った。でもそれはシアトルのついでだった。うん、ただのついで。そのときのことはほとんど覚えていない。覚えているのは、POISON IDEAのレア盤を飾っているレコード屋だけ。お隣りシアトルのレコ屋には、NIRVANAやMUDHONEY、SOUNDGARDEN、そしてSUB POP シングルズクラブなどのお宝盤が100ドル〜200ドルと並んでいた。とても華やかだった。でもポートランドのそれは、デブコアのPOISON IDEA。ちょっと可哀想。でも「NIRVANAなんて飾るもんか！」そんなポートランドの意地は、強く感じられた。ああ、その頃からポートランドは、リアルパンクな街だったのかもしれない。
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でも本当にポートランドはイケてる街なのか。どっかの山師が転がしてるんじゃないのか。髭モジャ＆タトゥーにして、田舎からデビューしたヤツしかいないのでは。なので、デブコアから20年後のポートランドに行ってみた。ポートランダーたちを眺めてみた。したらば、ムサコマダムなんか太刀打ちできない、カラフルな人たちが、わんさかいた。めちゃくちゃナチュラルで、めちゃくちゃ日々の時間が溢れている人たち。うん、この旅はたくさんお喋りしよう。喋りまくって、ポートランドの心を知るのが一番だ。
