生理用品を買えない英国の学生たち


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生理用品を買えない英国の学生たち

貧困層の生理問題は、〈隠れた格差問題〉といわれている。この問題の影響を受けるのは、極めて貧しく、生理用品を購入できない女性、少女たちだ。これまでは、地方の先住民族や、刑務所内、そしてホームレスの女性たちの問題だった。しかし、現在はそれにとどまらず、英国の学生たちをも苦しめているという。

英国の工業都市リーズ。月経期にタンポンやナプキンを買えないため、授業をサボらざるを得ない学生たちがいるという事実を、2017年3月、慈善団体〈Freedom4Girls〉が発表した。

フェミニスト団体〈フォース・ウェーヴ(Fourth Wave)〉とともに活動する運動家、ハンナ(Hannah)は、その状況をよく知っている。彼女は10代の頃、学校で、生理用品の代わりにトイレットペーパーを使ってしのいでいた。急に生理になったときには、授業を抜けて帰宅することさえあった。また、生理用品を購入するために、食費や交通費を節約していたという。

その日の終了時間までにフォース・ウェーヴは、生理用ナプキン、タンポン、パンティライナーを計4500個、金額にして600ポンド(約8万5000円)集めた。寄付された生理用品は、生理中に授業に出られないという〈深刻な問題〉を抱える生徒たちが通う、地元の学校へと送られるそうだ。フォース・ウェーヴの運動家であるゾーイ(Zoe)が教えてくれた。

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寄付品を扱うゾーイ.

英国の慈善団体〈トラッセル・トラスト(Trussell Trust)〉のフードバンク・ネットワーク責任者、エイドリアン・カーティス(Adrian Curtis)は、貧困層の生理問題は全ての年代の女性に影響するという。「若い女性たちが、生理用品などの必需品を買えないという恥ずかしさや不名誉、それに端を発した健康問題などに耐えなければならないと考えると、心が痛みます」。彼は『Metro』紙にそう語っている。

希望が持てるニュースもある。たとえば生理用品メーカーのボディフォーム(Bodyform)は、向こう3年間、生理用品を必要とする女性に、生理用品の寄付を約束した。また、ドラッグストアチェーン店、ブーツ(Boots)も、店内に寄付コーナーを設置し、顧客が購入した生理用品を地元のフードバンクへ寄付できるシステムを試験的に始めた。

英国内の学校に無料で生理用品を支給するよう政府に求めるフォース・ウェーヴのキャンペーンは、約6万もの署名を集めた.

ハンナはフォース・ウェーヴのメンバーとして、政府に対するロビー活動を進めている。英国内の全ての学校に、生理用品が無料で支給されるようにするためだ。彼女の〈Change.org〉キャンペーンには、6万に迫る数の署名が集まっている(既に、スコットランドの政治家がこの支援を進めるために法案を提出しているが、法案が通ったとしてもスコットランド内の学校にしか適用されず、イングランドとウェールズは対象外だ)。彼女は、英国政府がこの問題に対して強い関心を示すことを願い、彼女自身が耐えてきた経験を他の少女たちにはもうさせたくない、と語る。