ユンボで乗り込みライブハウスを破壊。ドラム缶を客席に放り込む。
ガソリンをライブハウスの床にぶちまけ火をつけようとして止められる。
後のインタビューで、これらの暴挙を「怒りに身を任せたトランス」だったとし、多くのライブハウスが出入り禁止、数々の伝説を残したノイズ・ハードコアバンド「ハナタラシ」のEYEを中心に1986年に結成されたオルタナティヴバンドがこの「ボアダムス(BOREDOMS)」だ。

初期の作品は「ハナタラシ」からの音楽性を引き継ぎ、ノイズ・ハードコアサウンドの毛色が強かったが、元々実験性の強かったEYEの創作は変化を続けていく。

1988年にソニックユースが来日公演で共演。ボアダムスの類稀なステージとその音楽性に衝撃を受け、オルタナティブロックの本場アメリカへの進出のきっかけとなる。88年89年とアルバムをリリース、国内のノイズ・ハードコアアングラシーンで支持を得る。かつてインタビューで「元にアクセスをし、乗り遅れずに便乗できる事」が最先端である秘訣と語っていたそうだ。折しも80年代は、70年代に爆発的に地下から溢れてきたパンクをさらに進化させ、スピードアップさせ、特化させたハードコアパンクが世界のアンダーグラウンドを席巻していた時代。EYEはやはり敏感だったのだと思う。

そして92年メジャーより3rdアルバムをリリース。アングラがオーバーグラウンドに台頭する時が来た。時代は少しづつ変わっていく。アメリカツアーで大成功を収めたボアダムスはアメリカでの存在感を増し、Sonic Youth(/NIRVANA/Beastie Boys/Aphex Twinとその音楽性で繋がる仲間を増やしていく。アーティスト本人がその時代にアメリカの先端のアーティストに認められ、対等に対峙するというのは非常に稀な事である。現代のように自宅のPCの前で手軽に世界中の情報を得ることが出来る訳ではなく、口コミから全てが繋がって行く時代に、海外までその噂が届くのが容易な事では無かったはずだ。

それだけ海外の最先端のアーティストからそのファンまでをも惹きつける異彩を放っていた事が伺える。当然のごとく海外からのリリースも多く93年にはWarnerからもリリースを遂げている。

その後も彼らは精力的に活動を続け、日本でも海外でもその支持を確固たるものにした。そんな最中世界では、新しい潮流が生み出され続けていた。パンクハードコア、ノイズミュージックからグランジ、アヴァンギャルドの台頭。エレクトリックな機材を多用したクラブミュージックの隆盛である。

ここでもEYEは独自の進化を遂げる。
オープンリールや電子楽器などを感性的に駆使する、サンプラーやターンテーブルを駆使するようになり、DJという未知の世界にも「たまたまおもしろくなる瞬間をたぐり寄せる」精神でバンドとの垣根を越え昇華。
突出した個性を持つメンバーを抱え、メンバーの入れ替わり、バンド名表記も自由自在だ。「ボアダムス」と、「山塚アイ」「ヤマンタカEYE」「ヤマタカEYE」「eYe」「EYƎ」「DJ 光光光」と多様な名義で繰り広げられる「EYE」のソロ活動。その間を行き来し、名義や言葉には意味を抱かせない、「音楽」「音響」「音」の先にある、あくまで「内面」をアウトプットしようとする作業。それがボアダムスでありEYEなのではないか。その「音」のパフォーマンスに触れたとき、人は何かを感じざるを得ないのは、EYEの内包している巨大な何かの一端に触れ、恐怖とも恍惚感ともとれる感覚になる部分が大きいのだろう。

「楽器もできなければ楽譜も読めない。コード感とかリズム感がない。」と言い放つEYEがボアダムスで推し進めている最先端の実験。その一つが形になったのが、2007年7月7日に77台のドラムを従えNYで行われた『The Boredoms -77BOADRUM』ではないだろうか?

自分は残念ながら後追いで映像でしか見れていないが、この映像を友人と見た時の激しい興奮と、何かえぐられるような感覚は今でもはっきりと覚えている。体感できなかった事の口惜しさと、こんなに面白い事に気付かなかった自責の念。様々な感情が入り乱れた。ボアダムスが中心となり螺旋状に世界で活躍する77人のドラマーが並ぶ。規則的に不規則に。そして徐々に音の塊を作り上げていく。こんな事をやってのけた人間は今までに見たことが無い。

77に続く『88 Boadrum@NYC』。
NYCの夜景を望むEast River State Parkで2008年8月8日に行われた。光と音の洪水。まさに阿鼻叫喚、恍惚の世界。ここまで行くとその勢いは他の追随を許さない。

そして更に進化した『The Boredoms -77BOADRUM』が、2011年11月11日にはオーストラリアのバイロンベイにて決行された。空気を伝って響く打楽器の洪水に、エレクトロニクスの音の融合。ギターさえも打楽器として扱い、声も楽器の一部と化す。様々な紆余曲折を経て、リズム/打楽器にたどり着く。そこに原点回帰の意があったのだろうか?

そして今回、2014年9月20日(土)に幕張海浜公園にて開催される『StarFes.’14』で我々は、この会場に向けて構成されたボアダムスを体感出来る。今回のセットは20名のシンバル、8名のギター/ベース、6名のドラマーで直接浜辺に円輪配列するサーキュレーション・システム。出演時間はなんと、午前10時半前後。朝日が昇る時間帯に、太陽を目指すボアダムスを母なる海のたもとで体感出来るのだ。

新たに「音の集合体」という武器を手に入れたボアダムス。語弊を恐れず言うならば、空間と時間と精神をつかみ取り、紡ぎ合わせ、我々に提示してくれる指揮者なのかもしれない。我々の多くは始めは何のことか気付かない。気付けない。気付いた時には次の場所に行っている。足して加えて、削ってそぎ落とす。そして魔法のスパイスをふりかけ、それをまた落とす。
そうして進化していったものがボアダムス、「BOADRUM」というモノなのではないか。人間的魅力に溢れる。その人間を表現するボアダムスという宇宙を実際に体験する必要が我々にはあるだろう。

1 太陽に向かってライブする。「BOREDOMS」の結成からのいまを振り返る

2 太陽に向かってライブする。「BOREDOMS」の結成からのいまを振り返る

『StarFes.’14』で予定しているセット図

朝日の暖かさに感謝しながら音の渦に抱かれ、海と太陽と自分を感じる事の出来る絶好の機会がすぐ目前に迫っている。楽しみで仕方ない。
※余談ですがYOUTUBEで「ナイナイ史上最悪最強のバンド計画 ゲスト山塚アイ(ボアダムス)」という動画がある。これを見るともっとボアダムスが好きになるだろう。チェックしてみてください。

★ボアダムスのタイムテーブルステージマップをチェック!
【関連記事】PUBLIC ENEMY、NAS、ERYKAH BADUがヒップホップの歴史にもたらしたものとは?

StarFes.’14

2014年9月20日(土)@幕張海浜公園 StarFes.’14 特設会場(千葉県千葉市)
OPEN 9:30/START 10:30/CLOSE 20:00(予定)

LINE UP
DADDY G(MASSIVE ATTACK)
DJ NATURE
ERYKAH BADU
LINDSTRØM
MARK FARINA
NAS “illmatic 20th anniversary special set”
PUBLIC ENEMY
BOREDOMS
DJ KRUSH
TAKKYU ISHINO
the band apart
VAN CLIFFE
ZAZEN BOYS
フリースタイルバスケットボーラー ZiNEZ(Jinji Takeguchi)/フリースタイルフットボーラー YOKOTA YOSUKE/パルクール ZEN(島田善)/タブルダッチ J-TRAP./ヒューマンビートボックス TATSUYA from 人ISM/松嶋啓介プロデュース『エコール・ド・ニースいわき』
※国内外 A to Z 順

TICKET
一般前売 2次 ¥10,000 各プレイガイド 及び 店頭にて発売中!
イープラス限定 VICE Tシャツ付き ¥13,000 イープラスにて絶賛販売中
当日券 ¥12,000 ※上記チケットが規定枚数に達しましたら、当日券の販売はございません。

イープラスローソンチケットチケットぴあ
クラベリアiFLYER E-TICKET(日本語/English)
TOWER RECORDS 渋谷/HMV record shop 渋谷/SHIBUYA TSUTAYA/岩盤/ディスクユニオン 渋谷クラブミュージックショップ/ディスクユニオン 新宿本館 6F インディ/オルタナティヴロックフロア/ディスクユニオン 新宿クラブミュージックショップ/ディスクユニオン 下北沢店/JET SET 下北沢店

注意事項
※当イベントは、20歳未満の方のご入場は一切お断りさせていただいております。チケットご購入の際は十分にご注意ください。
※当日、入場の際に全ての方にIDチェックをさせていただきますので、運転免許証・パスポート・住民基本台帳カード(写真付きのみ)・外国人登録証のいずれか(コピー不可)をご持参ください。
※出演アーティストの変更等による払い戻しは行いません。
※雨天決行・荒天中止
※会場に駐車場はありません。

主催 : TBS / Vice Media Japan 株式会社
後援:WOWOW / FOX / MTV / 千葉市

StarFes.'14

StarFes.‘14 AFTER PARTY

2014年9月20日(土)@代官山UNIT
OPEN/START 23:00

LINE UP
[UNIT]
Erykah Badu aka DJ Lo Down Loretta Brown
MARK FARINA –MUSHROOM JAZZ SET-
DJ MILO -Exclusive Wild Bunch Classic Set-

[SALOON]
DANIEL WANG/KENJI TAKIMI/peechboy
and more…

TICKET
当日 ¥5,000/StarFes.’14特別価格 ¥2,000
※『StarFes.’14』会場内にてアフターパーティの入場チケットを特別価格(¥2,000)で販売致します。規定枚数に達しましたら、当日券(¥5,000)の販売はございません。予めご了承ください。

注意事項
※20歳未満の方のご入場は一切お断りさせていただいております。ご入場の際に全ての方にIDチェックをさせていただきますので、運転免許証・パスポート・住民基本台帳カード(写真付きのみ)・外国人登録証のいずれか(コピー不可)をご持参ください。

★チケット情報はコチラから
★StarFes.’14オフィシャルサイト
★VICE Japan「StarFes.’14」ページをチェック!

Text by 竹内AxSxA(HMV Record shop/Essential/MANGA SHOCK/Utopia3,2,1)