ナイン・リチャード、37歳。レンドゥの武装集団による襲撃ののち、ふたりの娘、2歳のロシェル、11歳のマーヴ・グレースとともにチェ村から避難した。妊娠中だった彼の妻と3人の子どもは襲撃によって命を落とした。コンゴ民主共和国、ブニアの国内避難民キャンプで「彼らは、私と子どもたちを草むらまで追いかけてきました」とリチャードは、襲撃を生き延びた十数名の被害者たちとともに座り込み、語った。「彼らの目的は、私たち民族を殲滅することです。命の危機に怯えています」Adam Desiderio for VICE News.

時として、記者が成し得る最善の行動は、身を引き、みんなに、各々のストーリーを各々の言葉で語ってもらうことだ。もちろん、この7名が総勢300名以上の取材対象を代表することはできない。しかし、いずれも、たくさんの生き残った仲間たちが直面した暴力と苦難の証言である。
― ニック・タース

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ジャンボ・ジェルマン(Jambo Germain)とローズ・ムペンジー(Rose Mpenzie)

マゼ村

襲撃が始まったとき、私は外にいました。ほとんどの男たちと同じように、私も村の中心にいたんです。それから家には戻らず、ニャ(Nya)という別の村に逃げました。妻と娘[ローズ・ムペンジー, Rose Mpenzie]は家にいました。妻は殺されました。妊娠9ヶ月でした。赤十字が生存者の捜索のため村にやってきて、ローズを捜しだしてくれました。妻がローズの上に横たわり、ローズを守っていたんです。私はその場にいませんでしたが、赤十字はそう話していました。翌日、家に戻り、妻が殺されたことを知りました。ワケがわからなくなって、ただただ泣き叫びました。本当につらかった。そして、娘がドロドロ(DroDro)にある病院に運ばれた、と聞きました。私が娘を見つけたとき、彼女は、包帯に巻かれていました。彼女は3回切りつけられました。腕を2回、頭部を1回。顔にまで傷は及び、腕は折れていました。まだ治ってはいませんが、回復に向かっています。でも、娘は何もしゃべろうとしません。かつての娘とは変わってしまった。泣きだしてしまうこともあります。「ママはどこ?」というだけです。

リシンガ・ジェラレ(Lisinga Gerare)

ソンガマヤ村

レンドゥによる襲撃の日、逃げ場はありませんでした。私は湖のほとりに避難して、一晩中、巨大な岩のあいだに隠れていました。武装集団が村人を殺し、湖に投げ捨てるのを見ました。夜のあいだは、彼らに見つかりませんでしたが、次の日も彼らは捜索を続けていたから、私の運はそこまででした。ひとりが弓矢を私に向け、動くな、手にもっている刃物を捨てろ、と命令しました。私は従いました。既に死んだも同然です。ただ、矢で射られるのだけはいやでした。それだけが私の望みでした。とにかくそれだけが怖かったんです。彼らは私に、ズボンを脱ぐよう命じてきたので、私は従いました。彼らは、私のベルトで、私を後ろ手に拘束しました。私は、ボタンで留めるベルトをしていたんですが、彼らが私の両手を縛ったとき、彼らはそのボタンを留めませんでした。実は自由だ、と気づき、目の前にいた連中のひとりを殴り、逃げました。何ヶ所か切りつけられましたよ。ひとりにはここ[後頭部を指さす]、ひとりにはここ[左肩]、もうひとりにはここ[右肩]。血を流しながら走り続けました。そうやって逃げたんです。

クロディーヌ・ペルーシ(Claudine Perusi)

チェレ村

ここ[国内避難民キャンプ]には3週間と4日前に着きましたが、まだ何も支給されていません。5回登録にいって、毎回「大丈夫ですよ、食べ物が届きます」といわれるんですが、何ももらえてません。私の子どもを不憫に思う他の避難民から食べ物を分けてもらっています。[シェルターにするための]プラスチックシートと食べ物が必要です。こんな状況では生きていけません。

ナイン・リチャード(Nyine Richard)

チェ村

彼らのことは知っていました。ご近所さんでしたから。リチャ(Richa)、レクダ(Lekda)、チェッダ(Tcheddya)、マノリ(Manoli)です。彼らは、1本の小川を挟んだ隣の村に住んでいました。彼らは「カネをよこせ!」といい、カネなどない、と私が答えると、襲われました。切りつけられたあと意識を失い、目覚めると横に息子の死体がありました。

マーヴ・グレースとロシェル・ンガブシ(Rochelle N’gabusi)

チェ村

あの人たちに片手を切られて、気を失いました。目が覚めてから、歩き回ってお母さんを見つけました。お母さんは死んでました。だけど、妹[ロシェル・ンガブシ, Rochelle N’gabusi]は生きてたので、お母さんの身体から服を脱がせて、それで妹を背負いました。同じ村に住む男の子も見つけました。刃物で片脚を切られてひどいケガをしていました。私はその子の手をとって歩くのを手伝いました。もうひとり男の子がいました。その子は、両脚を切られていたけれど、生きていました。私は何もしてあげられませんでした。それからお父さん[ナイン・リチャード, Nyine Richard]を見つけました。喉が乾いている、助けを呼んできてくれ、といわれました。村の男のひとたちが、生きている仲間を捜しに戻ってきていたので、私は、そのひとたちを、お父さんのところに連れていきました。

アルフォンシーヌ・ンジェデダ(Alphonsine Njededa)

ルレ村

「どうして私の身体を切るんですか? 許して! ご慈悲を!」と叫びましたが、彼らは私の腕を切りつけ、腕は折れてしまいました。指も切り落とされました。あとはここも2度、切りつけられました[包帯を巻いた左手で頭部を指す]。

シャーロット・ボリヴェ(Charlotte Borive)

マゼ村

私たちは逃げようとしました。北のほうに走りました。だけど襲撃者がいたんです。南に、東に、西にも向かいましたが、そこらじゅうに襲撃者がいました。囲まれてたんです。走っているとき、側頭部に何かがぶつかり、意識を失いました。目覚めたらドロドロの病院でした。

ロビニ・フロリベール(Lobini Floribert)

ニャマンバ村

何が起こっていのかわからないうちに、襲撃されました。私は左手首に矢を受け、それを引き抜きました。何人かで木製の漁船まで走り、みんなで船を湖のなかに押し出していると、ひとりのレンドゥが私の背後に現れて、刃物で私の背中を切りつけました。いっしょにいた仲間たちはみんな湖岸で殺されました。大怪我をして、血がでていましたが、湖に飛び込んで泳いで逃げました。