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近所の神社でお祭りがありました。キッズやらカップルやらたこ焼き屋やらケバブ屋らでごった返す中、社務のあたりで清楚なひとりの女性が。おおー! 御朱印!! 御朱印ガールですよ!! いただいた御朱印帳を大事にトートバックにしまうガール。射的なんか目もくれずに神社を後にするスーパーガール。今日はどれだけ回るのでしょう? まだまだ残暑続きます。お気をつけてー!

日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。

イ・ラン(い らん)さん:シンガー・ソングライター

本日はソウルからわざわざありがとうございます。よろしくお願いします。

はい、よろしくお願いします。韓国にはVICEないですよ。

そうですね。中国にはありますけど。

やっぱり韓国はいい物がないですね(笑)。

いきなり(笑)。

(VICE Japanサイトを見ながら)ああ、植野さん(テニスコーツ)も出てるんですね。

今回の来日で植野さんとは会いました?

今回はまだ会ってないです。人と会うのが苦手で。人見知りするんです。

あ、エッセイ読ませていただいたんですが、そこにも書いてありましたね。嫌いな人に会うと、アゴが痛くなるって。もう痛くなってます?

今は大丈夫。仕事ですから。

仕事だと痛くないんですか?

痛いけど、我慢できるくらいの痛さです。

(笑)。これ以上痛くならないように頑張ります。それにしても日本がお上手ですね。どこかで勉強したんですか?

スマスマ。

へ?

韓国でスマスマ観ていました。あとロンドンハーツですね。

SMAPが好きだったんですか?

いいえ。料理、オイシソーだから(笑)。それをめちゃくちゃ観てました。だから、フードの単語から覚えたり。

すごいですね!

あとは、4年前に初めて日本に来たんですが、色んな人と会って話したり。それに日本に留学した友達からも勉強を教えてもらいました。

もともと日本には味があったんですか?

漫画とか読んでましたからね。韓国には日本の漫画たくさんあるから。韓国のオリジナル漫画はあんまりなくて、みんな日本の漫画を読む。『20世紀少年』とかね。それか『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』とか『エヴァンゲリオン』とかですね。

初めて来日したときの印象はどうでしたか?

東京はキレイでびっくりしました。本当にソウルはゴミだらけ(笑)。普通に道にタバコをガンガン捨てるから。あとキャンディーとかもね。「パーン!」って。

キャンディむものでしょう(笑)。

じゃあ、ガムとか「パーン!」って。韓国は道にめっちゃ捨てるから。

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ご出身はソウルですか?

はい。ソウルで生まれましたが、近くのキョンギド(京畿道)というところが一番長かったですね。そのあと大学に入ってから、ソウルに戻りました。

キョンギドってどんなところなんですか? 田舎なのかしら?

田舎じゃないですよ。ソウルを囲んでいる地域です。ソウルは小さいから、アパートとかマンションとか、団地とかがキョンギドにある。ニュータウン。同じ風景で、ショッピングモールとかがあって、私も子供のときは高層マンションに住んでいました。ソウルは古いけど家賃は高い。

「高校卒したらソウルに行くぜ!」みたいなノリなんですか? 「東京行くぜ!」「大阪行くぜ!」みたいな。

ソウルは遠くないですから。韓国は狭いじゃん。1日でソウルに行ったり来たりできる。プサン(釜山)に住んでても、新幹線みたいな電車に乗って、遊んで帰るんです。

小学校のときのイランさんは、何をしてんでましたか?

小学生…。私は小学生のときは、オ…オラク…? えっと、エンターテイメントですね。日本語でなんていうの?

娯楽かな?

はい、それですね。娯楽部長だった。

何ですか? 娯楽って(笑)。

クラスの楽しみの部長。

それは何をするんですか?

休み時間にモノマネしたり。

のモノマネですか?

先生のですね。10人の先生のモノマネしてた。

その中で一番得意なやつとか今も出来ます?

出来るよ。その先生は、呼び方がめっちゃうるさかった。「イ! ラーーーーーーン!!!!」

わかりませんが、すごく力強いですね。知ってる人だったらドッカンドッカン受けてるところですか?

うん。

人気者だったんですね。クラスの中心的存在。

そうですね。リーダーだった。勉強もできたし、強かったと思います。

初恋とかも小学校くらいのときでしたか?

初恋?

ファストラブ。

ファーストラブ?

そう、一番最初に好きになった男の子のことです。

あんまりいなかったですけど、みんなは私に手紙をいっぱいくれました。「結婚してください」みたいな。

モテモテじゃないですか! その中にステキな男の子はいなかったんですか?

あまりいなかったです。私は強い男が好き。神さまみたいな人が好き。

ん? 神さまですか?

はい。

それは今もですか?

今も。

そうですか。じゃ、中学生活はどうでしたか? 部活とか。

韓国は部活がない。高校もあんまりないですし。

じゃあ、みんな学校がわったら何をしてるんですか?

塾ですね。

ああ、みんな行ってるんですか?

小学校からずっと塾ばっかり。私はあんまり行ったことないですけど。

成績優秀のリーダーですものね! じゃあ、何をしてたんですか? モノマネの練習?

図書館みたいな勉強室っていうところがあるんです。雑居ビルの中に机がめちゃくちゃあって、そこでひとりで勉強するの。1か月分の使用料を払って。親にいって、そのお金を貰うんですけど、私はカラオケに行ったり、ゲームに行ったり、カフェに行ったりしてた。

あら! 悪い子じゃないですか。

何が悪いの(笑)? 遊んでるだけだよ?

だって、お母さんからお金貰ってるんでしょ? お母さんは勉すると思ってますよ。

だって、いつも勉強上手だったから。学校で勉強してたらわかるでしょ(笑)?

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ちょっとムカつく子だったんですね。じゃあ、国の子はスポーツもしないのかしら?

あんまりしてないですね。

キム・ヨナとかはどうしていたのかしら? 英才教育ですか? あ、イ・ランさんに訊くことじゃないか。

キム・ヨナは私のところに住んでいて、弟と同じ学校でした。

あの子可いですよね。

うん。可愛いでしょう? それに偉い。

やっぱりキムヨナは国民的スターなんですか

そう、そう。今は化粧品のモデルをやったり。

やっぱりイランさんも「浅田真央なんかやっつけろ!」とかって?

あんまり興味がない。韓国と日本がサッカーやったら「ワーッ!」ってなるじゃん? なんでよ、意味ない、意味がわからない。そのときだけ「日本許さない!」とか。いつもはそんなこと考えてない人たちまで「日本倒せー!」とか。

ランさんの周りのお友達もそうなります?

あんまりいないですね。やっぱり、おじさんとかが多いのかな。浅田真央も可愛いのにね。やっぱり植民地だから。

そんなこといってー。

それはギャグですよ。植民地ギャグ。でもね、植民地が終わって、そのあと軍隊政治が始まった。今も韓国の文化のどこかに軍隊文化が残っています。映画とか、会社とか、上下関係とかも全部。雑誌の会社とかも軍隊文化ですよ。だから植民地ギャグをつくらなくちゃいけない。

徴兵もありますよね。あれって2年でしたっけ?

はい、基本は2年ですね。行かなかったら刑務所。

恋人同士とかってどうなるんでしょう? 女性にとって、待つのは当たり前のこと?

私は兵役の終わった人とだけ付き合ってきた。待ってることができないから。だいたいは彼氏が軍隊に入ったら別れるね。

れるのが当たり前なんですか?

うん。だって会えないでしょう? 男の子が軍隊に入ったら、みんな変わって帰ってくるし。

え? 変わって?

軍隊の文化は辛いでしょ。だから弱くなる人もいれば、マッチョになる人もいる。みんな色々変わるんですよ。自殺もめちゃくちゃあるし。軍隊に行きたくない人は、行かない方法を色々探します。精神病になって行かないとか。タトゥーがいっぱいあったら行かないとか。歯が何本か無かったら行かなくていいってワザと抜いちゃったり。色々やるよ。ダイエットやって、ガリガリになったり、身体検査に行くときに女の子っぽくしたりする。トランスジェンダーのフリ。

でも行かないと、いい会社に就できないとか。

そう、そう。でも芸術家とかはあんまりそれを気にしないから。軍隊に反対しますって、わざと刑務所に行く人も最近はいますね。やっぱり韓国は、軍隊文化が一番問題。

でも、国にいたら当たり前のことですよね? イランさんはいつ「あれ? なんかうな」って思ったんですか?

私は小学校のときから学校が大嫌いだったから。

あれ? 娯楽なのに(笑)?

学校に行ったら娯楽部長ですけど、帰ったら行きたくない気持ちになる。厳しくて、学校で運動時間とかあるじゃん。それも軍隊文化ばっかりで。北朝鮮みたいにマスゲームとかもやったりするから。中学校のときまではわからなかったけど、高校は2週間くらいで辞めました。色々なチョイスがあることを知ったので。

お母さんはなんかいってましたか? 怒った?

いいえ。私が毎日泣いて「行きたくない、自殺する」とかいってたのを知ってたので。

高校を辞めてからはどうしたんですか?

高校の卒業資格がもらえる検定試験に受かって、あとは仕事を始めました。雑誌で漫画の連載をしてたんですよ。

いきなり漫画家ですか! どういった経緯で?

お姉ちゃんがある雑誌を読んでいたんです。中学生のときからお姉ちゃんと一緒に読んでて。その雑誌は、5人くらいの人がつくった雑誌で、その担当者さんひとりひとりのキャラが強かった。私が好きな人は漫画担当で、その人に漫画を見せたくて、手紙でずっと漫画を送りました。そしたら、その人が私の漫画をスキャンして、ウェブサイトに出して、それでどんどん仕事になった。

すごいですね! でもイランさんみたいな10代を送っている子って周りにいました? 大人の人から「ちゃんと学校に行かなきゃだめでしょ」とか?

あんまり人の話を聞かないから(笑)。いつも年上の人と遊んでいたし。

恋はいかがでしたか? 神さま、現れた?

神さまではない。普通の人ですけど、10歳年上の人と恋愛を始めました。その人が私を育てた。一緒に住んでいました。

どんなデートをしていましたか?

一緒に住んでいたから、デートとかは無かったですけど、映画会社の人だったから、私もその人の会社に行ってました。会社のどこかで寝たり、遊んだり、食べたりして。

会社で飼ってる猫みたいじゃないですか。週末に持ち回りで家に連れて帰る猫。来るな、とかっていわれなかったのですか?

なかったです。なんとなくそういう風になった。その人とは4年くらい付き合ったんですけど、その会社は映画のDVDをつくる会社で、映画をどうやってつくるのかを見たりしてました。映画監督さんたちが編集とかに来ていて、それを見てた。そこで映画に結構興味が出てきて、大学の映画科に入学したんです。合格パーティーもその会社でしましたね。