では高校行きますか! 

はい、地元の高校に入学しました。

剣道は中学までだったんですよね? 高校ではなにかほかのことを?

高校時代は、生徒会を頑張っていました。

生徒会! 『はらはらなのか。』のお姉ちゃんも生徒会長ですよね。可愛いですよね、あの子。

吉田凜音ちゃんですね。私は副会長だったんですけど。

真面目だったんですか? 学校を仕切る!みたいな。

いえ、全然真面目じゃないです。一応、進学校だったんですけど、ちょっとやんちゃな子たちとつるんでました。

ちなみに生徒会は、何をやるんですか?

文化祭の準備がありました。とにかく文化祭を楽しくやりたくて。これまでは、田舎の学校なんで、どうしても固いやつになっちゃうんですよ。

文化の祭りとは?

いろんなものを展示して、静かに親が見にくるみたいな。

あー、書道とか、茶道とかー。

そういうのはやりたくなかったので、色々企画を考えたんです。例えば、〈クラス対抗パフォーマンス大会〉とか。

どんなんですか?

各クラス全員でパフォーマンスをするっていう。演劇とか、ミュージカルとか、歌とか、青春映画にありそうなことですね。〈ありがとうの鈴〉というのもありました。鈴を全員に5個渡して、テグスに付けて。好きな人とか、感謝している人にそれをあげるという。各学年男女で色を変えて。そしたら皆、違う色を欲しがるから、先輩か後輩か異性に絶対渡すじゃないですか。それで交流を深めるっていう。「○○先輩にあげなよ~!」みたいな(笑)。

甘酸っぱいことを考える生徒会ですね! 高校生活はキュンキュン充実していたと。

でも、なぜか寂しかったりもしましたけどね。何かありませんでした? 虚無感というか、その歳ならではの。

うーん、高校男子はバカだからなぁ。どんな虚無が襲ってきたのですか?

そうですね、本当はもっと芸術をやりたかったんですけど、普通高校だったし、さらに芸術大学に行きたいけど親からは反対されて。本当に好きなものに没頭できていなかったから、それが虚無感だったのかもしれませんね。

でも結局はそちら方面に進みました。お父さん、お母さんを説得したんですか?

はい。すごく説得しました。その後、大学の学科の見学に行ったときに、映画に惹かれたんです。最終的に高3の秋に映画監督になりたいと思い、映画学科の進学を決めました。

それまでも映画は好きだったんですか?

すごく観ていたわけではありません。それに偏っていて。今もそうなんですけど、ティム・バートン、ジブリ、スティーブン・スピルバーグなど、超メジャーなものばかりです。あとはやっぱりディズニーですね。『アラジン』とか『リトル・マーメイド』、最近だと『アナと雪の女王』も。ディズニー映画、ディズニーアニメーション、実写のディズニードラマも好きでしたね。

その辺の影響から魔法使いとかファンタジーがお好きになったのでしょうか?

それもあるんですけど、親の育て方もあると思います(笑)。

厳しいお母さんの?

厳しいんですけど、〈清く・正しく・美しく〉みたいな厳しさで、夢も見させてくれたんですよ。「妖精さんいるよ」みたいな。「絵本の世界とか、映画の世界は本当にあるんだよ」っていわれていました。

でも妖精さんの世界を教えてもらっても、映画の世界は反対されますよね? ご両親はなんて?

それまで、ずっと画家になりたいといってたんですが、それはすごく反対されていたんです。「画家なんて、なれる職業じゃないのよ」って。でも映画学科といったら、「マスコミ系とかに仕事があるんじゃないか?」と。それで親からOKが出て、進学することができました。

京都造形芸術大学を卒業されてからはどうしたんですか?

大学院に行きたかったんですが、落ちてしまったので、そのまま京都で就職しました。

どんな会社に就職したんですか?

映像制作会社です。暗黒時代です(笑)。忙しかったですね。大きい会社ではなく、社長と私を含めて3人しかいない会社だったんですけど、レギュラーのテレビ番組が2本、更にCMとかもつくらなきゃならない。私は何も知らないのに、1本番組を任されていました(笑)。でも土日もなかったですし、帰宅も朝の5時、6時になったり。空いている時間に、脚本とかを書いてはいたんですが、それでも時間は、まったく足りなかったですね。でも、そのときに転機が訪れました。大学4年のときに、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に行ったんですが、そのときに出会ったプロデューサーさんから、「企画を出してみませんか?」って連絡がきたんですよ。Facebookで。

Facebookって、本当に便利ですね。

〈MOOSIC LAB2015〉っていうプロジェクトへの企画だったんですけど、これは若い映像作家と、ミュージシャンによる、映画と音楽を掛け合わせた映画祭なんです。そのプロデューサーさんに、「私はこういう音楽が好きなんですけど、これに近い音楽性のミュージシャンの方はいませんか?」って質問したら、いくつかのグループのなかにVampilliaさんがいまして。それで一聴き惚れして、ライブを観に東京へ行ったんです。本当にボロボロで、夢も希望もない感じで社会人生活をやってたんですが、Vampilliaのライブを観たら号泣しちゃいまして。「魔界の住人たちがステージにいる!」みたいな。物凄くファンタジーを感じたんです。この人たちで映画を撮りたい、そのときの体感を表現したいと思ったんです。それで会社を辞め、東京に出てきてつくったのが『いいにおいのする映画』なんです。

Vampilliaが、監督本格始動のきっかけだったんですね。でもVampilliaのみなさんにも交渉しないといけないですよね? あんな怖そうな人達に。

ええ(笑)。『いいにおいのする映画』で、主役のレイちゃんが、急に「照明をやらせてください」って、ライブハウスでお願いして、「は?」みたいなシーンあるんですけど、あれと一緒でしたね。「映画を撮らせてください」っていったら、リーダー、モンゴロイドさん、ミッチーさん、吉田さんとか、みんなが「誰、この子?」みたいな(笑)。

そりゃそうでしょう(笑)。

でも一応、ある方を通して事前にアポは取っていたので、「ああ、そんな話聞いていた気がする」って。

それですぐOKになったんですか?

流れでOKになりました(笑)。

でも、お金もありませんよね。どうしたんですか?

貯金と、クラウドファンディングです。150万円くらい集まりました。Vampilliaさん、そして主演の金子理江ちゃんの人気に助けられました。もちろん、物凄くプロモーションはしましたけど。

映画が完成して、Vampilliaのみなさんは、なんていってましたか?

Vampilliaの世界は私にとっては、すごく大きなファンタジーの世界なんですが、メンバーのみなさんは、「お前は、Vampilliaの世界観をこういう風に見てたのか!」って(笑)。

そして、『いいにおいのする映画』は、〈MOOSIC LAB2015〉で、グランプリを受賞。さらに史上最多の6部門での受賞をされました。やっぱ、「うおー! やったー!!」ってなりました? 「伴明、どうだー!」って。

いえ、そういう感じはなかったです。もっと頑張らなきゃって。

そして、昨年の『はらはらなのか。』で、商業デビューですよね?どんな形で、商業デビューの話は来るんですか?

『いいにおいのする映画』でグランプリを獲ったあと、たまたま映画祭主催の方から、「原菜乃華ちゃんで映画企画どうですか?」って話が来たんです。原菜乃華ちゃんは、2015年に『まっ透明なAsoべんきょ~』という舞台の主演をやっていて、それをプロデューサーさんが観に行ってたんです。その話が、ジブリの『魔女の宅急便』みたいだったので、少女だし、ファンタジーだし、私に会うんじゃないか、ということで話がきました。正直「これはチャンスだ!」って思いましたね(笑)。

商業映画はいかがでしたか? これまでと勝手が違うでしょ。自分の思い通りにできましたか?

はい、できました。スタッフさんに恵まれていましたし、準備の期間も、稽古の時間もあったので。おそらく周りの方々が、商業デビュー作だからって気を遣ってくださったと思います。

で、この作品にも、Vampilliaは参加されています。楽曲提供、さらにミッチーさんは出演もされています。脅されているんですか?

いえいえ(笑)。

ミッチーさんは、『ウィッチ・フウィッチ』にも出演されていますね。

ミッチーさんの演技力は半端なくすごいんです。『はらはらなのか。』でも、今回の『ウィッチ・フウィッチ』でも、プロのスタッフさんだったり、俳優さんたちもいるなかで、「あの人は誰? どこの事務所の人? 何の人?」って、皆がザワつくんですよ。ミッチーさんがいることによって、現場も明るくなりますし、俳優としてのスター性も私は感じています。

じゃあ、今後もミッチーさんは出てくると?

出てほしいですね。

ずっとメイクしっぱなしじゃないですか? あれもずっと?

一応、少しずつ取ってはいるんですよ。『いいにおいのする映画』では白塗りに黒いやつ、『はらはらなのか。』では黒だけ、『ウィッチ・フウィッチ』ではちょっとだけ、幅を狭くしています。どこかのタイミングで取れるでしょう…まあ、最終形態でもアイラインくらいは引くかもしれないですけどね(笑)。

ちなみに現在は、監督業1本でやられているんですか?

はい。運良くここ最近はお仕事をいただいておりますので。でも、ちょっと前まではバイトをしていました。

何のバイトをやっていたんですか?

『はらはらなのか。』みたいな純喫茶で、深夜にバイトしていました。

今はバイトしなくてもよくなった?

ギリギリです(笑)。3月以降から暇になりそうだから、ちょっと頑張らなきゃ。

『ウィッチ・フウィッチ』後のご予定も決まっているんですか?

今は、企画段階なんですけど、いろいろ動いています。やっぱり、ファンタジー要素は入っていますね。

本当にファンタジーがお好きなんですね。

私は田舎で育ったので、夢を見たいと思ったとき、実写のファンタジー映画に救われてきたんです。ですから、子供たちに同じことをしたいと考えています。あと有名になる映画を撮らないと、田舎の子たちに届かないので、日本のファンタジーを幅広い方に観てもらえるように頑張っていきたいんです。

でも『ウィッチ・フウィッチ』は、ちょっとエッチだから、お子さんには…。

これは振り切りましたので、お子さんはダメです(笑)。というか、両親にも見せられないかもしれない。でも上映はたくさんやりたいですね!

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