エリック・サティは、パリで話題のセレブクラブに初めて入店する際に自らの職業を「ジムノペディスト」と謳った。その当時、サティは音楽家としては駆け出し。入店のために精一杯のギャグを考えたのであろう。そんなギャグに対しクラブの支配人が興味を示し、サティの入店を許可したらしい。更にその後、彼はクラブのピアニストの座に収まっている。
職業「ジムノペディスト」とは、日本語でいえば、裸踊りお祭り野郎、といったところ。ジムノペディア、という古代ギリシャの祝祭に端を発するサティの造語であろう。もしかしたら入場の際、ストリッパー、と思いついたものの、それではあまりにも芸がないので、昨晩ページを捲ったギリシャ史書の中で目にした、ジムノペディアから職業を創り出したのかも知れない。

今回の『MOST VALID REASON』では、エリック・サティの精神的DNAを受け継ぐ怪人チリー・ゴンザレスの撮影を実現した。プラン当初は何が起ころうともゴンザレス相手では仕方がない、と期待と諦めで胸を膨らませていたスタッフ一同だが、撮影希望曲が届いて絶句。サティに、ジムノペディスト、とカマされる以上の衝撃が走った。スピーカーから聞こえてきたのは、シューマンだか、チャイコフスキーだか、フォーレだか、リチャード・クレイダーマンだか、といった具合のピアノ五重奏。最高のゴンザレス流ジョークだ。

撮影は曲調とゴンザレスの意向を尊重し、19世紀のサロンを彷彿させるシチュエーションで決行。特筆すべきハプニングはないものの、カメラの可能性はアイディアが惹き出すもの、とあらためて確認できる仕上がり。皆様、ぜひ本編をお楽しみください。

本編には収まりきらないゴンザレスの魅力を堪能出来るBEHIND THE SCENEもお見逃しなく。ミュージシャンとしてのポテンシャルの高さもさることながら、エンターテイナーとしても一流の彼ならではの受け応は必見。すべてがギャグであり本気。お断りしておきますが、彼の一挙手一投足、発言を真摯なギャグと捉えるのが正解ではありません。あくまでも、VICEスタッフがそう勘違いしているだけですので、皆様、思い思いにアーティスト、チリー・ゴンザレスをご堪能ください。

 

Chilly Gonzales
3月17日 日本先行発売 – Chilly Gonzales 『Chambers』

 

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MOST VALID REASON vol. 6 – Behind the Scene

 

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RANDOM ACCESS MEMORIES: THE COLLABORATORS – Chilly Gonzales