中学校はどうでしたか? 

とりあえず傷付くのが怖いので、ひとりでいました。

同じ区内の公立中学校ですか?

はい。ですので、同じメンバーがグワーっといながら、別の地区からも来るので、知っている人もいれば、知らない人もいるという微妙なバランスでした。ですから再出発には不向きでした。

はい(笑)。部活とかは?

アート部という部活に入って、好きな絵を描いていました。そこでは友達がちょろりとできましたけど、基本はひとりで、夜な夜な音楽を聴いたり、歌詞の世界を想像したりしていました。

誰の歌詞を想像していたんですか?

スピッツにどハマりです。全部TSUTAYAで借りて、毎日聴いていました。でもスピッツのおかげで、親友と出会えました。

お! いつですか?

 高校に入ってからです。とりあえず、「地元の人間がいないところ」で選んだ公立高校なんですけど。

再出発ですね! 親友ができたってことは、成功したんですね!

いえ、最初は失敗しました(笑)。

あらー、どうして?

入学したら、とりあえず周りの子に声をかけようって決めていたんですけど、私は、後ろから3番目の席になって、後ろのふたりは後ろで喋り、前の子は前で喋り、結局ポツンと。

挟まれちゃったんですか?

はい。でもある日、常識的な子が「お弁当を一緒に食べよう」って。

常識的な子(笑)。

「ひとりの子を見捨てれん!」って、情けで入れてくれたんですね。それで食べていたんですが、無理して頑張ってくれている感じが耐えられなくて、「大丈夫だよ」って、また次からひとりで。

戻っちゃった?

はい。

でも現れたんですよね! スピッツから送られた救世主が!

はい(笑)。ある日学校が終わってから、忘れ物をしたので教室に戻ったら、女の子がふたりいたんです。ドキドキしながら「私は空気…私は空気…」って…

うん、うん。

そしたら、そのふたりが楽譜を開いていたんですけど、それが『インディゴ地平線』の楽譜だったんですよ!

なんですか、それ?

スピッツのアルバムです。実は私、目線は前ですけど、横も見えるんです。

ん? なんですか?

危険を察知というか、人と目を合わせるのが苦手だから、横も見えるんです。だから『インディゴ地平線』も見えてしまったんです。

最強の技ですね!

それで「あっ!」って声が出てしまって、「あっ!って、いっちゃった。私、頑張れ!」って、「スピッツ好き?」って訊いたら「好きだよ」と。そしたら「ずっとひとりでごはん食べているの、とても気になっていたから、一緒に明日から食べようよ」って。

くーっ!! 最高の子じゃないですか!!

『インディゴ地平線』が繋いでくれた友達です。生まれて初めてのライブはスピッツだったんですけど、その子が連れていってくれました。制服で行きました。その子とは今も仲良しで、しかも同じ誕生日なので、勝手に運命の人だと思っています。

ポンチョ時代を乗り越えた甲斐がありましたね! 部活はしていましたか?

美術部に入りましして、さらにそこで面白い人たちと出会えました。それぞれ色んな音楽好きな人がいいましたね。CASCADE好きな子がいたり、TRICERATOPS好きな子がいたり。

TRICERATOPS! すいません、ちょっと忘れていました。

私も久々にいいました。

素敵な男の子はいましたか? 清さん似ばりの?

美術の授業で、手の絵がめっちゃ上手い男の子がいて、ちょっと好きになりました。でも、その子はリア充組にいたので、3年間一言も話せませんでした(笑)。

うん、うん!

あ、今、思い出しました!!

はい、なんでしょう(笑)?

その手の上手い男の子と2年のときに同じクラスになったんです。神様のいじわるで、一番前の隣の席にしちゃってくれちゃって。勘弁してくれって。

技があるから、離れていても見えるし。

私は、彼の視界の外にいたかったのに(笑)。で、保健の授業のときだったんですけど、先生が「コンドームを見たことないだろう。見とけ」と。「今からまわすから、見たら隣の人に渡せ」って。そんなことが起こりました。

キャー! 隣の人に渡す!! それもコンドーム!! それは箱のままですか? それとも小分けですか? それともモロ出しでしたか?

モロ出しです。その状態で順々に回ってやって来ました。手渡し、それもコンドームを手渡しなんて、私には次元が違い過ぎました。絶対無理でした。なので、お菓子を投げる感覚で、ポーンと投げたんです。でも私は、なかに液体が入っているのを知らなかった。

避妊ゼリー付きコンドームですね!!

ポーンと投げたら、その子にベチョっとなっちゃって。

ポンチョ時代復活ですね!!

ひたすら平謝りしました。それもあって3年間ずっと喋れなかった。本当にごめんなさいって。

はい(笑)。思い出してくれてありがとうございました。でも素敵な高校生活でよかった。

でもやっぱり、友達との付き合い方があまりわかっていなかったです。「今の友達をいかに繋ぎ止めるか?」って、いつも考えていましたし(笑)。

どう繋ぎ止めていたんですか?

2年のとき、5人グループの子と仲良くなったんです。お母さんがスーパーでちょいちょい買っていたお菓子ラックのなから、毎日お菓子を持っていってました。〈たべっ子どうぶつ〉とか。

食い物作戦かー。

お昼時間に「お菓子食べる?」っていうのが、私のストック会話でした。とりあえず今日も「お菓子食べる?」という会話を持っている、みたいな。

うん、うん!

でもある日、ひとりの子が「別に毎日お菓子を持ってこなくていいんだよ」って。

ガーン! ストックが!

はい(笑)。あのときは、恥ずかしいのと、ストック減っちゃったのと、「ごめん!」っていうので涙が出そうになって、トイレに駆け込みました。

それからお菓子は?

2日に1回に減らしました。〈今日は本当に食べたいから持って来た体〉で(笑)。

最高ですね! では高校卒業後の進路はどう考えてらっしゃったんですか?

絵を描くことが好きだったので、そっち方面に行きたかったんですが、根暗な絵で、自己満足の絵で、誰がこんな絵を好むんだ? とわかっていたので、イラストレーターとか画家には絶対なれないと考えていました。それで、その人たちの近くでできる仕事って考えたときに、デザイナーだと。そこでデザインの専門学校に部活で描いた絵を送ったら、奨励賞みたいなのをいただきまして、奨学金も出たから、これで親を説得できると。行かしてくれーって。

名古屋の専門学校ですか?

はい。

どうでしたか? またまた再出発コーナーですが、お菓子とか、スピッツの楽譜とか、用意したんですか?

大丈夫でした(笑)。やっぱり、絵とか写真が好きな子ばっかりでしたから、受け身作戦で大丈夫。

受け身作戦とは?

小学校のときとか、ひとりで落書き帳に絵を描いていると、ちょろっと見に来てくれる子がいたんですよ。その作戦です。それでヒットです。

釣れた(笑)?

釣れました(笑)。いつもたむろするような友達ができました。当時、別のクラスだった子や上級生の先輩も、私の作品のことを知ってくれて、そのふたりが後々ライブペイントのチームに誘ってくれたりもしました。「エミちゃんの作品が気になっていたし、好きだった」って。そのふたりのおかげで、視野や考え方が、広く明るくなりました。ライブペイントがきっかけで、デザインの師匠にも出会わせてくれました。そのふたりは、友達で、恩人で、大事な人たちです。いつか絶対恩返しすると決めています。ちなみに、インタビュー応募を薦めてくれたのは、その友達です。

そして27歳伝説を経て、いよいよ告白タイムが近いてまいりましたね!

はい、そうです。

ぜひ超Happyになっていただきたいのですのが、加藤ミリヤさんは、「時は過ぎ 乙女大人になって 戻れない 〈うちらの時代〉は 特別に輝いてた」と歌ってらっしゃいます。

はい。拝聴しました。

いかがでしたか?

ちょっと泣いちゃいました。辛かったあの頃の自分に、ちょいと渡してあげたい気持ちに。でもあの歌に出てくる方々はきっとリア充。そう思うと100%感情移入出来ませんでした。

それはそうです。それぞれですから。

あの方々は街に出て、どんどん声をかけられて、人と知り合えば知り合うほど孤独になられています。でもこっちは…

瑛美さん、もう大丈夫です! ありがとうございます! では、今とあの頃、瑛美さんは、どちらが輝いていますか?

ギリ今でしょうか。今はやることがありますから。

お仕事も充実されているようですし、そして…

はい、告白ですね(笑)。とりあえず玉砕されても、仕事は繋がっていたいですね。お仕事に対して、とても情熱のある方だから、一緒にやっていて楽しいんです。

ホラまた、玉砕のことばかりー。ヴィクトリーパターンは考えていないのですか?

ポジティブに考えることもしています。でも、うまくいったらいったで、うまく付き合えるかどうかも心配です。

どういったところが心配なのですか?

手短に話しますが、以前付き合っているような、付き合っていないような方がいたんですが、終わるときに私は、「いやだ、いやだ」とゴネたんです。

はい。

そしたらその相手の方に、「じゃあ例えば、俺が無職になったとき、あなたはなにができるの? 俺を養える?」っていわれたんです。

それは男がひどい!! 最低でしょ!!

でも、そのときに考えたんです。相手にとって、「私と付き合うと、こんなにお得ですよ」っていうアピールがなければって。そういうプレゼンができなければって。でもそれが私には見つからなかったので、これまでプレゼンを先延ばしにしていたんです。

うーん。

まだ準備が足りぬー。

うーん。

まだ養えぬー。

養わなくていいでしょ!

でも、そうやって自分に言い訳して、ここまで来てしまったので、今回はちゃんとします。

そうですよ、それにめちゃくちゃパワー持っているじゃないですか。アサガオの確率とか。100回目とか。

ああ、ありがとうございます。

では最後にお訊きします。瑛美さんの夢を教えてください。

『サマーウォーズ』の大家族みたいに、みんなでごはんを食べる機会に自分も恵まれることです。

すいません、『サマーウォーズ』ってなんですか?

とても素晴らしい映画です。近未来のSFっぽい設定なのですが、田舎の大家族が、とある敵をぶっ倒す映画です。

大家族に憧れがあるんですか?

そうですね、うちは両親が離婚しているんですが、ふたりともあまり会話がないような家庭で、親戚づきあいも少なかったんです。幼い頃からそうだったので、それが普通だと思っていたんですけど、〈寅さん〉とかを観てもそうじゃなかったので、ぜひとも、ぜひとも、そういう機会に出会いたいです。

清さん似は大家族なのかしら?

大家族かどうかはわかりませんが、家族愛はあると思います。

ですよね、1時間半も走って帰ったんですから。予想では猫も飼ってるのだから、動物愛もある。

あ…あの、すいません。実は私知ってるんです。本当は実際に猫を飼ってらっしゃるんです。Facebookで繋がったときに、なかを見ちゃったんです。ストーカーみたいに。

そりゃ、みんな見ますよ。当たり前じゃないですか。

おほほ(笑)。

おほほ…って。Facebookのなか見るの、普通ですよ。

すいません、ずっとインタビュー中、後ろめたかったんですが、実際に飼ってるんです。すいません、デブ猫です。

アハハ!! デブまではいわなくていいですよ! 今日は本当にありがとうございました。

すいません、本当に。なんか。よかった。終わった。小学校の私からしたら、快挙です。

※「Are You Happy Now?」では、インタビューを受けて下さるアイさん、ユメさん、ナギサさん、サクラさん、マドカさん、ミドリさん、レイコさん、マキコさん、マイさん、ユイさん、ユリさん、アカネさん、ユウさん、サチさん、ユカリさん、マオさん、カナコさん、ミカコさん、エリカさん、アヤメさん、レイナさん、チサトさん、ミヤビさん、マリアさん、メイさん、アイさん、リナさん、サチさん、ナナさん、リサさん、アスカさん、サツキさん、アンナさん、ハヅキさん、マナミさん、リオさん、チカさん、シホさん、サオリさん、ミユキさん、アサミさん、ユウカさん、レイカさん、ミアコさん、ヨシエさん、ヒトミさん、マヤさん、ルナさん、エイミさん、アイカさん、カスミさん、アカリさん、モモコさん、シオリさん、ヒナコさん、ミサコさん、ミクさん、ユカさん、シオンさん、ツバサさん、リナさん、ルミさん、ミナさん、ミヅキさん、ヒカリさん、マモリさん、アイリさん、クラシさん、エンさん、ユキさん、ヨーコさん、ノリヨさん、ジュンさんを募集しています。自薦、他薦、構いません。お名前、ご年齢、性別、お住まい、ご職業、応募の動機を明記の上、こちらまでお問い合わせください。