中央アフリカ共和国で現地の少女に獣姦を強要したフランス軍人

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中央アフリカ共和国で現地の少女に獣姦を強要したフランス軍人

国連は、中央アフリカ共和国で発生した平和維持部隊による90件以上の性的虐待について調査している。そのなかには、現地活動家グループが報告した、フランス軍の司令官が4人の少女を縛り上げ、犬との性交を強要した事件も含まれている。

中央アフリカ共和国でサンガリス作戦に参加中の仏軍. 兵士仏国防省映像音声記録製作部門ECPAD提供. (2013年12月28日提供). (EPA/Handout)

中央アフリカ共和国で発生した平和維持部隊による90件以上の性的虐待について、国連は調査を進めている。そのなかには、現地活動家グループによって明るみにでた、フランス軍司令官が4人の少女を縛り上げ犬との性交を強要した事件も含まれている。

同国に駐留するフランス、アフリカ各国軍による、性的虐待の実態を昨年リークした国際擁護団体「エイズ・フリー・ワールド(AIDS Free World, 以下AFW)」は、ごく最近、3月28日には、コンゴ人平和維持隊員がホテルで16歳の少女をレイプする事件が発生した、と報告している。

AFWが公表した内容は、国連情報筋が発信元だ。国連は、この情報を公式発表こそしていないが否定もしていない。3月30日に同団体が声明文を公表して間もなく国連は、同国内での調査範囲拡大を確認したうえで、「正確な数、深刻な問題の本質に関しては、現在調査中である」と発表。国連事務総長報道官が所属する事務所は、これらの申し立ては「サンガリス作戦」に配置されたフランス軍、ブルンジ軍、ガボン軍が主に関わっている、と報じた。これら3カ国の軍隊による同種の事例は過去にも発生した。

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2015年12月、潘基文国連事務総長により指名された専門家は、フランス軍兵士による子供への性的虐待に関する報告への対応の遅れを「組織全体のミス」と認めた。2013年末、フランス軍が中央アフリカに到着した直後、ベングイ空港周辺に集中した事件と相通ずる最近の出来事は、大海の一滴に過ぎない。

AWFによると、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)による、特定の地域に住む女子98人を対象にした取材に対して、98人全員がこれまでに国際平和維持部隊から性的虐待を受けた経験がある、と答えたそうだ。彼女たちの回答には、フランス軍だけでなく、国連使節団の関係者も加害者に含まれていた。

2014年、3人の少女が「彼女たちともう1人の女子、計4人は、 キャンプの中でサンガリス作戦の指揮官に、両手を縛られ裸にされた」と国連中央アフリカ多面的統合安定化ミッション(以下, MINUSCA)の人権スタッフに告白した。4人は「犬との性交を強制」され、報酬として約9ドルを受け取ったそうだ。

AFWは、「被害にあった4人目の女の子がその後、原因不明の病気で亡くなった」とプレスリリースで発表した。「生き残った少女のうち1人は、亡くなった少女が『サンガリスの犬』と地元の人々から呼ばれていたと話している」

ユニセフスタッフの調査によって明らかにされた、虐待によるおびただしい犠牲者数は国連全体に衝撃を与えた。特に衝撃的なのが、フランス軍兵士による虐待だ。同軍指揮官ですら性的虐待に関与していたといわれており、犠牲者は、衆人環視のなかで虐待された可能性が高いようだ。

先月28日、ステファニー・ドゥジャリック国連報道官は、中央アフリカのケモ州に使節団を派遣し、申し立てがあった2014〜15年の事件を調査する、と発表した。最近発生した虐待事件にはブルンジ人、モロッコ人の平和維持部隊員らが関与していた、とも同報道官は言及した。

2016年、最初の3ヶ月間でMINUSCAは25件の申し立てを処理した。国連使節団は、明るみにでた100件以上の性的虐待事件を処理しなければならないだろう、とユニセフは予想している。2015年、蔓延する性的虐待、搾取を大幅に減らした、と喧伝していた国連にとっては愕然とするような数だ。

ゼイド・ラアド・アル=フセイン国連人権高等弁務官は、3月30日に発表した声明文のなかで、最近の申し立てについて「不快だ」とコメントした。ゼイド氏の事務所は、性的虐待を上位処理事項とせず、各国当局への報告も怠った、と2015年12月のパネル報告で指摘された。

「われわれは、不快なケースを含む申し立てを深刻に受け止めている」とゼイド氏。「犠牲者たちを保護し、考え得る限りのケアをしなければならない」

中央アフリカでのスキャンダルは、潘国連事務総長の元特別代理人でMINUSCA代表だったババカール・ゲイ氏の辞任、コンゴ民主共和国出身の派遣団800人の免職にまで至る。MINUSCAの指揮下に配置される以前から、人道的虐待行為に関わっていたコンゴ軍兵士らは、数回にわたる性的虐待の申し立てを受け、潘国連事務総長により強制送還された。最近の事件には他国の軍隊が関与しているようだ。

フランス政府は30日、中央アフリカにおける同国の軍事介入を2016年末までに終了させる、と発表した。イスラム教徒の武装民兵組織「セレカ」とキリスト教徒の武装民兵組織「アンチバラカ」が激しい戦闘を繰り広げ始めた頃から駐留していた「サンガリス軍」は、「MINUSCA」同様、「性的虐待」とほぼ同義語になった。フランス当局は、2013年末から2014年にかけて発生した性的虐待事件についても調査中である、と言明しているが、詳細についてほとんど明らかにしておらず、兵士たちに対する処罰なども公表していない。国連フランス使節団は、公の場でコメントを求められても、いっ切応じていない。