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ダーイッシュ(自称イスラム国) 野望の行方③

先日の邦人誘拐事件により、日本人の耳目を掻きむしった「イスラム国」なる過激派集団に密着した貴重な映像を公開。今後の世界を占うためにも、今一度、ご視聴ください。

先日、邦人誘拐事件でわが国にとっても他人事でなくなったダーイッシュ騒動。連中を、野蛮だ、中世に逆戻りしたような…、と形容する一部有識者の方々もいますが、果たしてそんな言葉で片付けてしまって良いのでしょうか。

有志連合によるダーイッシュ攻撃を受け止める国際世論も、野蛮視の後押しで、肯定へ傾くでしょう。そうなると、有志連合は、中世に逆戻りした野蛮な武装過激派集団に天誅を加える、十字軍です。非難して見下していたつもりが、いつの間にやら、土俵を同じくしてしまうのです。

先日の痛ましい事件にもかかわらず、われわれ日本人にとって、現在の中東情勢は対岸の火事です。異論もあるでしょうが、ここ最近の各メディアの報道を眺めますと、そう思わずにはいられません。集団的自衛権云々、といった悶着がありつつも、自衛隊が前線に投入されることはまずないでしょうから、同じ土俵に足を踏み入れずに、大上段からダーイッシュを野蛮視できます。

しかし、当事者である中東諸国や有志連合の皆様は、十字軍と化すことも辞さずに前線でダーイッシュと銃火を交えています。そんな現実を、ここ日本でぬくぬくと傍観していると、ダーイッシュも十字軍も等しく野蛮なのでは、という胸騒ぎに不安を煽られます。いくら科学技術が発達しようが、思想が洗練されようが、根源的な部分で人類は進歩していないのでは、いや、むしろ、進歩など幻想ではないのでしょうか。

だからといって、人類は野蛮である、と結論付けたいのではありません。むしろ、文化の強制力が野蛮さに蓋をしている、という事実を徹底的に再認識するべきチャンスを私たちは迎えている気がしてなりません。およそ100年前、第一次世界大戦を目の当たりにしたフロイトが鳴らした警鐘は、未だ、鳴り続けています。先日、川崎で起きた事件とダーイッシュの蛮行に、何ら変わるところはありません。むしろ、思想や信仰、といった後ろ盾のない川崎の惨劇こそ、人間の野蛮さを象徴しているのではないでしょうか。

人間の暗部から目をそらさず、真摯に向き合うことで、新しい世界秩序を形成できるはずです。それこそ、平和ボケ、と罵られ続けて久しいわれわれ日本人が、武器を携えず平和に貢献するための武器になるはずです。

『ダーイッシュ 野望の行方③』、人類の行く末を案じる皆様のお役に立てれば、との思いから再公開させていただきます。