哀しみに暮れるパリ①
哀しみに暮れるパリ②
シャルリー・エブド襲撃事件 生存者の証言

 

シャルリー・エブド襲撃事件直後のパリをレポートしたシリーズ『哀しみに暮れるパリ』第三弾では「落ち込んでいるだけではいけない、こころの中に明るい未来を描こう」とでもいった、パリ市民のエスプリが炸裂。凄惨な事件直後にも関わらず、哀しみを糧にパリ在住の世界市民たちが一歩踏み出そうとする姿には、頭が下がる思いです。

デカルトが「われおもうゆえにわれあり」と確信した刹那から、フランスは地球上の抽象的精神世界を先導し続けています。今となっては、デカルトの真意も定かでなく、哲学かぶれが試みる安直な文学的自己証明の枕詞に堕してしまったその確信ですが、開祖デカルト率いるフランス世界市民の皆様、未だに精神的な先進性は間違いなく世界一。情緒をまことしやかに理論化する術にかけてはだれもかないません。決して皮肉ではありませんので誤解なきよう願います。

レポート中でも、敵対すべきキャラクター同士が悲劇を繰返さないために手を携えていたり、世間から過激な発言を期待されているはずの精神的アウトローがまっとうなコメントをしてみたり、といった具合です。新たな価値観は、斯様に生まれるのでしょう。フランス、という土地は開明的な磁気でも放射しているのかもしれません。約二世紀ほど前には、動物磁気、なんて摩訶不思議な現象を利用した、磁気治療なる医術まで流行したようですから。

とにもかくにも、『哀しみに暮れるパリ』第三弾、編集の妙もありますが、哀しみの夕暮れから希望の日の出を目指す世界市民の前向きな姿を撮らえています。「表現の自由」が孕む問題はどこへ、なんて不粋なツッコミは、悲劇の直後なのでやめておきましょう。