はじめてのタトゥー 失敗談
メレインのジギー・スターダストのタトゥー. Photo courtesy of Merlijn.

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はじめてのタトゥー 失敗談

残念な刺青。

人生には2度目のチャンスがあるものだが、ファースト・タトゥーは例外だ。いったん入れたら取り返しがつかない。若気の至り、不安、酔った勢い、きっかけは何にしろ、タトゥーが生涯付いて回るとは理解していなかったに違いない。別の絵を上書きしたり、もっとマシなタトゥーを入れたとしても、最初のタトゥーは消えない。運が悪ければ、恥ずかしいマークと死ぬまで添い遂げることになる。

怖るべきファースト・タトゥーについて語る6人の口からは、酔っ払ったタトゥー・アーティスト、期限切れのインク、雑に描かれた生殖器などなど、残念な逸話が次々に飛び出した。

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メレイン (Merlijn)19歳

Photo courtesy of Merlijn.

VICE:こんにちは。乳首に何が起きたんですか?

メレイン:このファースト・タトゥーは、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)と、僕の昔のアダ名〈サンダー・ティッツ(Thunder Tits)〉がもとになっています。バンドをやっていた友達が、胸から稲妻を出す〈サンダー・ティッツ〉というスーパーヒーローの歌をつくったのですが、ステージで彼女を演じてほしい、と頼まれたんです。それから〈サンダー・ティッツ〉と呼ばれるようになりました。

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その数ヶ月後、胸にボウイの有名な稲妻マークを入れようと決めました。彼の目の位置にあるのは乳首ですけどね。とある同僚がビール12本、ウォッカ1本と引き換えに、借り物の道具で入れてくれたんです。

経緯を教えてください。

タトゥー・キットの持ち主の家で入れてもらったんですが、始めてすぐ、赤のインクが腐っているのに気付きました。持ち主が街の反対側で新品を買ってくるまで3時間も待たされたので、だんだん不安になって、持っていったウォッカを開けてしまいました。

入れ始めてから、初心者の私には大き過ぎるデザインだ、と気付きました。痛みに耐えられず、半分で中断しました。それから1年半経ちますが、完成は先延ばしにしています。

後悔していますか?

どうでしょう。あとで知ったんですが、その同僚は、他人にタトゥーを入れた経験が2度しかなく、しかも前日寝ていなかったようです。

この経験から学んだことは?

特にありません。そのあと、別の友達に、ふくらはぎに歯ブラシの絵を入れてもらいましたが、タトゥー・ショップで少し修正してもらいました。

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ミーガン(Megan) 24歳

Photo courtesy of Megan.

VICE:こんにちは。これはひどい!

ミーガン:そうなんです。怒った3歳児のイタズラみたいですよね。

何があったんですか?

私はラオスのバーで働いているんですが、あるとき、同僚と店のロゴを入れようと決めたんです。誰が最初に彫るか、クジ引きで決めることになり、私になったんです。ラオスでタトゥーは違法なので、薄暗いバーでこっそりやらなければいけませんでした。私はとても緊張していたので、タトゥー ・アーティストにウイスキーや、ショットを何杯も飲まされました。始める頃には完全に泥酔してしまい、そのアーティストもかなり酔っ払っているのに気付きませんでした。同僚たちは、私のタトゥーを見て、入れるのを嫌がったので、このダサいタトゥーがあるのは私だけです。

同僚に腹が立ちませんでした?

いいえ。私も同じ反応をしたでしょう。最初は後悔しましたが、今では、結構面白いと思っています。オランダに帰ったら修正してもらうかもしれませんが、ラオスの良い思い出ですね。

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マノン(Manon) 28歳

Photo courtesy of Manon.

VICE:こんにちには。ヘンク(Henk)というのは誰ですか?

マノン:元カレです。最悪のフォントですよね。

詳しく教えてください。

18歳のとき、友達数人と旅行しました。当時、彼氏と付き合って4ヶ月だったのですが、彼が側にいないと寂しくてしかたなかったので、毎日、彼に電話をかけ、ずっと泣いていました。今考えると情けないですが、18歳なんてそんなものです。ビーチの近くにタトゥー・パーラーがあり、そこにはファースト・タトゥーに挑戦しようとする18歳の若者が行列をつくっていました。彼こそが運命の人だ、と信じていた私も、列に加わりました。友達は、誰も私を止めようとしませんでした。

後悔していますか?

彼との素晴らしい関係は4年間も続き、別れは円満でした。タトゥーを見てもそれほど悲しくはなりませんが、少しだけ後悔しています。足に〈ヘンク〉と書かれている事実は、避けて通れませんから。でも、オランダでは、年に3日くらいしか晴れの日がないので、たいていは他人に見られずに済みます。

他にもタトゥーを入れたそうですね。

正直、後に入れたタトゥーの方が後悔しています。左手首の下手クソなピースサインです。隠しようがないので、〈ヘンク〉より先に消すかもしれません。

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他の模様を上書きすれば良いのでは?

それはしません。上書きしても後悔するに決まっていますから。

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ヨンナ(Jonna) 21歳

Photo courtesy of Jonna.

VICE:こんにちは。何があったんですか?

ヨンナ:イラストレーターになる勉強をしていた19歳のとき、オランダ北部のフローニンゲンにある劇場の壁に、友達と絵を描くことになりました。壁に下書きを投影し、私が壁の前に立っていたら、絵のいち部が背中に映りました。それを見た友達が、背中に映った家の絵をペンでなぞり、そのままタトゥーにしたらどうかと勧められたのです。

タトゥー・ショップの店員の反応は?

笑っていました。本気にしてもらえなくて、冗談ではない、と証明するために、料金を前払いしなければいけませんでした。イライラしてきて、アートは必ずしも美しくなくていいのだ、と口論になってしまいました。

後悔していますか?

いいえ、満足しています。タトゥーは別にきれいでなくてもいいでしょう? このタトゥーの写真を載せるインスタグラムも始めました。アーティストの友達や、パーティーで会った初対面の人に、絵を描き足してもらっています。

今日のヨナス・ハウスは? VICEの記事に載ったよ! このタトゥーも極悪(deadly vice)の仲間入り。

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ニコル(Nicole) 16歳

Photo courtesy of Nicole.

VICE:こんにちは。何が起きたんですか?

1年前、あるタトゥー・アーティストが、当選者に25ユーロ(約3400円)でタトゥーを入れてあげる、と懸賞を告知していました。友人が当選したので、そのアーティストに、私にも同じ値段で入れてもらえないのか、とお願いすると、快く引き受けてくれたんです。

彼は、普段、タトゥー・ショップで働いているそうですが、その日は、彼の自宅にお邪魔しました。IDの確認がありませんでしたから、私は、実年齢より上に見えたんでしょう。友達が先に入れてもらいました。うまくいったので、私も安心して任せられる、と思ったんです。でも、私の施術が半分終わったところで、彼は「おっと、失敗した」といいました。文字やマークを太くしてごまかそうとしていました。

出来栄えには満足しましたか?

帰宅したときは気になりませんでしたが、何個かミスを見つけました。特に、〈i〉が中途半端な位置にあるのが最悪です。いつか修正してもらうつもりです。

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マルティン (Martijn) 19歳

Photo courtesy of Martijn.

VICE:こんにちは。ふくらはぎには何が描かれているのですか?

マルティン:以前、ホームパーティーに、ある男がタトゥー・マシンを持ってきたんです。無料なら入れないテはないでしょう。一生好きでいられるモノにしたかったんで、外陰部を入れることにしました。

誰がデザインを決めたのですか?

会場に紙があったので、〈出来るだけ大きな陰唇〉とだけ書いて、参加者からデザインを募集しました。最終的に、僕と友達のリサ(Lisa)のデザインが残りました。姉妹にメールで相談したあと、リサのデザインに決めました。

後悔していますか?

していません。そもそも、タトゥーなんてバカバカしいんだから、笑えればそれでいいんです。僕が教えるまで、誰もこれが陰唇とは気付きません。もし、後悔するようになったら、虫か何かに変えるかもしれませんね。