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元米軍ドローンパイロットの忘れえぬ苦悩

ブランドン・ブライアンは、戦闘用ドローンMQ-1プレデターの元操縦士。空軍在籍中の5年間で、1626回もの攻撃をし、その影響による精神的疾患から自殺未遂も起こしている。 「誰かの命を奪う任務に就くなんて想像してなかった」

1995年に運用が開始されたジェネラル・アトミックス社製ドローン、RQ-1プレデターは、2001年9月11日の同時多発テロ後、首謀者であるウサマ・ビン・ラーディンの捜索任務にあたっていた。当時RQ-1プレデターに搭載されていた装備は、偵察用のカメラのみであった。しかし、改良により兵器の搭載が可能になったRQ-1は、MQ-1に名称を変更する。RQ-1のRは「偵察(Reconnaissance)」、MQ-1のMは「多用途(Multi)」。

2011年、イエメン中部のマーリブ州で、多目的空対地対戦車ミサイル「ヘルファイア」を搭載したアメリカ中央情報局(CIA)のMQ-1プレデターが、アルカイダの幹部であったアンワル・アウラキを攻撃し射殺。アウラキは、アメリカ国籍を有していたため、アメリカ国内でも大きな議論が巻き起こった。また、CIAは、2004年から2014年の間にパキスタンで400機以上のドローンを投入し、2000余名の命を奪った、との報告もある。これらのドローンは、「キラードローン」と呼ばれている。同機の攻撃により、多くの民間人も巻き添えになっているため、中東では大規模なドローン使用反対デモが発生している。

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MQ-1 Predator:Photo via Wikipedia

ブランドン・ブライアンは、そのMQ-1プレデターの元操縦士。空軍在籍中の5年間に1626回、戦略目標に攻撃を加えた。その影響による精神的疾患から自殺未遂も起こしている。

「誰かの命を奪う任務に就くなんて想像してなかった」

何千機ものドローンが兵器として飛び交う「ドローン戦争」の勃発を懸念する専門家も多い。しかし、無人機とはいえ、操るのは人間だ。管制センターがターゲットになる可能性もある。ドローンを操縦する兵士たちの未来は?

原題:AMERICA’S EX-DRONE PILOT(2015)