FYI.

This story is over 5 years old.

世界最大のファッション・アクティビズム〈Fashion Revolution〉

私たちの衣料品は、大半が石油由来だ。石炭を動力とする工場で大量の水を消費しながら、製品の8割は18〜24歳の女性低賃金労働者によって製造され、世界中に出荷される。つまり、現在のファッション業界は、世界でもっとも環境を汚染している業界のひとつだ。
Image via Fashion Revolution

スーパーでキャンバス地のエコバッグを使う。自転車通勤する。ヴィーガンになり、屋根にソーラーパネルを設置する。そのような取り組みをしたところで、私たちは環境破壊に加担している可能性がある。

私たちの衣料品は、大半が石油由来だ。石炭を動力とする工場で大量の水を消費しながら、製品の8割は18〜24歳の女性低賃金労働者によって製造され、世界中に出荷される。つまり、現在のファッション業界は、世界でもっとも環境を汚染している業界のひとつだ。2017年12月、非営利団体〈エレン・マッカーサー財団(Ellen MacArthur Foundation)〉は、浪費と使い捨てを基本とするファッション業界が年間12億トンの温室効果ガスを排出している、と発表した。この値は、国際航空と海運の排出総量を上回る量だ。ファストファッションが環境に及ぼす影響は計り知れないにもかかわらず、私たちのほとんどがその利益に貢献してしまっている。

Advertisement

エレン・マッカーサー財団は、報告書の最後に4つの行動要請を挙げた。環境負荷物質の放出とマイクロファイバー製造の段階的な廃止。業界全体が衣料品の短期レンタルビジネスを支援、振興するなど、衣料品の有効活用の推進。リサイクルの抜本的改善。再生可能な素材による商品製造への移行。これら指針の対象はファッション業界だが、業界を動かすのは私たちのお金だ。だからこそ、消費者である私たちが、変化の媒介でなければいけない。

〈Fashion Revolution〉の設立者、オルソラ・デ・カストロ(Orsola de Castro)は、消費者の行動の重要性を認知している。2013年4月24日、世界的な大手ブランドの衣料品工場5軒が入ったラナ・プラザというビルが崩落し、1138名が死亡。犠牲者の大半は若い女性だった。この事故を受けて、オルソラ・デ・カストロは、ファッション業界は変わらなければいけない、と確信した。彼女が始めた〈Fashion Revolution〉は、今や世界最大のファッション・アクティビズムになった。

未来のファッションはどうあるべきか? 「人、利益、創造性、環境を同等に重視する」べき、とオルソラ・デ・カストロは言明する。さらに、「それを実現するのは、私たちの連帯責任」だという。

ファストファッションの手頃さには、抗いがたい魅力がある。しかし、スローファッションに大金は必要ない。むしろ逆だ。〈アップサイクルの女王〉と呼ばれるオルソラ・デ・カストロが想定する、現代において必要不可欠な〈Fashion Revolution〉を実現するための、安くて簡単な方法とは何なのだろう。

§

お金をかけず、責任あるショッピングを始めるには、どうすればよいでしょう?

贈り物は、有意義で、修理ができる永久保証付きのもの、もしくは環境にやさしい方法で処分できる製品を選びましょう。大切な誰かに、自分の持ち物を贈ってもいいです。いらなくなった余り物ではなく、使わなくなったけれど、今も大切にしている持ち物が良いでしょう。購入する代わりに自作し、買う場合は中古品を選ぶよう心がけましょう。

服の手入れについて、アドバイスをお願いします。

女優のジョーン・クロフォード(Joan Crawford)は、「大切な友人のように服を思いやるべき」といいました。この言葉をいつも心に留めています。服の洗濯表示を読み、可能なら20℃の水で洗ってください。粉洗剤は、大さじ1杯で充分です。環境に優しいメーカーの製品を使うのが良いでしょう。スポンジで汚れを落としたり、蒸気で綺麗にすることもできます。このふたつは、水洗いできないニットやデリケートな衣類の手入れにも使えます。

リフォームすることもできます。方法がわからなければ、地元のお直しサービスを探してください。このような店は、最近、大通り沿いに増えています。お直しサービスを利用し、あとは想像力で補いましょう。この種の想像力がない場合は、想像力豊かな誰かを頼ってください。

〈買ったら長持ちさせる〉というモットーを実践し、セールでの散財を避けましょう。古い服で最新のスタイリングに挑戦するのも良いでしょう。

〈Fashion Revolution〉をサポートする方法を教えてください。

いちばん簡単な参加方法は、手持ちの服のタグの写真をSNSにアップロードし、〈#WHOMADEMYCLOTHES(私の服は誰がつくった?)〉というハッシュタグを付けて、ブランドに質問することです。質問がブランド側に届くように、必ずブランド名もタグ付けしてください。Instagramで写真をシェアし、活動を友人に広めましょう。

政策立案者に手紙を書くのも良いでしょう。政府は、衣料品のつくり手の生活に、直接働きかけることができます。最低賃金を決定し、労働条件を義務付け、人間と環境を守る法律をつくるのは議員です。官僚が有権者、つまりあなたの声に耳を傾けるのは当然ですから、あなたが重視する問題に全力で取り組むはずです。あなたの声が力になります。ぜひ活用してください。