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シチリア島で暗躍する難民ブローカーが後を絶たない理由

ギリシャからドイツを目指す、バルカン・ルートだけが難民の途ではない。シチリア島に流れ着く難民も後を絶たない。しかし、EU、イタリア当局は、あまりの難民の多さに、何ら有効な対応策を打ち出せないでいる。そんな状況のなか、擡頭してきたのが「難民ブローカー」だ。

EUに押し寄せる難民の数は未だに増え続けている。難民たちがギリシャからEUに入りドイツを目指す「バルカン・ルート」上で起こる騒動、対応策の決定に紛糾するEUの状況を伝えるニュースが、ここ日本にも日々舞い込んでくる。しかし、難民たちがEU入りするのは、ギリシャだけではない。シチリア島にも、EUを目指す多くの難民が流れ着く。

リビア、エジプト、イタリア、といった地中海沿岸にネットワークを張り巡らせた密入国斡旋組織は、難民たちの、藁にも縋りたい思いを逆手に取り、シチリアを舞台に私腹を肥やし続けている。その対応に追われる、イタリア当局とEUの間にも、ただならぬ軋轢が生まれている。

難民、ブローカー、イタリア当局が、シチリアを舞台に繰り広げる駆け引きを現地からレポート。

原題:EUROPE OR DIE – PEOPLE SMUGGLING IN SICILY (2015)