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SOUL FOOD 神に満腹を許された復活大祭ギリシャ・ディナー

ギリシャ人は、伝統的な復活大祭特別ディナーを楽しむ。ラムの丸焼き、ツレキという甘いねじれパン、ギリシャ版ドーナッツのルクマデス、そしてクルーリ、マギリッツア、ムストクルーラ、マスティック…。40日間の節食期間のあとであるから、神はたらふく食べることを許された。

日本ではあまり馴染みのないものだが、イースター(復活祭)は、キリスト教において、クリスマスよりも最も重要な行事とされている。その名の通り、イエス・キリストの復活を祝う祭り。ここ日本でも見られるイースター・バニーやイースターエッグ・クッキー、そしてキャンディーやチョコレートを詰めたプラスチックの卵も、復活祭の風習から生まれたものである。ちなみにイースターとは、ローマ・カトリック教会、聖公会、プロテスタント、アナバプテストなどの行事であり、各地の正教会ではパスハ(復活大祭)という行事にあたる。

ギリシャでのパスハは、カトリック、プロテスタントのイースターより1週間ほど遅く、毎年4〜5月に行なわれる。パスハの前の40日間は、4旬節という節食期間があり、主に肉や乳製品などの動物性タンパク質を控えることになっている。しかし、節食期間の前には、アポクリエス(謝肉祭)という祭りもあり、これからの節食期間に備えて、肉を十分に食べ、お酒を飲み、仮装パレードをして…と、どんちゃん騒ぎの期間が3週間も設けられている。そして満を持して迎えたパスハは、他国の復活祭を圧倒するほど盛大に行われる。特にヒオス島にある聖マルコ教会と、パナギア・エリツィアーニ教会によるロケット花火65,000発の打ち合い合戦は有名。どちらの教会がより多く相手の鐘を鳴らしたかで勝敗が決まるという。ギリシャ国民にとってのパスハは、最大の宗教行事でありつつ、1年の区切りとなる重要なイベントなのだ。

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ロケット花火合戦

様々な人種が生活するニューヨークでもパスハは行われる。さすがにロケット合戦とまではいかないが、ニューヨークに住むギリシャ人は、伝統的なハスパ特別ディナーを楽しむ。ラムの丸焼き、ツレキという甘いねじれパン、ギリシャ版ドーナッツのルクマデス、そしてクルーリ、マギリッツア、ムストクルーラ、マスティック…。聞き慣れない食べ物が並ぶが、40日間の節食期間のあとだから、神はたらふく食べることを許された。

原題:SOUL FOOD – GREEK ORTHODOX(2014)