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ハウスから進化した南アフリカ電子音楽事情 ③ 最終回

独自の世界を生み出している南アフリカ・エレクトロニックミュージック・シーン。各都市、各ジャンルを代表するアーティスト、プロデューサー、DJを訪れ、南アフリカのシーンを三回に渡りレポートする。最終回は、アッテリッジヴィル。ここには、南アフリカ・エレクトロニック・ミュージック・シーンを代表する二人の男がいる。

1980年代末、アパルトヘイト時代の南アフリカ共和国。都市部のゲットーでは、欧米からの影響で、ハウス・ミュージックがポピュラーな存在として定着していた。そこから発展して生まれたのが、「KWAITO(クワイト)」。テンポを落とし、ズールー語やスラングのチャント、そしてパーカッションからピアノなどを取り入れたアフロ・ハウスで、これを機に南アフリカのクラブ〜エレクトロニックミュージックは、独自の世界を生み出して行く。欧米のそれとは明らかに異なり、進化し続ける南アフリカ電子音楽シーン。各都市、各ジャンルを代表するアーティスト、プロデューサー、DJを訪れ、南アフリカ産エレクトロニックミュージックの今を三回に渡りレポートする。

最終回。南アフリカの政治的中心都市、プレトリア近郊のタウンシップ(黒人居住区)アッテリッジヴィルへ。ここには、南アフリカ・エレクトロニック・ミュージック・シーンを代表する二人の男がいる。

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まずは、DJスポコ(DJ Spoko)。12歳でプロデュースを開始し、その後は、伝統的な民族音楽とミニマル・テクノをミックス&高速化させた「シャンガーン・エレクトロ」の創始者であるノジンジャ(Nozinja)の元で修行した。そしてスポコ自身も、ガラージュをベースにし、酒場でかかるような楽しいハウス・ミュージック、「バカルディ」を生み出す。デビュー作は、「Ghost Town EP」。

そして、もう一人。DJムジャヴァ(DJ Mujava)。2008年に、スポコも参加し、名門WARP Recordsからリリースされた「Township Funk」は、ドラムとひとつのシンセ音だけで構成されるシンプルなトラックながら、世界中のフロアで大ヒット。その後ムジャヴァは、苦悩の日々を過ごしているが、彼の完全復帰を望む声は多い。

「確かに世界では注目されたけど、ここ南アフリカでは受け入れられていない。アフリカの他の国でも関心をもたれないんだ」

南アフリカ・エレクトロニック・ミュージックの現状を二人が語る。

原題:Spoek Mathambo Presents ‘Future Sound Of Mzansi’ – Part 3(2015)