じゃあ、中学は覚えていますか?

さすがにその頃からは覚えています。

部活とかは?

はい。バスケットボールをやっていました。…うーん、でも、そんなに好きじゃなかったですね。

あらー、なんで?

コーチがすごく嫌なヤツでした。言葉で攻めるタイプですね。

どんな攻め方をしたんですか?

「オメー、向いてねーよ」「辞めれば?」「死ねよ」

うわー、それは酷いですね。

プレイに対して怒るのではなくて、人格否定みたいな攻め方だったんです。気付いたら「どうやったら何もいわれないかな」「怒られないかな」って考えているだけの部活でした。

何の先生なんですか?

いや、先生じゃなくて、外部から来るコーチでした。今日は来ないっていっていたのに体育館のどこかに隠れて監視していたり。私は副キャプテンだったので頑張っていたんですけど、今考えると、楽しくなかったですね。

楽しいことはなかったのですか? 恋は? 恋? 

ありました!

ああ、なんかよかったー。誰ですか? やっぱバスケ部?

はいー!

詳しく恋を教えてください。 

1年生の体験入部のときから気になって、初めて付き合った子です。高校に行ってからも付き合ったり、離れたりしていました。

あら、長いですね! どんなデートをしていたんですか? 帰りにオダキューOXに寄ったり?

砧公園の横に総合運動場があるんですけど、そこでバスケしたり。

コーチは嫌いだったけど、バスケ自体は好きだったんですね。でも確か高校はオーストラリアですよね? 彼氏とも離れ離れに?

そうですね。ちょっと遠距離恋愛みたいなことはしたんですが、結局は別れました。

どうしてオーストラリアの高校に進学したんですか?

うーん…受験をしたくなかった。

現在の状況と似ていますね(笑)。

…っていうのもあり(笑)、あとは英語です。お父さんがいた頃、英語で話しかけられて、私は日本語で返していたんです。聞くことはできるんですけど、話すことはできなかったので、英語を勉強したいとは思っていたんです。それにおばあちゃんたちも熱心に誘ってくれたんで、「うーん、行こっかなー」ってポロっていったら、トントンと進んで、決まっちゃいました。

不安はありませんでしたか?

うーん、そんなに考えていなかったんで。ただ住んでみたら、これがまたつまらなかった(笑)。

もうー(笑)。

というか、めちゃ辛かったです。最初は親戚も通っている現地の高校に入学したんですが、まず初日にメガネをかけて登校したのがマズかったです。

メガネ?

はい。向こうはメガネの子が本当に少なくて、〈=おたく〉みたいなイメージがあったみたいで。それで、変な印象を与えちゃったのか、最初は口も聞いてもらえず、友達もできませんでした。それに、みんな早口だし、ティーンエイジャーの言葉だから、何を喋っているのかもわからないし、ひとりでランチを食べてました。

そっかー。

まぁ、ちょっとしたら友達もできましたけど。

よかったじゃない!

できたんですけど、そこからまた動きがあって。学校側から「授業についていけてないんじゃないの?」といわれて、転校を薦められたんです。

オーストラリア内で?

はい。英語を集中的に学ぶため、移民の子たちが通ったりする学校です。結局そこに転校しました。

1年くらいで帰国したということは、ここも面白くなかった?

そうですね。友達はできたんですけど、ちょっとイメージが違いました。いろんな国の子が集まっているから、とても多様性があって、オープンな学校だと思っていたんですね。でも結局、同じ国の子ばかりで集まって、ちょっと差別的なこともあったり。私も「あなたが日本人か、中国人か、韓国人か、よくわからないけど、顔が白人だから好き」とか言われて。すごく居心地が悪かったですね。「なんだ、これ」って、ずっと考えていました。

それで、帰ってきたんですか?

それもあったんですけど、おばあちゃん、おじいちゃんも大変だったみたいで。身体も弱くなっているし、膝とか腰とかも悪くなっているのに、私の世話をしなくちゃいけない。でもここでは保護者だから、責任がある。でもティーンエイジャーの気持ちはわからない…って。

ああ、寺田さんも、大好きだったおばあちゃんなのに、一緒に暮らし始めてから喧嘩の仲になったと、いってました。

喧嘩はしてないですけど(笑)、やっぱり大変だったんでしょうね。私も毎週おかあさんとのスカイプで「もう、やだー!」とかいっていたので、おばあちゃんも「純はここでは幸せじゃない」って、お母さんにいっていたそうです。

で、「もう帰る!!」と?

冬休みに一時帰国したんですが、おばあちゃんと、おかあさんのあいだで、話を決めていたんですね。おかあさんが「もう、このまま日本にいていいよ」って。

お疲れさまでした! で、そのまま日本の高校に編入ですか?

いえ、日本の高校に通っていた訳ではないので、改めて受験しました。

受験が嫌だったのに結局(笑)。でも、大変だったんじゃないですか? もう冬でしょ? 時間がない。

外国語コースがある都立高校を選んだんです。そこだと入試科目が、国語、数学、英語だけなので。

とはいっても、猛勉強しないと。

そうでうすね。頑張った…かな(笑)。なんとか合格できたんで。

さあ、あらためましての高校生活。楽しかったですか?

いやー、全然(笑)。

またですか(笑)。

〈失われた3年間〉と呼んでいます。ぜーんぜん、楽しくなかった。

なんか、可哀想になってきました(笑)。なんで?

共学なんですけど、3年間女子クラスだったんです。みんな仲良かったんですけど、それ以上でもない感じで。ちょっと合わない感じもありました。

合わない? 趣味とかですか? 純さんの趣味って?

音楽ですね。60年代の洋楽とか。

その時点で確実に合いませんよね(笑)。誰が好きだったんですか?

THE KINKSとか。あとは…THE SEEDSとか。

THE SEEDS好きの女子高生! 私の時代にもいませんでしたよ(笑)。

学校帰りは、ディスクユニオンばかり寄っていました。あ、そうそう、ユニオンのバッグあるじゃないですか? ビニールじゃなくて、固いヤツ。売り物のヤツ。

はいはい、ロゴ入りの。

アレで学校通っていました。

アハハハ!!!!

ちょうどいい大きさで、なんでも入るんですよ。それにアレ持ってたら「私はちょっと違うんだ。みんなとは違うんだ」なんて気持ちになって。

ROUGH TRADEのトートバッグとユニオンバッグだったら、どっちがいいですか?

どっちも素敵ですけど、私はユニオンかな。

でもこんなクリクリな子がユニオンバッグ持ってたら、話しかけられたりしませんでしたか?

ああ、ありました、ありました。電車の中で男の人に話しかけられて、降りても付いてきて。「俺、舞台俳優なんだけど」「もういいです、いいです」って振り切りました。

ユニオン効果って、すごいですね!

あ、そういえば、大学でも、あのバッグがきっかけで「DJしない?」って誘われました(笑)。

大学に入ってもまだ使ってたんですか(笑)。

たまたまです、たまたま(笑)。本当に使い勝手が良かったので。

では、その大学ですが、ICUってことは、相当勉強したんじゃないですか?

そうですね。ICUに進学したかったんで、ここは、めっちゃ頑張りました。

で、どうでしたか? 大学生活は?

はい、とてもとても楽しかったです。あ、今も学生ですけど(笑)。

良かった。〈FUKU⇄FUKU〉にも入りましたしね。

〈おでん⇄おでん〉も(笑)。

さて、純さんは今お幸せですか?

はい、幸せです。でもまだまだですね。これからもっと幸せになりたいですね。

純さんが考える〈幸せ〉ってなんですか?

えっとですね! 自分の牧場が欲しいです!

はあ(笑)?

ロバと牛と羊と犬と馬と猫とヤギとかがいっぱいいて、果物とか野菜を育てて生活する…みたいなのが夢です。あ、これは超理想です。すぐ実現できるものではないので。

いや、できますよ。います、います、小野さん。調布の牧場の息子さん。

調布に牧場なんてあるんですか?

あるんです。小野さんのお嫁さんになれば、すぐ幸せになれますよ。

嫌です。あ、そういうつもりではなくて、婚約したので。

え! そうなんですか! 彼氏と?

はいー(笑)。

おめでとうございます!

ありがとうございます。

いつ婚約したんですか?

去年です。ただ在学中に結婚するのか、卒業してから結婚するのかは、話し合い中ですけど。

素敵ですね! 彼氏のご家族にもお会いしたんですか? 

はい。とっても優しいみなさんです。

さて、加藤ミリヤさんは、「時は過ぎ 乙女大人になって 戻れない 〈うちらの時代〉は 特別に輝いてた」と歌ってらっしゃいます。今とあの頃、純さんは、どちらが輝いていますか? 答えはもうわかってますが(笑)。

断然今です(笑)。

ですよね(笑)。婚約もしたし。

それもありますし、歳を重ねるごとに、本当に自分が好きなものがわかってきましたし、世界も広がりましたし。そういう経験は、あの頃より、どんどん増えて来ているので。でも、超頑張ってでも〈やりたい何か〉は、まだ見つかっていないので、今は超ハッピーってわけではありませんね。

彼氏にも牧場のことはいってるんですか?

はい。

なんて、いってます?

「う…うん…」っていってます(笑)。

牧場するなら、レコード屋さん辞めないと。ちなみにどちらのレコード屋さんですか?

ディスクユニオンです(笑)。

(カメラマン:宮本さん)固執してるなぁ。

純さんの人生は、ディスクユニオンのおかげですね!

はい(笑)。

※「Are You Happy Now?」では、インタビューを受けて下さるアイさん、ユメさん、ナギサさん、サクラさん、マドカさん、ミドリさん、レイコさん、マキコさん、マイさん、ユイさん、ユリさん、アカネさん、ユウさん、サチさん、ユカリさん、マオさん、カナコさん、ミカコさん、エリカさん、アヤメさん、レイナさん、チサトさん、ミヤビさん、マリアさん、メイさん、アイさん、リナさん、サチさん、ナナさん、リサさん、アスカさん、サツキさん、アンナさん、ハヅキさん、マナミさん、リオさん、チカさん、シホさん、サオリさん、ミユキさん、アサミさん、ユウカさん、レイカさん、ミアコさん、ヨシエさん、ヒトミさん、マヤさん、ルナさん、エイミさん、アイカさん、カスミさん、アカリさん、モモコさん、シオリさん、ヒナコさん、ミサコさん、ミクさん、ユカさん、シオンさん、ツバサさん、リナさん、ルミさん、ミナさん、ミヅキさん、ヒカリさん、マモリさん、アイリさん、クラシさん、エンさん、ユキさん、ヨーコさん、ノリヨさんを募集しています。自薦、他薦、構いません。お名前、ご年齢、性別、お住まい、ご職業、応募の動機を明記の上、こちらまでお問い合わせください。